見込み客に商品やサービスを紹介する際に、似たような既存顧客の購入理由や、商品やサービスに対する評価を伝えることは、購入を促す上で非常に有効です。このように、類似する顧客に関する情報は、商談を受注につなげたい営業担当者にとっても、信頼性の高い商品やサービスを購入したいと考えている顧客にとっても、有益なものです。
このような類似データは、手作業で探すとなると手間や時間がかかりますが、Ziaによる類似データのレコメンド(おすすめ)機能を利用すると簡単に参照できます。
また、類似するデータは、顧客についてのみでなく、商品や商談などについても表示可能です。この機能を活用することで、営業担当者は、顧客とのやりとりの中で、類似する顧客、商品、商談などについてのデータを参照しながら、的確な提案を行うことが可能です。
Ziaによる類似データのレコメンドの概要については以下の動画をご参照ください。
類似データのレコメンドのメリット
類似データのレコメンドを利用すると、特定のデータ(例:連絡先、商品、商談、キャンペーン)の詳細ページで、対象のデータに類似するデータを参照できます。
たとえば、過去に同じ商品を購入した顧客や、類似の商談に関心を示した顧客を参照できます。教育機関で利用している場合は、同じコースを受講した生徒を表示できます。
また、レコメンド欄では、データがなぜ類似していると判断されたかについても確認できます。たとえば、顧客データのレコメンド欄には、類似していると判断された要因として、顧客の興味・関心、属性、住所、業種に関する情報が表示されます。以下の画像では、キャンペーンデータのレコメンド欄に、データが類似すると判断された根拠(種類:Webセミナー、想定売上額:50万円超、予算:20万円から80万円、受信者数:100人超)が示されています。
このような類似データを参照することにより、営業担当者は見通しをもって対応を進めることができます。また、修正や予防的対応が必要な部分を早めに把握することもできます。
利用例
類似する受注商談の参照
商談の進み具合にはさまざまな要因が影響します。すぐに受注に至る商談もあれば、受注までにより多くの時間を要する商談もあります。たとえ難しい商談であっても、過去の類似した商談データを参照することが、交渉をうまく進めるための手だてとなる場合があります。
たとえば、類似する商談の進行具合、遅れの理由、行った対応、提示した資料、却下された提案内容、受注の決め手となったポイントなどを把握しておくと、難しい交渉を乗り切ったり、今後の流れを見据えたりするのに役立ちます。また、このような情報をもとに、顧客に共有するべき事項(コンプライアンス関連やその他の要件)を事前に確認することもできます。
以上のように、類似する受注商談に関するデータは、不用意なミスを防止し、商談をよりうまく進めるための助けとなります。
類似の既存顧客に提供した特典の参照
営業担当者は、見込み客に商品を売り込む際に、割引や保証延長などの特典を提供する場合があります。このような場合、過去に類似する顧客に対してどのような特典を提供したかを手作業で参照すると、かなりの時間がかかることもあります。Ziaによる類似データのレコメンド機能を利用すると、受注したすべての商談から類似するデータを自動で見つけ出し、同様の商談で過去に提供した特典を確認することができます。
組織の業績に影響を与える予兆の識別
金融機関を例にして確認してみましょう。銀行にとって顧客に貸し付けたローンの利息は、重要な収入源です。そのため、利息の支払い状況は、売上や収益の予測の際にも考慮されます。顧客がローンを繰り上げで完済した場合、銀行の売り上げにも影響します。Ziaの類似データのレコメンド機能を利用すると、類似データの分析をもとに、ローンを繰り上げで完済しそうな顧客を識別して、売り上げの急減を予測できます。
競合他社への流出の防止
メールのやりとりで顧客が競合他社を引き合いに出した場合、失注につながる可能性が高くなります。Ziaによる類似データのレコメンド機能では、競合他社に流出しそうな顧客を識別することで、失注の可能性が高い顧客に対してより丁寧な対応を行っていくことが可能です。
類似データのレコメンドに関する設定/表示権限
類似データのレコメンドに関するルールの設定は、Zoho CRMの組織の管理者であり、かつ、権限設定において管理権限が付与されている管理者のみが可能です。また、類似データのスコアや詳細情報の表示は、レコメンド結果の表示権限がある管理者のみが可能です。
類似スコアを表示できるのは、対象のタブに対するアクセス権限を持っているユーザーのみですので、ご注意ください。たとえば、見込み客に関する類似スコアを表示するには、レコメンド結果の表示権限と、見込み客タブへのアクセス権限の両方が必要です。
