商談化や受注のために、顧客に架電やメール送信を行う営業担当者は多いでしょう。
商談化や受注には、優れた商品や適正な価格設定だけではなく、顧客にとって最適(ベスト)なタイミングで連絡することも重要です。そのタイミングを把握するのに役立つのが、連絡に最適な時間帯の提案機能です。この機能では、ZohoのAIアシスタントである「Zia」(ジア)が、どの時間帯に連絡すれば、顧客から反応を得やすいかを教えてくれます。連絡に最適な時間帯の提案機能の詳細については、
こちらの記事
をご参照ください。
連絡に最適な時間帯に関する分析
以上で述べたような提案機能に加えて、連絡に最適な時間帯に関する分析の機能では、顧客から応答が得られる可能性が高い時間帯を連絡手段や曜日別に分析したり、営業担当者がZiaからの提案をどれほど採用しているかを把握したりすることが可能です。
この分析データを活用することで、顧客への架電やメール送信をチーム全体で最適化し、商談化や受注の可能性を高めることができます。
利用条件
必要な権限
ユーザー:最適な時間帯の分析に関する権限を持つユーザーのみが利用できます。
組織:
エンタープライズプラン
または
アルティメットプラン
を利用中で、ユーザー数が20人を超える組織においてのみ利用できます。
この分析機能の活用のメリット
最適な時間帯の提案に従って顧客に連絡することの有効性を検証できます。また、顧客から応答が得られない原因を分析したり、架電やメール送信の業務における改善点を見出したりするのにも役立ちます。具体的には、以下のような分析データを確認できます。
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最適な時間帯に連絡した場合と、それ以外の時間帯に連絡した場合における顧客の反応の比較
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最適な時間帯に関する提案の採用状況や、応答を得られなかった通話やメールの詳細
表示できる分析データの種類
この分析機能では、以下の分析データを確認できます。
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連絡に最適な時間帯の概要
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発信通話と送信メールに関する分析
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最適な時間帯の提案の採用状況(通話/メール)
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時間帯別の連絡件数
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通話の応答率
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メールの開封率
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最適な時間帯の提案を採用したユーザー
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最適な時間帯の提案を採用しなかったユーザー
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応答を得られなかった活動
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この分析は、[見込み客]と[連絡先]の各タブに登録されている顧客に対する通話やメールのみを対象とします。
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すべての分析データは、[連絡に最適な時間帯]の分析の詳細ページに表示されます。
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分析データの詳細ページでは、分析対象の期間(例:前週、前月、前四半期、前年など)を指定できます(ただし、指定できるのは、Ziaによるデータ分析の開始後の期間のみです)。
連絡に最適な時間帯の概要
概要データは、[見込み客]と[連絡先]で別々に表示されます。
確認できるデータは以下のとおりです。
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商談につながった通話/メールの総数
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最適な時間帯に応答があった通話の件数
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最適な時間帯に開封されたメールの件数
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別の時間帯(最適な時間帯以外)に応答があった通話の件数
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別の時間帯(最適な時間帯以外)に開封されたメールの件数
