取引先の概要ダッシュボード

取引先の概要ダッシュボード

取引先の概要ダッシュボードは、ABM(アカウントベースドマーケティング)を行う際の入り口となるページです。取引先からの売上などの動きについて、このダッシュボードを見ることで全体の状況をすぐに把握できます。

このダッシュボードには、ABM戦略の検討に有用な情報が集められています。ABMの対象となっている全取引先に対して幅広い観点から理解を深めるのに役立ちます。取引先全体の売上、傾向、行動、パターンなどを過去のデータも含めて分析できます。また、取引先の発言に表れる感情や、その背後にある意図も推測して分析できるので、取引先の真のニーズをとらえることも可能です。こうした深い分析を行うことで、どの取引先が良好な反応を示しているのかを見極め、その取引先に向けて最適な戦略を立てることができます。

以下では、このダッシュボードで得られる情報を4つのセクションに分けて説明します。

セクション1:KPI(主要業績評価指標)

取引先の件数の合計:Zoho ABMで管理している取引先の件数です。
メモ
メモ:全体条件によって取引先の抽出を行っていない場合、Zoho CRMからZoho ABMに取り込んで処理ができる取引先の件数は、エンタープライズプランおよびZoho Oneでは最大で200,000件、アルティメットプランおよびZoho CRM Plusでは最大で500,000件です。


獲得した売上の合計:Zoho ABMで管理している取引先からのこれまでの売上額です。
メモ
メモ 
この金額の表示に使用される通貨は、Zoho CRMの組織設定で基準通貨として指定されている通貨です。
新しい取引先の件数:直近の6か月間にZoho CRMの組織に追加された取引先のうち、全体条件を満たす取引先の件数です。ABMの対象となる取引先がどの程度増えているかの目安になります。


売上が上位の取引先:売上が大きい順に取引先を表示します。各取引先の売上にもとづき、順位は随時変化します。
商談が今月完了予定の取引先:近いうちに商談を受注すると見込まれる取引先の一覧です。完了予定日が今月に設定されている商談が抽出され、その商談に関連付けられている取引先がすべて表示されます。この一覧からは、売上を今月分として計上できる可能性の高い取引先が分かります。
 
メモメモ:これらの分析の対象となる取引先は、商談に関する動きが活発な取引先のみです。最近動きがない取引先(休眠状態の取引先)や、全体条件を満たさなくなった取引先は、Zoho ABMから削除されます。
セグメントの候補:事前に定義したセグメンテーションの条件にもとづいて、取引先のセグメントを提示します。取引先をセグメントに分類することで、どのセグメントを対象として対策を打てばどの程度の売上を獲得できるのかを見積もることができます。

 

セクション2:グラフを用いた分析

完了予定日にもとづく売上
取引先からの売上を時系列に示す分析グラフです。1年の中で、売上がいつ伸び、いつ落ち込むのかを調べ、取引量に季節的な変化がないかを知ることができます。
 
取引先獲得件数の傾向:新規取引先の登録数を月ごとに示します。1年の中で、取引先の獲得が多かった時期または少なかった時期を確認できます。このグラフと営業活動の記録を照らし合わせると、獲得件数が変動した要因を調査できます。たとえば、その時期の営業アプローチが少なかったのか、業界特有の季節的な要因なのかなどが分かります。
取引先数が多い業界の上位5件:どの業界の取引先が多いのかを示します。売上を増やすには、どの業界を重視して商品やサービスを改善する必要があるのかを知ることができます。
取引先の売上高規模別の分布:取引先を各社の売上高規模で分類します。上位の取引先を比較して分析できます。 

セクション3:AIの「Zia」による分析

Zoho ABMでは、通常の数値の分析に加えて、Zohoが提供するAIアシスタントの「Zia」を活用して複雑なパターン分析を行うことも可能です。
  1. 人気の商品
  2. 顧客の声分析
人気の商品
取引先データは、直接的または間接的に商品データに関連付けられています。Ziaは、この関連付けを使用して、過去の商談を分析してそこに含まれていた商品を特定し、商談に含まれる回数の多い商品の上位5件を表示できます。こうした情報は、需要に応じた柔軟な価格設定や、セット販売の検討に役立ちます(例:売上がそれほど伸びていない商品を組み合わせる、相性の良い商品を組み合わせるなど)。また、上位の商品の在庫を切らさないように注意するだけでも売上への好影響が期待できます。さらに、過去の特定の時期を指定して、そのときにどのような商品が人気だったのかを分析することもできます。

また、Ziaを通じてレコメンドに関する情報をセグメント別に分析することが可能です。
人気の商品に関する分析の例として、教育研修サービスの会社が大手企業の管理職向けに研修プログラムを提供している場合を考えてみます。この研修プログラムの参加企業の多くは、その時期に注目されている技術や、自社で実施される監査の内容に合わせて受講するコースを選択しています。人気のコースが一覧されることで、現在どのようなコースを受講している企業が多いのかが分かり、コースの内容を参加者に合わせて調整することができます。また、アップセル戦略の一環として人気のコースを他の企業にレコメンドすることも可能です。さらに、参加企業の過去の動向を分析し、それをもとに今後の研修プログラムの提供戦略を練ることもできます。