権限の設定方法
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[設定]→[ユーザーと権限]→[セキュリティ設定]
に移動します。
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[権限]タブをクリックします。
-
設定を行いたい権限(管理者権限)を選択します。
-
[設定の権限]
の欄にある
[Zia]
をクリックします。
-
[類似性]
の権限が無効になっている場合は、切り替えボタンをクリックして有効にします。
-
ドロップダウンをクリックします。
[設定の管理]
/
[結果の表示]
の欄で、有効にしたい権限のチェックボックスにチェックを入れます。
類似データのレコメンドに関する設定
類似データに関するレコメンドの内容は、各データの詳細ページの
レコメンド欄
に表示されます。管理者は、類似データのレコメンドに関する設定で、レコメンド欄に表示したい項目をレイアウトや関連リストから指定できます。
たとえば、商談タブについて、類似データのレコメンドを設定する場合、
商談名
や
商談の金額
の他に、
活動(タスク、通話、予定)
や
メモ
などの関連リストの項目も選択できます。
メモ
:Ziaによる類似データのレコメンドの設定は、通常のレコメンドの設定とは異なるものです。通常のレコメンドに関する設定が未完了の場合も、類似データのレコメンドの設定は可能です。
留意事項
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類似データのレコメンド機能は、ユーザーライセンス数が
20人
を超える組織においてのみ利用できます。
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Ziaによる類似データのレコメンド機能を利用できるのは、ヨーロッパ、アメリカ合衆国、インドのデータセンターに登録しているユーザーのみです。
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データの詳細ページには、最大5件の類似データについての情報が表示されます。
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各類似データについては、最大3件の項目に関する情報が表示されます(レイアウトと関連リストの両方の項目を含みます)。
利用条件
:
組織で設定できるルール数は、エンタープライズプランの場合は1件、アルティメットプランの場合は10件です。
ただし、各タブにつき1件のみルールを設定できます。
各プランの機能と制限を確認する
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[設定]→[Zia]→[レコメンド]→[類似データのレコメンド]
に移動します。
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[利用を開始する]
をクリックします。
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新しいルールの作成
ページで、
ルール名
を入力し、レコメンドを表示したいタブを選択します。
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条件
の欄で、対象のデータとして、
[すべてのデータ]
または
[選択したデータ]
(条件に合致するデータ)のいずれかを指定します。
[選択したデータ]
を指定した場合、条件を設定します。
-
データの詳細ページに表示したい項目を選択します。
3件まで項目を選択できます。
-
[保存する]
をクリックします。
類似データのレコメンドが有効になっているデータの抽出
類似データのレコメンドを有効にしたタブのデータには、類似データのレコメンドに関する項目が自動的に追加されます。たとえば、取引先タブに対して類似データのレコメンドを有効にした場合、類似データのレコメンドに関する項目が取引先データに追加されます。
フィルターの条件としてこの項目を使用すると、類似データのレコメンドの対象となっているデータのみを抽出できます。
また、類似スコアに基づいてデータを抽出したり、既存のデータに類似したデータを抽出したりすることもできます。
類似スコアやレコメンドを確認するのに個々のデータを開かなくても、詳細フィルターを使用してボタンをクリックするだけで一覧ですぐに確認することができます。詳細フィルターに関しては、
こちらをクリックしてください。