また、ドーナツグラフでは、通話の応答とメールの開封のそれぞれについて、最適な時間帯に連絡した割合と、それ以外の時間帯に連絡した割合とを確認できます。このような比較を行うことで、最適な時間帯に連絡することの有効性を検証できます。
発信通話の分析
発信通話は、Ziaにより初回通話とフォローアップ通話に分類されます。発信通話に関する概要では、以下のデータを確認できます。
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最適な時間帯に発信された通話(件数と割合)
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最適な時間帯以外に発信された通話(件数と割合)
また、以上の指標のそれぞれに対して、
応答があった通話
と
応答がなかった通話
の件数と割合を確認できます。
初回通話に関する分析データ
初回通話
とは、見込み客または連絡先に対して最初に発信された通話のことです。ドーナツグラフでは、初回通話の全体に対して、最適な時間帯に発信された通話と、それ以外の時間帯に発信された通話のそれぞれが占める割合を確認できます。また、それぞれの応答率を確認することも可能です。最適な時間帯における応答率の方が、それ以外の時間帯における応答率よりも高い場合、最適な時間帯に発信するのが効果的であると判断できます。この場合、最適な時間帯での発信を増やすことで、応答率を高められる可能性があります。
確認できるデータ:
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最適な時間帯に発信された初回通話の件数と応答率
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最適な時間帯以外に発信された初回通話の件数と応答率
見込み客から変換された連絡先については、初回通話として扱われるのは、見込み客として登録された後に最初に発信された通話のみです(連絡先に変換後の最初の通話が初回通話として扱われるわけではありません)。
フォローアップ通話(2回目以降の通話)に関する分析データ
初回通話の後に行われる通話は、すべて
フォローアップ通話
に分類されます。ドーナツグラフでは、フォローアップ通話の全体に対して、最適な時間帯に発信された通話と、それ以外の時間帯に発信された通話のそれぞれが占める割合を確認できます。また、それぞれの応答率を確認することも可能です。この分析データを活用することで、フォローアップ通話の応答率を向上させるには、どの時間帯に連絡するとよいかを判断できます。
確認できるデータ:
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最適な時間帯に発信されたフォローアップ通話の件数と応答率
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最適な時間帯以外に発信されたフォローアップ通話の件数と応答率
送信メールの分析
送信メールの分析では、送信されたすべてのメールの件数、最適な時間帯に送信されたメールの件数、最適な時間帯以外に送信されたメールの件数を確認できます。また、あわせて以下のデータも確認できます。
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開封率
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反応率
最適な時間帯の提案の採用状況
見込み客や顧客に連絡する際に、最適な時間帯に関する提案を実際に採用した営業担当者の人数を連絡手段(通話/メール)別に確認できます。
棒グラフでは、提案を採用した営業担当者の人数を採用率別に確認できるのに対して、折れ線グラフでは、各採用率に対応する営業担当者数の累計を確認できます。グラフの読み方に関する詳細は以下のとおりです。
最適な時間帯の提案の採用状況 - 通話
このグラフでは、見込み客や顧客に架電する際に、最適な時間帯に関する提案を採用した営業担当者の人数を採用率別に確認できます。たとえば、以下の棒グラフからは、最適な時間帯の提案を50%程度採用した営業担当者は、300人ほどいると分かります。一方、折れ線グラフでは、縦軸の右側の目盛を参照し、最適な時間帯の提案の採用率が50%以下の採用担当者の割合は、累計で全体の65%ほどであることが分かります。
最適な時間帯の提案の採用状況 - メール
通話の場合と同様に、提案の採用状況は、メールについても確認できます。棒グラフでは、提案を採用した営業担当者の人数を採用率別に確認できるのに対して、折れ線グラフでは、各採用率に対応する営業担当者数の累計を確認できます。
時間帯別の連絡件数
このグラフでは、顧客への架電やメール送信が1日のどの時間帯に最も多かったかを色の濃淡によって確認できます。データは、曜日別に表示されます。営業担当者が何曜日のどの時間帯に顧客に連絡する傾向があるかを把握し、業務の計画の参考にできます。
通話の応答率
通話の応答率のグラフでは、発信通話の応答率が、最適な時間帯に発信された通話と、最適な時間帯以外に発信された通話でどのように異なるかを比較できます。なお、分析データの右上に表示されている選択リストでは、曜日を指定できます。たとえば、以下の画像では、金曜日の通話の応答率が示されています。ここから、金曜日の場合は、最適な時間帯に発信された通話よりも、最適な時間以外に発信された通話の方が応答率は高いことが分かります。このようにして、通話の応答率を曜日別、時間帯別に確認することが可能です。