顧客の声分析
顧客の声分析は、顧客の声を集め、顧客の体験をより深く分析するための機能です。この分析機能では、さまざまな経路から顧客のフィードバックを収集します。それをもとに、顧客の生の声を明らかにし、顧客の行動の背後にどのような考えがあるのかを分析します。

Zoho ABMでは、顧客の声分析機能を使って、取引先とのやりとりの中から感情や意図を検出できます。また、現状を正確に把握するため、どのようなケースで競合商品の方が好まれているのかを調査することもできます。 

取引先の概要ダッシュボードでは、顧客の声分析を活用したさまざまな分析の結果を表示できます。取引先との多様なやりとりを対象として分析を行うには、Zoho CRMが、Zoho Survey、Zoho Desk、メールと連携されていることが前提となります。顧客の声分析の対象とする期間とデータの種類は、次のように指定できます。データの種類としては、取引先/連絡先/反応の件数を選択できます。

設定を行うと、以下のような図表で分析結果が表示されます。顧客の声をもとに、顧客がどのような体験をしているのかを把握できます。
取引先/連絡先/反応の感情別件数:取引先、連絡先、反応の感情別の件数を円グラフで示します。
たとえば、以下の円グラフは、肯定的、否定的、中立的な感情を示した連絡先の件数を示しています。全部で8件の連絡先が検出され、肯定的な感情を示した連絡先が3件、否定的が4件、中立的が1件です。右側の一番上に表示されている連絡先の件数は、この円グラフに含まれる実際の連絡先の件数です。実際の連絡先の件数より感情別件数の合計の方が多くなっているのは、1件の連絡先が複数の感情を示すケースがあるためです。同じ連絡先が、ある反応では肯定的な感情を示し、別の反応では否定的な感情を示す場合などがあります。
取引先/連絡先/反応の意図別件数
顧客(取引先/連絡先)やその反応の意図を分析して、意図別の件数を円グラフで示します。意図とは、顧客が企業に連絡を取る目的や理由であり、依頼、苦情、購入などに分類されます。顧客の意図を分析することで、主にどのような理由で企業に連絡を取るケースが多いのかを知ることができます。Zoho CRMにおけるメールの意図分析については、こちらのヘルプ記事をご参照ください。
競合他社の概要
Ziaは、継続的な学習をすることによって、競合他社を認識できるようになります。顧客との会話の中で競合他社が言及されたケースを抽出して分析します。この円グラフは、言及されている競合他社と、各社の割合を示します。これによって、市場の中で脅威になる競合企業はどこか、反対に脅威にならない企業はどこかなどを確認できます。さらに、競合企業の商品を調査して自社の商品と比較し、自社の位置付けや順位を改善するための施策などを検討できます。
使用頻度の高いキーワードの感情別分類
取引先が無意識に使っている言葉も、取引先の感情を読み取る手掛かりとなります。取引先の発言に含まれるキーワードから、感情、期待、問題などを分析できます。会話の中で取引先が頻繁に使用したキーワードを抽出し、それをワードクラウドとして表示できます。使用頻度の高いワードほど、大きく目立つように表示されます。             
右上にある[感情分析の設定]をクリックすると、ワードクラウドの設定を変更できます。ワードクラウドを使用回数にもとづいて表示するか、感情分析の結果にもとづいて表示するかなどを設定できます。

すべてのキーワードの表形式での表示:同じキーワードを表形式で表示することもできます。キーワードの抽出元別の件数や、重要度と頻度にもとづく順位が表示されます。
競合他社への言及において使用されたすべてのキーワードの表形式での表示:言及された競合他社の名前と、そのときに使用されたキーワード、そのときの感情が表示されます。

セクション4:取引先の一覧表示と詳細フィルター

取引先の一覧表示には、Zoho ABMで管理している取引先がすべて表示されます。Zoho ABMには、Zoho CRMに登録された取引先をそのまますべて取り込むか、全体条件を満たす取引先だけを取り込むかを選択することができます。全体条件の詳細については、こちらのヘルプ記事をご参照ください。
一覧表示では、以下の操作を行うことができます。
  1. Zoho ABMで管理している取引先の総件数を確認できます。組織としてどれくらいの数の取引先を獲得しているのかがひと目で分かります。
  2. 取引先を名前で検索できます。検索欄に取引先名を入力すると、その名前に一致する取引先が一覧に表示されます。
  3. 一覧表示に表示する列を変更できます。表示する列の追加や、列の順番の変更が可能です。
  4. フィルターを使用して取引先を絞り込むことができます。フィルターの条件には、スコア、適用しているセグメンテーション方法、項目の値を使用できます。
  5. フィルターからそのままセグメントを作成できます。フィルターを適用して絞り込んだ取引先から、簡単にセグメントを作成できます。 

このように、顧客の声分析も含む取引先の概要ダッシュボードを活用することで、状況に合わせてより効果的なセグメンテーションを行い、ABMの対象として注力すべき取引先を特定することができます。


      

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