Zia(ジア)は、ZohoのAIアシスタントです。Ziaの機能には、メールの感情分析、問い合わせの自動タグ付け、問い合わせの返信アシスタント、異常値に関するZiaの通知などがあります。Ziaの機能を活用すると、サポート業務を効率化できるだけでなく、顧客それぞれに最適なサポートを提供できます。
この記事でご紹介するChatGPT連携は、Zoho Deskが提供する生成AI機能においてChatGPTを生成AIモデルとして選択し、ZiaとChatGPTの機能をかけ合わせた機能です。これにより、サポート担当者は、Zia単独の機能よりも、さらに高度な情報を得ることが可能です。
たとえば、Ziaによるメールの感情分析では、Ziaが顧客の印象や感情を検出し、おおまかに分類して表示します。一方で、ChatGPT連携では、ChatGPTがZiaからの指示を受けて、顧客の感情をより深いレベルで分析し、人間のような自然な言い回しで表現します。このようにChatGPT連携ではZiaとChatGPTが連携して機能することで、問い合わせや顧客に対するサポート担当者の理解や共感を深める効果が期待できます。
ここで、ChatGPTが実際にどのように役立つかについて、具体例を通して確認してみましょう。あるソフトウェア会社に顧客から技術的に複雑で難解な問題についての問い合わせが寄せられたとします。この問い合わせを割り当てられたサポート担当者は、ChatGPT連携を活用することで、問い合わせ内容の要約、顧客の感情の分析結果、返信メッセージの草案を参照できます。これにより、複雑で難しい問題であっても、短時間で問題を理解し解決策を導きやすくなるだけでなく、メッセージの作成にかかる時間も大幅に短縮できます。また、同時に、顧客の感情面も配慮したサポート対応が可能です。
以上のように、ChatGPT連携を活用すると、顧客のニーズに対する的確な理解に基づき、行き届いたサポート対応を提供できます。さらに、解決までにかかる時間も短縮され、顧客満足度を高めることが可能です。
今日、ZiaやChatGPTといったAI(人工知能)の力が、顧客サポート業務においてもますます注目されるようになっています。このような中で、AIの技術をいち早く取り入れる企業は、業務を劇的に改善し、競合他社をしのぐ競争力を高めていくことができます。
以下では、ZiaとChatGPTの連携機能のうち、サポート業務の改善に役立つ2つの機能(問い合わせの分析と返信アシスタント)をご紹介します。どちらの機能もすぐに簡単に利用を開始できます。
1つ目の機能は、問い合わせの分析です。問い合わせの詳細ページで、問い合わせ内容の要約や顧客の感情の分析結果を確認できます。問い合わせ内容の要約を確認すると、顧客のニーズをすばやく把握し、対応にかかる時間や手間を節約できます。また、問い合わせから検出された顧客の感情を参照することで、より顧客の感情に寄り添った対応が可能です。
活用例:あるソフトウェアメーカーに利用者(顧客)から製品の不具合について問い合わせが寄せられたとします。この問い合わせの詳細ページで、ChatGPT連携の[問い合わせの分析]タブにアクセスすると、問い合わせがどの製品のどのような不具合に関するものかや、また、顧客はどのような感情を抱いているかを瞬時に把握できます。サポート担当者は、このような情報を参考にして、顧客が不満感を抱いていると分かった場合には、顧客の感情に寄り添い、不満感を解消できるような対応を心掛けることができます。このように、ChatGPT連携機能を活用することで、問題の概要だけでなく顧客の感情もすばやく理解し、行き届いた対応を効率的に行うことが可能です。
問い合わせの詳細ページで、顧客からの問い合わせに対する返信内容の候補を確認できます。これにより、より短時間で質の高い返信を作成することが可能です。返信内容は、ChatGPT連携機能の設定時に選択した内容に基づいて生成されます。設定条件に応じた動作については、次のとおりです。
1.ナレッジベースとインターネット上の公開情報の利用の両方を有効にした場合:
2.インターネット上の公開情報の利用のみを有効にした場合:
3.ナレッジベースのみが有効で、関連記事を取得できた場合:
4.ナレッジベースのみが有効で、関連記事を取得できない場合:
活用例:ある旅行会社に顧客から旅行先のおすすめの観光スポットについての問い合わせが寄せられたとします。この場合、まず、ZiaがZoho Deskの組織の[ナレッジベース]タブの記事から、観光名所、アクティビティ、史跡などをピックアップし、ChatGPTに返信メッセージの作成依頼を送信します。それを受けて、ChatGPTは、まるで人間が書いたかのような自然な表現によって返信メッセージを作成します。ナレッジベース内の関連記事が取得できない場合、ChatGPTが収集したインターネット上の公開情報を利用して、返信内容の候補が生成されます。
担当者は質問を行うことで、生成AI機能によって生成された回答を確認できます。回答は、生成AI機能の設定内容に基づいて生成されます。回答の生成に利用される情報は、設定内容や情報の取得可否によって異なります。たとえば、ChatGPT連携で回答の生成にナレッジベースの記事を利用する設定が有効になっている場合、以下のとおり処理されます。
