概要
管理ツールとは、Zoho CRMに登録されている各機能に関する設定を一覧表示して、削除できるツールです(対象:テンプレート、カスタムビュー/データ一覧、ワークフロールール、レポート)。Zoho CRMを有効活用するには、管理者が、業務上のニーズに合った設定を作成するだけでなく、設定の利用状況を定期的に把握し、不要な設定を適宜削除することが大切です。管理ツールを利用すると、現状にそぐわないワークフロー、使われなくなったテンプレート、データに整合性のないレポートなど、放置されたままの不要な設定を簡単に見つけ出して、削除することができます。
たとえば、Zoho CRMの管理者が複数いる場合は、属人的に保守、管理されている設定は、異動や退職などにより、担当の管理者がいなくなってしまえば利用できなくなってしまうことも多いものです。このような場合、管理ツールを使用することで、異動や退職した人が作成した設定を抽出し、不要になった設定を簡単に一括削除できます。このようなメンテナンス作業を怠り、不要な設定を放置しておくと、以下のような問題が発生してしまう可能性があります。
- 処理が意図した通りに機能しない
- 各設定の上限に達してしまう(例:項目数が上限に達して新しい項目を作成できない)
- 設定の不具合により業務が進まなくなる
このような事態を防ぐために、Zoho CRMの管理ツールを使用して、使用されていない設定や、古くなってしまった設定を削除することが大切です。管理ツールを使用して、設定のメンテナンスを行うことで、不要な設定に付随する問題を一挙に解決できます。
管理ツールの使い方
管理ツールの現在の機能では、テンプレート、カスタムビュー(データ一覧)、ワークフロールール、レポートに関する設定、役職、権限、Webフォームを表示して削除できます。
管理ツールにアクセスすると、特定のタブや機能について、有効になっているすべての設定を確認できます。
たとえば、以下の画像では、見込み客タブについて、すべてのカスタムビュー(データ一覧)の設定が表示されています。
使用されていないカスタムビュー(データ一覧)を削除する方法には、2種類の方法があります。
- 手動で設定を選択して削除する方法
削除したい設定を正確に把握できている場合には、こちらの方法を使用します。たとえば、見込み客タブで、設定したかった内容とは異なる条件のカスタムビュー(データ一覧)を誤って複数作成してしまったとします。この場合、対象のカスタムビューの表示画面に移動して、1つ1つ手動で削除すると、手間と時間がかかります。管理ツールから、見込み客タブのカスタムビューの設定を表示し、一括選択して効率的に設定を削除することができます。
- 条件により設定を抽出して削除する方法
特定の条件に一致する設定を削除したい場合、こちらの方法を使用します。設定名や設定の件数がはっきり分からず、あいまいにしか把握していない場合に便利です。たとえば、特定の日付に作成された設定や特定のユーザーによって作成された設定を一括で削除できます。削除したい設定の条件を指定するだけで、設定を抽出して、削除できます。
手動で設定を選択して削除する方法
- [設定]→[データの管理]→[管理ツール]に移動します。
- [利用を開始する]をクリックします。
- 表示/削除したい設定の種類とタブを選択します。たとえば、設定の種類として[カスタムビュー]、タブとして[見込み客]を選択します。
- 不要な設定を完全に削除するには、対象の設定を選択し、[カスタムビューを削除する]をクリックします。

- 管理ツールのページで、機能とタブを選択して、[条件を追加する]をクリックします。

- 条件と値を入力します。たとえば、最終アクセス日時が1年以上前のカスタムビュー(データ一覧)を抽出したいとします。
この場合、条件には[最終アクセス日時]を使用します。[最終アクセス日時]の隣の項目で、[次の前]を選択し、値として1年前の日時を選択します。
- [結果を表示する]をクリックします。以下の画像の例では、2021年3月10日以前にアクセスされたカスタムビューが一覧表示されています。

このように条件を指定して検索すると、「無題」という名前の設定があることが分かりました。このような設定は、テストとして作成された後、1年以上使用されないまま残ってしまっているだけの可能性が高いと考えられます。設定数に上限がある場合、不要な設定が残っていると、その分、新しく作成できる設定の数が少なくなってしまいます。そのため、以上のように抽出した設定の一覧のうち、不要と思われる設定はすべて選択して、[カスタムビューを削除する]をクリックします。
管理ツールで指定できる条件 - 使用例
設定を抽出するために使用できる条件は、表示したい設定によって異なります。
たとえば、テンプレートを抽出するのに使用できる条件は、カスタムビュー(データ一覧)を抽出するのに使用できる条件と異なります。
設定ごとに使用できる条件は次のとおりです。
第1期の管理ツール:
テンプレート
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カスタムビュー(データ一覧)
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ワークフロー
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レポート
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- 作成者
- 作成日時
- フォルダー名
- 最終更新日時
- 最終使用日時
- 更新者
- 件名
- テンプレート名
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-
作成者
-
最終アクセス日時
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最終更新日時
-
更新者
-
最終使用日時
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一覧名
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-
作成者
-
作成日時
-
実行日時
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最終実行日時
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最終更新日時
-
更新者
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ルール名
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ステータス
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- 作成者
- 作成日時
- 詳細情報
- フォルダー名
- 最終アクセス日時
- 最終更新日時
- 更新者
- レポート名
- 種類
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役職
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権限
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Webフォーム
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- 作成者
- 作成日時
- 詳細情報
- 最終更新日時
- 更新者
- ユーザー数
- 役職名
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- 作成者
- 作成日時
- 詳細情報
- 最終更新日時
- 更新者
- ユーザー数
- 権限名
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- 作成者
- 作成日時
- フォーム名
- 最終送信日
- データの作成の割合
- ステータス
- 送信の割合
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以上のような条件を指定することによって、削除したい設定を抽出することができます。以下では、条件の使用例をいくつか解説します。
a)日時に関する条件
設定の作成日時、最終使用日時など、日時に関する条件を設定することによって、最近使用されていない不要な設定を抽出することができます。たとえば、最終使用日時から長い年月が経過している設定は、システムからの削除候補となります。最終使用日時は、すべての設定(カスタムビュー、レポート、ワークフロー、テンプレート)に対して使用できる条件です。
b)ユーザーに関する条件
ユーザーに関する条件を使用して、設定を抽出することもできます。たとえば、Zoho CRMの管理者だったユーザーが、退職や異動により管理者ではなくなったとします。このような場合、[作成者]の条件を使用すると、対象のユーザーによって作成されたカスタムビュー(データ一覧)を表示できます。すべて削除したい場合は、すべて選択し、一括削除します。
同様に、さまざまな条件を適用して、設定を抽出できます。[最終実行日時]、[ビュー名]、[フォルダー]などの条件は、ワークフロー、カスタムビュー、テンプレートを抽出する際に使用できます。
削除履歴
管理ツールを使用して削除された設定に関する削除履歴を、設定の種類別、時間別に確認することもできます。
メモ:
- この機能は、2022年3月22日から段階的に適用が開始されています。
- エンタープライズプランとアルティメットプランで利用できます。試用版では利用できません。
- 管理ツールを通じて削除された設定は、完全に削除されます(元に戻すことはできません)。
- 管理ツールを使用して、システムによって作成された設定を表示したり削除したりすることはできません。
- 履歴は、直近500,000件分のみ表示できます。それより前の履歴は、完全に削除されます。