顧客の声のドリルダウン(詳細分析)

顧客の声のドリルダウン(詳細分析)

 顧客体験の向上は、どのような組織や企業にとっても重要な課題です。Zoho CRMの顧客の声分析の機能を利用すると、メール、アンケート、問い合わせなどのさまざまな経路から顧客の声を収集して分析できます。これにより、顧客体験に関するニーズや改善点を理解し、顧客体験を向上するための対策を行うことが可能です。顧客の声分析のダッシュボードでは、顧客体験に関する指標データをグラフや表で可視化し、さまざまな視点で分析できます。たとえば、何人の顧客が組織や企業に対して特定の感情を表したかを把握できます。

ただし、特定の顧客体験に関して、該当する顧客の人数を知るだけでは十分な理解とはいえません。該当する顧客について掘り下げ、顧客の詳細を分析する必要があります。つまり、どの顧客がその顧客体験の該当者であるのかを知ることで、より一層理解が深まります。このような場合に、顧客の声分析の統計データをドリルダウンする(掘り下げる)ことができます。ドリルダウン機能は、以下のような場合に利用することで、顧客体験の向上に役立てることが可能です。
  1. 統計データの信頼性の裏づけを取る
  2. 顧客の反応と詳細情報を関連付けて分析する
  3. 該当データにおけるパターンを理解する
  4. 根本原因を精度高く分析する
  5. 異常値など特定の統計データに関連する顧客への対応を検討する

顧客の声分析グラフのドリルダウン 

ドリルダウンとは、グラフ内の各値を掘り下げて、詳細を分析することです。円グラフの場合を見てみましょう。円グラフでは、対象のデータがグループ化され、分割された扇状の領域として表示されます。各領域にカーソルを重ねると、関連するデータのプレビューを表示できます。

上記の円グラフで、「Complaint」(苦情)の意図を表した9人の顧客について確認するには、グラフ内の該当の領域(茶色)をクリックします。画面の右側からスライドして表示された画面に、該当の領域に関連するデータが一覧表示されます。

同様に、顧客の声分析のダッシュボード内のさまざまなグラフで、データをドリルダウンできます。
 

メモ
メモ:
  1. 表形式のグラフに表示される値には、さまざまな種類があります。グラフの対象データに関する数値(例:データの件数)以外に、データの集計処理に使用される要素の値(例:Zoho Survey)もあります。ドリルダウン機能を利用できるのは、前者の「グラフの対象データに関する数値」のみです。
  2. ゲージグラフ、象限分析グラフでは、ドリルダウン機能を利用できません。
  3. 顧客の声分析用の4つのデータ(出来事、キーワード、反応、データ種別)に基づく集計がグラフに含まれる場合(例:反応数)、  該当のデータではドリルダウン機能を利用できません。これらの値は、データ処理のために仮想的なタブに保存されているためです。
  4. ドリルダウン機能のメニューが表示されるのは、グラフにアクセスしている場合のみです。グラフの凡例やラベルをクリックすると、グラフの要素の表示/非表示が切り替わります。非表示の場合、ドリルダウン機能は利用できません。

ドリルダウン画面でのかんたん操作

ドリルダウン画面は、グラフ内の各値をクリックすると、画面の右側からスライドして表示される画面です。ドリルダウン画面では、以下のかんたん操作を実行できます。
  1. 値に関連するデータ件数の表示
  2. 1ページあたりに表示するデータ件数の変更
  3. データのグループ化条件の確認
  4. 列に表示する項目、列データの表示順、列サイズの変更(ドリルダウン対象の列の表示設定をアクセスしやすいようにカスタマイズできます)
  5. 選択したデータに対するマクロの実行、メールの送信、タスクの作成、タグの追加/削除、一括処理の実行(リマインダーの設定、項目の更新、担当者の変更、ケイデンスの適用/適用終了、キャンペーンへの追加、送信対象の更新、郵送用印刷ラベルの作成、差し込み文書の作成、削除、データ処理の法的根拠の更新)

ドリルダウンの活用例  

競合他社と比較する顧客のフォローアップ

同じ業界の企業では、同じような顧客層をターゲットにしている場合があります。そのため、同じ業界の似たような企業がたくさんある中から、顧客は1つの企業を選択します。ただし、その企業の商品やサービスに関して嫌な思いをした場合に、顧客は他の企業はこうだったのにという不満を表す傾向があります。つまり、不満のある顧客は、競合他社との比較をする傾向があります。そして、このような傾向は、解約などの顧客離れの兆候を示している恐れがあります。そのため、明らかな解約の兆候を示す前に、競合他社との比較をする顧客については注視して対応することをお勧めします。  

 
注視する対象の顧客を見極めるには、コホート分析が役に立ちます。以下の例を見てみましょう。さまざまなタイミングで競合他社を言及した顧客のデータ件数が、企業の種類別に集計されています。たとえば、18人の「Private」(私企業:民間企業)の顧客が、Zoho CRMにデータ登録された当日に、競合他社について言及したことが分かります。
 
ここで、競合他社の言及には、さまざまな種類がある可能性が高いです。たとえば、競合他社からの切り替え、競合他社との機能比較、または、競合他社の高評価などが考えられます。

グラフ内の顧客のデータ件数(数字)をクリックすることで、対象の顧客ごとの競合他社の言及内容を確認できます。
ここでは、「18」をクリックすると、ドリルダウン画面に該当の顧客の詳細が表示されます。競合他社との比較について言及している顧客を見つけだし、この画面から直接、該当の顧客に対して一括でメールを送信して連絡することが可能です。また、ケイデンスを適用して、今後のフォローアップ対応の流れを登録することも可能です。その他、今後の対応に関して必要な項目の値を更新することもできます。
  

否定的な感情を表した顧客との関係修復

感情分析のグラフで[否定的]と識別されている顧客は、商品やサービスに対して否定的な見方をしたことが分かります。このような顧客をフォローアップせずに放置すると、解約などの顧客離れにつながってしまいます。顧客をつなぎとめて保持するためには、否定的な感情を表した顧客との関係修復に注力しなければなりません。たとえば、肯定的な見方に変えられるような内容のフォローアップメールを配信するなどの対応が考えられます。このような場合にも、顧客の声分析のダッシュボードでドリルダウン機能が役立ちます。否定的な感情を表した顧客を特定してラベル付けすることでフォローアップメールの配信対象として設定できます。迅速な対応を行うことで、顧客との関係修復の可能性を高めることができます。
 

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