配信元と同じドメインを用いたReturn-Path（リターン・パス）のアドレスの設定方法
今日、配信メールが迷惑メールフィルターを通過して受信者の受信トレイに到達することは、段々と難しくなってきています。配信メールの到達率を高める際にまず有効なのは、SPF、DKIM、DMARCなどによる認証です。Zoho Campaignsでは、迷惑メール判定やなりすましメールを防止するためにも、SPF、DKIM、DMARCの認証設定を行うことを強く推奨しています。しかし、せっかくこれらの認証を行っても、さまざまな理由により認証が失敗してしまう場合があります。認証失敗の原因の一つとなり得るのが、メールの配信元アドレスとReturn-Path（リターン・パス）のアドレスの間のドメインの不一致です。
この記事では、独自のReturn-Path（リターン・パス）のアドレスを設定することにより、メールの到達率を高める方法についてご紹介します。
Return-Path（リターン・パス）のアドレスの設定
Return-Path（リターン・パス）のアドレスは、メールの配信者が不達メールに関する通知を受け取るのに使用するアドレスです。メールの配信者は、Return-Path（リターン・パス）のアドレスを通じて受け取った通知を確認し、該当の宛先を除外するなど、必要な対応を行うことができます。Return-Path（リターン・パス）のアドレスは、メールのヘッダーに記載されます。また、1件のメールには、1件のReturn-Path（リターン・パス）のアドレスのみ設定できます。
Zoho Mailで受信したメールについてReturn-Path（リターン・パス）のアドレスを確認するには、メールの右上に表示されている［その他の操作］アイコンをクリックし、
［元データを表示する］
を選択します。新しいウィンドウにメールのヘッダーの詳細が表示されるので、Return-Path（リターン・パス）欄を参照します。
その他の主要なメールサービスにおいてメールのヘッダーを確認する方法については、
こちらの記事
をご参照ください。
配信元と同じドメインを用いたReturn-Path（リターン・パス）のアドレス
メールの配信元のメールアドレスとReturn-Path（リターン・パス）のアドレスのドメインが異なっていると、メールが迷惑メールとして処理される可能性が高まります。たとえば、あるメールの配信元アドレスが、「
mail@zylker.com
」で、これに対するZoho Campaignsの初期設定のReturn-Path（リターン・パス）のアドレスが「
bounce_680519846+a.16c5bdf641dd89ec_v28@sendh2.hlet.zcsend.net
」であるとします。
この場合、配信元のメールアドレスとReturn-Path（リターン・パスのアドレス）のドメインが一致していないため、SPFによる認証が失敗し、迷惑メールとして処理される可能性が高くなります。
以上のような事態を防ぐためには、Return-Path（リターン・パス）のアドレスに、配信元アドレスで使用されているものと同じドメインを使用することが有効です。たとえば、配信元ドメインが「zylker.com」の場合、「
bounces@bounce.zylker.com
」というようなReturn-Path（リターン・パス）のアドレスを作成して設定します。配信元アドレスのドメインとReturn-Path（リターン・パス）のアドレスのドメインが同じ場合、SPFによる認証が成功する可能性が高まります。
配信元と同じドメインを用いたReturn-Path（リターン・パス）のアドレスの設定方法
-
アカウントにサインインします。
-
画面右上の設定アイコンをクリックします。
-
［配信設定］で
［独自のReturn-Path（リターン・パス）］
を選択します。
-
独自のReturn-Path（リターン・パス）アドレスを作成したいドメインの欄で
［設定］
を選択します。
-
Return-path（リターン・パス）の設定画面が開きます。
［追加するホスト名］
でホスト名を確認できます。
-
［追加するCNAMEレコード］
の欄でCNAMEレコードをコピーします。
-
利用中のドメインの管理サイトにCNAMEレコードを追加します。
-
ドメイン管理サイトに追加したら、Zoho Campaignsの手順6の画面に戻り、
［ドメインを認証する］
をクリックします。
配信元と同じドメインを用いたReturn-Path（リターン・パス）のアドレスを使用するメリット
配信元と同じドメインを用いたReturn-Path（リターン・パス）のアドレスを使用することで、SPF認証やDMARC認証が成功する可能性が高まります。これにより、配信メールの迷惑メール判定を防止し、受信トレイへの到達率を高めることができます。
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