手順4:手数料の構造

手順4:手数料の構造

手数料の構造

手数料プランの作成では、次に「手数料の構造」を設定します。ここでは、手数料をどのような金額や割合で計算するかを決めます。
引用
手数料の構造とは、従業員に支給する手数料の計算方法です。手数料率や金額、実績に応じた計算方法をここで設定します。
手数料の構造には、自社が重視する売上や成果を反映できます。設定内容によって従業員が目指す成果も変わるため、事業目標に合った計算方法を設定することが重要です。

たとえば、さまざまな製品を製造・販売する会社を考えてみましょう。すぐに出荷できる既製品と、顧客の要望に合わせて仕様を決める受注生産品を取り扱っています。商品によって、商談にかかる期間や成約までに必要な営業活動は異なります。


そのため、長期間の対応が必要な商談や高額な商談には高めの手数料を設定し、短期間で成約しやすい販売には一定の手数料を設定する、といった使い分けができます。


このように販売内容や成果に応じて手数料を変えるには、まず利用できる手数料の構造と計算方法を理解する必要があります。

このページでは、「誰に、いつ支払うか」を決めた手数料プランに、「具体的にいくら支払うか」を設定する方法を説明します。

このページを読むことで、次の内容を設定できるようになります。
  1. 手数料の計算方法:一定の金額や割合を適用する[固定]か、実績に応じて手数料を変える[階層あり]かを選択します。
  2. 手数料の算出基準:商品ごとに計算するか、取引全体の合計額を基準に計算するかを確認します。
  3. 手数料を計算するタイミング:取引ごとに計算するか、目標を達成したときに計算するかを確認します。
このページの構成

Incentives for Zoho CRMで利用できる手数料の構造

Incentives for Zoho CRMでは、次の2種類の手数料の構造を利用できます。

  • 固定型:予測しやすい標準的な手数料に適しています。

  • 階層型:成果に応じて手数料を変える場合に適しています。

階層型では、固定、差分、差分の割り当ての3種類の計算方法から選択できます。

それぞれの仕組みを確認する前に、まず各構造の意味を説明します。

固定型の手数料の構造

固定型の手数料の構造の仕組み
固定型では、選択した算出基準(商品または合計額)に対して、対象者に一定の金額または割合の手数料を設定します。
  1. 計算方法として定額を選択すると、売上額にかかわらず、指定した金額の手数料が適用されます。たとえば、合計額を基準にした手数料プランで、1件の販売につき20万円の手数料を設定したとします。売上額が100万円でも1,000万円でも、1件あたりの手数料は20万円です。
  1. 計算方法として一定の割合を選択すると、すべての販売で手数料率は同じですが、手数料額は売上額によって変わります。たとえば、手数料率を10%に設定した場合、売上額が100万円なら手数料は10万円、売上額が1,000万円なら手数料は100万円です。
固定型では、営業活動にかけた労力にかかわらず、予測しやすい標準的な手数料を設定できます。成果の差を強く反映する仕組みではありませんが、安定して成長する事業には継続しやすい設定です。


階層型の手数料の構造

階層型の構造の仕組み
階層型では、実績に応じて複数の階層を設定し、階層ごとに異なる手数料を適用します。

階層型の設定例は次のとおりです。

この例では、取引額が増えるにつれて手数料額も増える4つの階層が設定されています。成果に応じて手数料が高くなることが分かれば、従業員の意欲が高まり、より良い成果につながる営業活動を促すことができます。


階層型の手数料の構造で利用できる計算方法:固定、差分、差分の割り当て

各計算方法の違いを理解するため、1つの例にそれぞれの方法を適用して説明します。


🏢ジルカー社では、次の手数料の構造を採用しています。

成果に応じた3つの階層があり、階層が上がるほど手数料額が大きく増えるように設定されています。


階層型:固定


固定計算では、取引額が該当する階層に設定された手数料額をそのまま適用します。

川根さんは店舗販売を担当する営業担当者で、最近250万円の販売を成立させました。小売販売は比較的短期間で成約するため、ジルカー社では小売販売の営業担当者に固定計算を使用しています。この例では、250万円の売上は階層2に該当するため、川根さんには50万円の固定手数料が支払われます。

