iOS向けの自動ガイドボットのSDK(開発キット)の操作

iOS向けの自動ガイドボットのSDK(開発キット)の操作

スマートフォンが登場して以来、モバイルアプリはビジネス分野でも重要なものとなりました。今日、企業においては、顧客との関係をより深めるために、モバイルアプリを通じてさまざまなサービスが提供されています。モバイルアプリを提供している場合には、顧客の利便性を高めるために、アプリに顧客サポート機能を組み込みたいという場合も多いでしょう。

Zoho Deskで提供されている、iOS向けの自動ガイドボットのSDK(開発キット)を利用すると、自社が提供しているiOSアプリにZoho Deskの自動ガイドボット機能を組み込むことが可能です。自動ガイドボット機能を組み込むと、従来、サポート担当者からの直接的なサポートを必要としていた顧客が、チャット上の自動ガイダンスに従って、自分で問題を解決したり、手続きを行ったりできるようになります。

自動ガイドボットについての詳細は、こちらの記事をご参照ください。

自動ガイドボットのSDK(開発キット)の設定  

     提供中のiOSアプリに自動ガイドボットの機能を追加するには、まず、Zoho Deskで自動ガイドボットのアドオンの設定を行う必要があります。

      1.      Zoho Deskの画面で画面右上にある設定アイコンをクリックし、[一般]の欄にある[自動ガイドボット]を選択します。
 
      2.      画面左側のメニューで[一般]の欄にある[自動ガイドボット]をクリックします。
                  自動ガイドボットの一覧が表示されます。
                  関連情報自動ガイドボットのフローの作成
 
      3.      アプリに埋め込みたい自動ガイドボットの欄で、(共有)アイコンをクリックします。
                     共有設定に関する画面が表示されます。

      4.      [モバイルSDK]をクリックします。


表示された画面で以下の情報を確認できます。

  • 組織ID:組織ごとに個別のIDです。

  • ウィジェットID:自動ガイドボットのウィジェットごとに個別のIDです。

  • ドメイン:組織ごとに個別のURLです。 

これらの情報は、自動ガイドボットの表示処理の設定に必要です。  

自動ガイドボットのSDK(開発キット)とiOSアプリとの連携 

Zoho Deskで自動ガイドボットのアドオンの設定を行ったら、iOSアプリとZohoの自動ガイドボットのSDK(開発キット)を連携する必要があります。
連携方法には以下の2種類があります。

(i)CocoaPodsを利用した連携:iOSアプリのライブラリー管理ツールであるCocoaPodsを利用します。CocoaPodsを利用すると、外部サービスの機能を自分のプロジェクトに追加することができます。
 
(ii)手動連携: CocoaPodsを利用せずに、手動で連携を行います。

CocoaPodsを利用した自動連携

自動ガイドボットとアプリを連携するには、まずCocoaPodsでプロジェクトのPodfileを作成する必要があります。Podfileをまだ作成していない場合は、以下の手順を実行します。
      1.      ターミナルで、プロジェクトの最上位のフォルダーに移動します(「xcodeproj」ファイルが含まれるフォルダーです)。
      2.      コマンド「$ pod init」を実行します。
      3.      次に、コマンド「open -a Xcode Podfile」を実行して、XcodeのPodfileを開きます。

                  ファイルの内容が以下のように表示されます。

# Uncomment this line to define a global platform for your project
# platform :ios, '11.0'
# Uncomment this line if you're using Swift
# use_frameworks!
target 'My Sample App' do
end 

      4.      ライブラリーの作成にSwiftを利用している場合は、「use frameworks!」  の行頭にあるハッシュ記号(#)を削除してください。

次に、自動ガイドボットのSDKをPodfileに追加し、プロジェクトにSDKをインストールします。
手順は以下のとおりです。

 

      1.      はじめに、該当のSDKを対象のPodfileに追加します。自動ガイドボットのSDKを連携するには、以下のコードをPodfileのdoブロックに追加します。  


target 'My Sample App' do pod 'ZohoGCSDK' end  

      2.      Podfileを保存します。

      3.      ターミナルでコマンド「$ pod install」を実行します。

CocoaPodsのインストール前は、「xcodeproj」としてファイルが開きます。インストール後は、「xcodeproj」ファイルを閉じて、「xcworkspace」ファイルを開きます。

 

手動連携

自動ガイドボットのSDKとアプリは手動で連携することもできます。手順は以下のとおりです。

 

      1.     はじめに、自動ガイドボットのSDKダウンロードします。

      2.      ダウンロードしたzipファイルを解凍します。 

      3.      拡張子が「.XCFramework」であるフレームワークファイルを、 Xcodeのプロジェクト「Frameworks, Libraries, and Embedded」のセクションにドラッグ&ドロップします。

なお、自動ガイドボットのSDKは、iOS 11以降のバージョンに対応しています。
メモ:自動ガイドボットのSDKを連携する場合は、アプリの「info.plist」ファイルに「NSPhotoLibraryUsageDescription」「NSCameraUsageDescription」「NSMicrophoneUsageDescription」の各キーを追加してください。
注意:「info.plist」ファイルにこれらのキーが追加されていない場合、アプリを起動してもアプリが正常に動作しません。また、関連するビューコントローラーが存在する場合、App Storeによる認証に失敗する可能性があります。

自動ガイドボットの表示  

アプリ内で自動ガイドボットを表示するには、メソッド内で以下の情報を指定する必要があります。

  • 組織ID(orgId)