ChatGPTとの連携機能では、最初に、Ziaが、顧客からの問い合わせを分析し、それを踏まえてChatGPTに指示、質問、依頼文(プロンプト)を送信します。それを受けたChatGPTは、その場で最適な回答を生成して、Ziaに返送します。Ziaは、ChatGPTから受信した回答を適切な形に整えて、Zoho Deskの画面に表示します。このように、ChatGPT連携では、ZiaとChatGPTの両方が相互に連携して、サポート業務に役立つ高度な情報を生成します。
生成AI機能(ChatGPT連携)を利用するには、はじめに生成AI機能を有効にする必要があります。有効化にあたって必要な設定は以下のとおりです。
機能の設定:認証が完了したら、必要に応じて各機能を有効にします。有効にできる内容は、以下のとおりです。
問い合わせの分析(感情、トーン、主題):問い合わせの感情分析では、顧客が問い合わせにあたってどのような印象や感情を抱いているかを分析して検出できます。顧客の印象や感情は、問い合わせでの肯定的/否定的なキーワードの使用状況やメッセージ全体の文脈などを分析することによって推定されます。分析結果の表示欄では、検出された感情の分類(例:満足感、不満感、怒り、悲しみなど)と、その説明を確認できます。また、問い合わせの主題(中心的な内容、問題)を表示します。
問い合わせの要約:問い合わせの要約では、受信した顧客の問い合わせ内容の要約を確認できます。概要は、初期設定で最初の30件の会話(受信メッセージ、送信メッセージ、転送メッセージ、非公開コメント、公開コメントなど)をもとに生成されます。必要に応じて、必要な会話のみを選択して、それらをもとに概要を生成することも可能です。
文章作成アシスタント: 選択した文章の文体や長さを変更できます。他の言語に翻訳することも可能です。
返信アシスタント:問い合わせの詳細ページで、顧客からの問い合わせに対する返信内容の候補を確認できます。これにより、短時間で質の高い返信を作成することが可能です。返信内容の候補の生成にあたっては、ナレッジベース内の関連記事またはインターネット上で収集した公開情報のいずれか、または両方が利用されます。インターネット上の公開情報を利用する場合、返信内容の候補は自動で生成されます。ナレッジベース内の関連記事を利用する場合は、担当者が[予測する]ボタンをクリックした後にのみ、返信内容の候補が生成されます。
問い合わせの分析、要約、文章作成アシスタント、返信アシスタントの各機能は、各機能を有効にした場合にのみ問い合わせの詳細ページから利用可能です。
問い合わせに関する会話(コメント/スレッド)とナレッジベース内の関連記事のみが、OpenAIを通じた処理の対象です。それ以外のデータがOpenAIを通じて処理されることはありません。データ管理の詳細については、この記事内の「ChatGPTとの連携時のZoho Deskにおけるデータのプライバシーとセキュリティについて」のセクションをご参照ください。
生成AI機能は、英語、スペイン語、ドイツ語、ロシア語、フランス語、ポルトガル語、イタリア語、オランダ語、デンマーク語、スウェーデン語、ヒンディー語、アラビア語、ヘブライ語、トルコ語、ポーランド語の15言語に対応しています。対応言語をさらに増やすことができるよう対応を行っています。
[OpenAIの認証]の欄にある[APIキー]の項目にOpenAIのAPIキーを入力して認証します。
[機能の各種設定]の欄で、必要に応じて、[問い合わせの感情分析]、[問い合わせの要約]、[返信アシスタント]の機能を有効にします。
返信アシスタントによる返信内容の候補の生成にあたっては、インターネット上の公開情報の利用、ナレッジベース内の関連記事の利用のいずれか、または両方を選択できます。
[一般設定]の欄では、対象のGPTモデルと[返信の設定]を選択します。
[返信の設定]の欄では、返信の候補を自動で生成するか、ボタンのクリック時にのみ生成するかのいずれかを選択できます。
問い合わせの要約、感情の分析、返信の候補の各欄で[再生成する]をクリックすると、内容を再生成できます。[返信アシスタント]タブで返信を再生成する際に、文体の種類を選択できます(フォーマル、カジュアル、丁寧、主張的、ユーモアなど)。各文体の特徴と活用シーンは、次のとおりです。
また、こちらでは、返信の文字数の増減も調整できます。
必要に応じて、生成AI機能を無効にできます。また、一度無効にした後に、あらためて有効にすることもできます。再有効化した場合、以前の設定情報をそのまま利用することが可能であるため、APIキーをあらためて入力する必要はありません。
「導入したばかりで基本操作や設定に不安がある」、「短期間で集中的に運用開始できる状態にしたい」、「運用を開始しているが再度学び直したい」 といった課題を抱えられているユーザーさまに向けた少人数制のオンライントレーニングです。
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