階層型:差分

差分方式では、売上額を各階層の範囲に順番に割り当て、到達した各階層の手数料を合計します。
各階層の範囲幅をもとに、売上額をどの階層まで割り当てるかを決定します。


情報
計算方法:
  1. まず、各階層の範囲幅(単位数)を求めます。

  2. 売上額を第1階層の上限まで割り当てます。

  3. 第1階層の上限を超えた分は、次の階層に割り当てます。

  4. この処理を売上額がすべて割り当てられるまで繰り返し、到達した各階層の手数料を合計します。


 

横浜さんは法人向けの受注生産品を担当する営業担当者です。9か月にわたる営業活動の末、1,200万円の商談を成立させました。このような法人向け商談は、小売販売より営業期間が長く、難しい交渉も必要になります。そのため、ジルカー社では法人向け販売の営業担当者に差分方式を設定しています。


参考

ポイント
1:1,200万円の商談は3つすべての階層に達するため、各階層の手数料を合計すると173万5,000円になります。同じ1,200万円の商談に固定計算を適用した場合、横浜さんの手数料は120万円です。この例では、差分方式の方が成果を強く反映した手数料になります。

 

ポイント2:川根さんの小売販売の例に差分方式を適用すると、商談額は2つの階層に達します。固定計算より3万5,000円増え、手数料は53万5,000円になります。

階層型:差分の割り当て

差分の割り当てでは、差分方式と同様に売上額を複数の階層に割り当てます。ただし、最後に到達した階層の手数料は、その階層を使用した割合に応じて計算します。
 
差分方式では、ある階層に到達すると、その階層に設定された手数料全体を計算します。一方、差分の割り当てでは、実際に使用した範囲分だけ手数料を計算します。そのため、階層の一部しか使用していない場合、未使用分の手数料は発生しません。
 
横浜さんの例を使って、差分の割り当ての計算方法を確認します。
 
売上額は1,200万円です。


情報

計算方法:

  1. 各階層の範囲幅(単位数)を求めます。
  2. 各階層の手数料額を単位数で割り、1単位あたりの手数料を求めます。(計算式:1単位あたりの値=階層の手数料額÷その階層の単位数)
  3. 各階層の単位数に基づいて売上額を分割します。ある階層の上限まで値を割り当てたら、残りを次の階層に繰り越します。売上額をすべて割り当てるまで、この処理を繰り返します。
  4. 最後に到達した階層で、実際に使用した単位数が階層全体の何%に当たるかを求めます。(計算式:使用した単位の割合(%)=その階層で使用した単位数÷階層内の総単位数×100)
  5. 手順2で求めた1単位あたりの値を使用して、各階層で従業員に支払う手数料を計算します。(計算式:階層ごとの従業員の手数料=1単位あたりの値×使用した単位数)

手数料の構造と各計算方法を確認したので、実際のアプリでの設定方法を説明します。



手数料の構造の設定

手順4まで:手数料の構造

ここまでの設定をかんたんに振り返ります。
- [プランの詳細](手順1)では、手数料を計算するタイミングとして、取引ごとか、目標達成時かを選択しました。また、算出基準として、商品ごとか、合計額かを選択しました。
- 手順2では、手数料の計算を開始する実行条件を設定しました。
- [データの不一致](手順3)では、データの不一致が発生した場合の返還条件と期間を設定しました。

Incentives for Zoho CRMでは、目標達成ベースと取引ベースの手数料プランを作成できます。また、手数料の算出基準として、対象の商品ごとか、取引全体の合計額かを選択できます。

選択した内容によって、手数料の構造の設定方法や表示される項目が異なります。
2種類のプランと2種類の算出基準を組み合わせると、次の4種類の手数料プランを作成できます。
  1. 商品を基準にした取引型の手数料プラン
  2. 合計額を基準にした取引型の手数料プラン
  3. 商品を基準にした目標達成型の手数料プラン
  4. 合計額を基準にした目標達成型の手数料プラン
手数料の構造の設定方法は、[商品]と[合計額]のどちらを基準にするか、およびプランの種類によって異なります。