  • ウィジェットID(widgetId)

  • ドメイン(domain)

これらのキーの値は、Zoho Deskの自動ガイドボットのアドオンの設定ページから確認できます(詳細は、上記の「自動ガイドボットのSDK(開発キット)の設定」のセクションをご参照ください)。

 

自動ガイドボットに関するメソッドの呼び出しには、以下のimport文を使用します。

自動ガイドボットの表示:

 

Swift

import ZohoGCSDK

Objective-C

  @import ZohoGCSDK;

自動ガイドボットの画面を表示するには、以下のメソッドを使用します。


Swift

ZohoGC.show(orgId: <#T##String#>, widgetId: <#T##String#>, domain: <#T##String#>) 

Objective-C

[ZohoGC showWithOrgId:<#(NSString * _Nonnull)#> widgetId:<#(NSString * _Nonnull)#> domain:<#(NSString * _Nonnull)#>]

会話変数:   

会話変数は、自動ガイドボットでのやりとりを通じて、顧客が入力/選択した情報を保存するために使用します。組織内の複数のフローで共通して利用することができます。

関連情報:会話変数

 

会話変数の設定方法と更新方法は以下のとおりです。

会話変数の設定:   

ZohoGC.setSessionVariables(sessionVariables: <#T##[String : String]#>)

会話変数の更新:

ZohoGC.updateSessionVariables(sessionVariables: <#T##[String : String]#>)

テーマのカスタマイズ  

標準テーマ:操作画面の標準テーマとしては、ホワイトとダークの2種類が用意されています。
これらのテーマを適用するには、以下のメソッドを使用します。

 

 

 

ZDTHEMETYPE.WHITE                     

     


  ZDTHEMETYPE.DARK
        

   


テーマを更新したい場合は、以下のimport文を使用して「ZDThemeKit」をインポートする必要があります。

 

Swift

import ZDThemeKit

Objective-C

@import ZDThemeKit;

「ZDThemeKit」には、テーマに関連するすべてのAPIが含まれています。そのため、「ZDThemeManager」のメソッドを呼び出す前に、「ZDThemeKit」をインポートする必要があります。


ホワイトテーマ(初期設定)を適用するメソッド

Swift

ZDThemeManager.setTheme(type: .white)

Objective-C

[ZDThemeManager setTheme:ZDThemeTypeWhite];

ダークテーマを適用するメソッド

Swift

ZDThemeManager.setTheme(type: .dark)

Objective-C

[ZDThemeManager setTheme:ZDThemeTypeDark];
iOSのバージョン13以降では、自動ガイドボットのテーマをデバイスのテーマと連動させることが可能です。この場合、自動ガイドボットには、OSと同じテーマが設定されます。

Swift

ZDThemeManager.setTheme(type: .system)

Objective-C

[ZDThemeManager setTheme:ZDThemeTypeSystem];

メモ:
- 「ZDThemeType.system」は、iOS 13以降でのみ利用できます。
- 初期設定のテーマには、iOS 13以降の場合、OSのテーマが、iOS 13以前の場合、ホワイトテーマが適用されます。

テーマのカスタマイズ:自動ガイドボットの標準のテーマの種類には、ホワイトテーマとダークテーマがあります。テーマは、必要に応じて変更できます。また、テーマの強調色(アクセントカラー)や基調色をカスタマイズすることも可能です。

 

標準のホワイトテーマを更新するには、以下のメソッドを使用します。

Swift

ZDThemeManager.updateTheme(theme:<#ZDThemeProtocol#>)

Objective-C

[ZDThemeManager updateThemeWithTheme:<#ZDThemeProtocol#>];

 

標準のダークテーマを更新するには、以下のメソッドを使用します。

Swift

ZDThemeManager.updateDarkTheme(theme: <#ZDThemeProtocol#>)

Objective-C

[ZDThemeManager updateDarkThemeWithTheme:<#ZDThemeProtocol#>];

 

「ZDThemeProtocol」には、自動ガイドボットで使用したい色の属性のリストを指定できます。,(例:「primaryTextColor」「navigationBarTextColor」)。なお、プロトコル内のプロパティはすべて任意です。独自のクラスを作成した上で、対象のクラスの属性を実装し、「updateLightTheme」メソッドや「updateDarkTheme」メソッドの「ZDThemeProtocol」内に複数指定できます。これにより、標準テーマの色を、クラスで設定した色に変更できます。

 

メモ:テーマの色をカスタマイズする場合も、テーマの種類の設定が必要です。自動ガイドボットには、設定に従って、ホワイトテーマまたはダークテーマのいずれかのテーマが適用されます。

ローカルデータのクリア  

データベースやファイルなど、SDK(開発キット)内に保存されたすべてのデータ(ローカルデータ)を削除するには、以下のメソッドを使用します。

 

Swift

 ZohoGC.clearData()

Objective-C

 [ZohoGC clearData];

ログの有効化  

初期設定では、ログは無効になっています。デバッグ用の情報をログ出力機能(Logcat)を通じて表示したい場合は、以下のメソッドを使用すると、ログを有効にできます。


Swift

 import ZohoGCSDK ... ZohoGC.enableLog(isLogEnabled: <#T##Bool#>)

Objective-C
@import ZohoGCSDK; ... [ZohoGC enableLogWithIsLogEnabled:<#(BOOL)#>];



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