メモ:
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通話の応答率に関する分析では、分析対象の通話に初回通話とフォローアップ通話の両方が含まれています。
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フィルター(選択リスト)で時間帯に関する条件を適用すると、対象の曜日の特定の時間帯に関する分析データを確認できます。
メールの開封率
通話の応答率と同様に、メールの開封率も、最適な時間帯に送信した場合と、最適な時間帯以外に送信した場合でどのように異なるかを比較できます。
ここまで、Ziaの提案に基づく発信通話やメール送信に関する分析データについてご紹介してきました。ここからは、提案の採用状況に関する分析をご紹介します。たとえば、分析により、提案の採用率(営業担当者がZiaからの提案を採用して活動した割合)が低いことによって顧客からの応答率も低くなっていると判断される場合には、特定の営業担当者に提案の活用を促すことも可能です。
提案の採用状況に関する分析
最適な時間帯の提案を採用したユーザー
提案の採用率が高い営業担当者と、提案の採用率が低い営業担当者を比較できます。各営業担当者の欄では、通話の応答率やメールの開封率が、最適な時間帯に連絡した場合とそうでない場合でどのように異なっているかを確認できます。
さらに、最適な時間帯に関する提案を採用しなかった営業担当者からの発信に対する顧客の応答率(通話に対する応答率やメールに対する開封率)も確認できます。
応答を得られなかった活動
最適な時間帯は、過去の実績に基づく予測として導き出されます。連絡に最適な時間帯に関する提案では、このようにして導き出された予測の結果のみを確認できます。一方、この分析機能では、実際に応答を得られなかった活動を詳細に分析し、原因を考察することも可能です。分析は、連絡手段、時間帯、顧客などの観点から行われます。確認できる分析データは以下のとおりです。
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応答を得られなかった活動の概要
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応答を得られなかった通話
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応答を得られなかったメール
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応答を得られなかった活動(ユーザー別)
応答を得られなかった活動の概要:
応答を得られなかった通話:
応答を得られなかったメール:
応答を得られなかった通話とメールのセグメント別分析:
応答を得られなかった通話とメールをセグメント別に分析できます。セグメントとは、属性(例:地域、年齢、性別、ニーズ、購入傾向など)が同様である顧客をグループ化したものです。このグラフを確認すると、応答を得られなかった顧客にどのような特徴があるかを大まかに把握できます。各セグメントに関する説明欄では、応答が得られなかった通話やメールの件数と、各セグメントの分類基準を確認できます。また、棒グラフでは、各セグメントに属する顧客から応答を得られなかった通話/メールの件数が、最適な時間帯に連絡した場合とそうでない場合で別々に表示されます。
なお、以上のセグメント別分析は、見込み客と連絡先のそれぞれについて行われます。また、グラフは通話とメールで別々に確認することが可能です。
応答がなかった通話(曜日別)、最適な時間帯に連絡することで節約できた時間:
以上のすべてのデータに加えて、営業部門の管理などに役立つ分析データをあと2つご紹介します。1つ目は、応答がなかった通話に関する曜日別の分析データです。このグラフでは、応答されなかった通話がどの曜日に多いかを確認できます。また、各曜日について、最適な時間帯に連絡した場合と、そうでない場合で、どちらが応答を得られなかったかをひと目で把握できます。
2つ目は、最適な時間帯に連絡することで節約できた時間に関する分析データです。ここでは、前月に応答が得られない通話に費やした時間や、最適な時間に連絡していれば節約できた時間などを確認できます。
これらの分析データを活用することで、架電業務の効率化が期待できます。
連絡に最適な時間帯に関する分析の有効化
連絡に最適な時間帯に関する分析を有効にするには:
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Zoho CRMで画面右上に表示されている設定アイコンをクリックし、[Zia]の欄にある
[コミュニケーション]
を選択します。
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[連絡に最適な時間帯]
タブをクリックします。
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通話とメールのそれぞれに対応する切り替えボタンをクリックして、分析機能を有効にします。また、必要に応じて
リマインダー設定
(定期レポート)を有効にすることも可能です。