商品を基準にした取引型の手数料プラン

商品を基準にした手数料プランでは、各SKUに手数料を設定します。見積書などでそのSKUが使用されると、SKUに設定した手数料の構造が商品明細に適用されます。
SKUに手数料を適用するには、手数料を適用する対象の商品グループを作成します。
情報

手数料の適用対象となる商品グループ

[商品を基準にして作成した手数料プランで利用できます]

商品グループでは、商品の種類や仕入先などを基準に複数の商品をまとめ、共通の手数料の構造を適用します。見積書に対象の商品が含まれると、設定した手数料が適用されます。手数料は、注文数量に応じて計算されます。


商品グループを作成するために、[プランの詳細]で手数料の対象となるタブを選択します。

たとえば、見積書に含まれるアクセサリー1点につき6%の手数料を設定するとします。取り扱っているアクセサリーを1つの商品グループにまとめることができます。

また、自社ブランドの販売を促進するため、見積書に含まれる自社製の部品には、より高い手数料を設定することもできます。

商品グループを作成したら、商品を基準にした手数料プランの手数料の構造の詳細を設定します。

メモ
メモ
上限:
1つの手数料プランでは、最大500件の商品を1つまたは複数の商品グループにまとめることができます。1つのプランに登録できる商品は合計500件までです。

商品を基準にしたプランで手数料の構造を設定するには:


[手数料の構造の詳細]ページで、次の操作を行います。

  1. [手数料の構造の種類]で、[固定]または[階層あり]を選択します。

    1. [固定]を選択した場合:

      1. [手数料の値の種類]で、[単価の割合]または[各単位の定額]を選択します。

    2. [階層あり]を選択した場合:

  1. [計算方法]で、[固定(直接)]、[差分]、[差分の割り当て]のいずれかを選択します。
  2. [階層の基準]で、階層を金額と数量のどちらで区切るかを選択します。金額を選択した場合は、たとえば100万円~500万円の売上に対して5万円の手数料を設定できます。数量を選択した場合は、たとえば商品1~50点の販売に対して5,000円の手数料を設定できます。
  3. [手数料の値の種類]で、定額、単価の割合、各単位の定額のいずれかを選択できます。
    ℹ [各単位の定額]を選択すると、計算時に対象商品の数量を指定した金額に乗算して手数料を算出します。
  4. [階層設定済みの数式]の表で、階層の範囲と値を入力します。
利用例
ジルカー社は、さまざまな製品を組み立て・販売しています。他社ブランドの部品に加えて、自社製の部品も取り扱っています。自社製アクセサリーの認知度と売上を高めるため、ジルカー社製品を含む取引では営業担当者に高めの手数料を支給する仕組みを設定しました。

引用
設定例は次のとおりです。

ジルカー社製の部品に高い手数料を適用するため、この手数料プランでは商品を基準にして、対象となる部品の商品グループを作成します。

これにより、ジルカー社製の部品が見積書に含まれる取引では、対象の営業担当者に商品ごとに高い手数料が適用されます。


合計額を基準にした取引型の手数料プラン

合計額を基準にした手数料プランでは、売上額をもとに手数料を計算するため、商品グループを作成する必要はありません。そのため、[データの不一致]の設定が完了したら、すぐに手数料の構造を設定できます。

合計額を基準にしたプランで手数料の構造を設定するには:
合計額を基準にした手数料プランでは、商品グループを作成せず、手数料の構造をそのまま適用します。売上額に対して、固定型または階層型の手数料を割合または金額で設定できます。

[手数料の構造の詳細]ページで、次の操作を行います。
  1. [手数料の構造の種類]で、[固定]または[階層あり]を選択します。
    合計額を基準にしたプランで[固定]を選択した場合、手数料の値は割合でのみ設定できます。
  2. [手数料の値の種類]で[合計額の割合]を選択します。
  3. [手数料の値]に、設定する手数料率を入力します。
  4. [階層あり]では、階層ごとに売上額の範囲を設定し、それぞれに手数料率または定額を設定できます。[固定]とは異なり、売上額に応じて適用する手数料を段階的に変えることができます。
  5. [計算方法]で、[固定]、[差分]、[差分の割り当て]のいずれかを選択します。
  6. [階層の基準]で、階層の基準を選択します。合計額を基準にしたプランでは、初期設定で階層の範囲が2つの金額の間に設定されます。
  7. [手数料の値の種類]で、[定額]または[合計額の割合]を選択します。
  8. 続いて表示される[階層設定済みの数式]の表で、各階層の範囲と手数料の値を入力します。
メモ
上限:
  1. 1つの手数料プランには、最大4つの階層を設定できます。
  2. 最初の階層の下限は、初期設定で0です。各階層の範囲が途切れないように上限値を設定します。

利用例
法人向けの高額商談を担当する営業担当者は、1件の取引で大きな売上を生み出します。成果に応じて報酬を支払うため、ジルカー社では取引ごとの合計額を基準に手数料を設定しています。商品ごとではなく取引全体の合計額に手数料を適用することで、売上全体の拡大を重視できます。


商品を基準にした目標達成型の手数料プラン

商品を基準にした目標達成型の手数料プランでは、目標が金額か数量かにかかわらず、設定した目標に達した場合に手数料が発生します。目標達成後、商品ごとに手数料が適用されます。

このプランは商品を基準にするため、手数料を適用する対象の商品グループを作成します。その後、手数料の構造の詳細を設定します。
商品を基準にした目標達成型プランで手数料の構造を設定するには:

[手数料の構造の詳細]ページで、次の操作を行います。
  1. [目標の割り当て基準]で、[商品の総額(値)]または[商品の数量](数量)を選択します。
  2. 目標の割り当て基準として[商品の総額]を選択した場合、指定した金額を達成すると手数料が発生します。[割り当てられた目標]に値を入力します。
  3. [手数料の構造の種類]で、[固定]または[階層あり]を選択します。
    1. [固定]を選択した場合、[手数料の値の種類]を設定します。目標の割り当て基準が商品の総額の場合、手数料の値は割合でのみ計算できます。[手数料の値の種類]で[目標達成率]を選択します。
    2. [手数料の値]に、手数料率を入力します。
    3. [階層あり]を選択した場合は、階層の範囲を設定します。目標が金額の場合、階層の基準は目標達成率になります。手数料の値には、目標達成率に応じた割合か定額を設定できます。[手数料の値の種類]で、[目標達成率]か[定額]を選択します。
    4. [階層設定済みの数式]で、階層の範囲と値を入力します。

利用例
利用例:
ジルカー社が事業を展開する市場は競争が激しいため、家庭向け商品の販売を促進する目的で、小売営業担当者向けのプランを設定しています。プランの期間内に目標を達成すると、商品ごとに手数料が支払われます。

プランの期間内に担当者が目標を達成または超過した場合、按分対象の期間も含めて手数料が計算されます。期間内に目標を達成できなかった場合は、実際に達成した分だけ手数料が支払われます。


合計額を基準にした目標達成型の手数料プラン

合計額を基準にした目標達成型プランでは、目標として設定した売上額を従業員が達成すると手数料が発生します。

このプランはすでに合計額を基準にしているため、目標達成の基準を別途指定する必要はありません。手数料の対象となる目標額と、その手数料の計算方法を設定します。
 
合計額を基準にした目標達成型プランで手数料の構造を設定するには:

[手数料の構造の詳細]ページで、次の操作を行います。
  1. [目標の割り当て基準][合計額]を選択します。
  2. [割り当てられた目標]に数値を入力します。(例:500万円)

  3. [手数料の構造の種類]で、[固定]または[階層あり]を選択します。
    1. [固定]を選択した場合、[手数料の値の種類]で[目標達成率]を選択します。
    2. 続いて、[手数料の値]設定する手数料率を入力します。
    3. [階層あり]を選択した場合は、次の操作を行います。
      1. [階層の基準]で[目標達成率]を選択します。
      2. [手数料の値の種類]で、[目標達成率]または[定額]を選択します。
      3. [階層設定済みの数式]で、階層の範囲と各階層の手数料の値を入力します。

利用例

高額商談を担当する営業担当者向けに、ジルカー社では目標達成と合計額を基準にした手数料プランを設定しています。設定した売上目標を達成すると、あらかじめ定めた手数料が計算されます。



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