この機能は、現在、早期アクセスの形式で提供されています。申請に基づき、一部のユーザーのみが利用可能です。この機能に関して一般投稿することはご遠慮ください。
はじめに
CRM for Everyoneは、Zoho CRMを営業チームだけでなく、組織内のさまざまなチームで一緒に利用することを目的とした機能です。チーム間でスムーズに連携しながら顧客対応を行うことにより、生産性や顧客満足度を向上できます。この記事では、あるソフトウェア企業を例に、CRM for Everyoneの効果的な活用方法をご紹介します。
ソフトウェア企業における活用例
ソフトウェアの開発と販売を行うある企業では、案件管理の効率化や売上アップのためにZoho CRMを利用しています。この企業の営業チームでは、商談を進める中で、資料作成や製品デモを他チームに依頼することがあります。以下では、営業チームが他チームと連携して商談を進めるにあたり、CRM for Everyoneの機能がどのように活用されているかを説明します。
まず、この企業では、チームごとに独自のチームスペースを作成し管理しています(例:営業チーム、マーケティングチーム、プリセールスチーム、法務チーム、導入支援チーム)。
各チームのチームスペース内では、チームタブを作成し、担当業務に関するデータを管理しています(例:マーケティングチームでは、[事例]タブや[キャンペーン]タブを利用して、それぞれ事例やキャンペーンを管理しています)。
チームタブでは、チーム外のZoho CRMユーザーを申請者として設定することにより、チーム外からの申請を受け付けています(例:マーケティングチームの[事例]タブでは、営業チームに所属する営業担当者2名を申請者として追加し、営業チームから事例資料の作成依頼を受け付けています)。
このような前提のもと、以下では、見込み客の登録と精査から、製品デモ、商談の受注、導入支援に至るまでのプロセスにおけるCRM for Everyoneの活用方法を確認してみましょう。
メモ:チームタブで商談を管理するには、チームタブのレイアウトに商談に関するルックアップ項目が追加されている必要があります。
見込み客は、Zoho CRMに登録した後、営業チームで精査されます。営業チームでは、確度の高い見込み客に重点的に対応できるようにするため、Zoho CRM内の見込み客を精査します。
営業チームのメンバーである川根さんは、「ミツマタ商事」の役員から、18か月間の契約でサービスを購入したいという問い合わせを受けました。そこで、川根さんはこの見込み客のデータをCRM for Everyoneのチームスペースから[見込み客]タブに登録しました。
見込み客が登録されると、データは営業パイプラインにおいて[精査中]に設定されます。川根さんは、CRM for Everyoneのチームスペースで、見込み客に関する情報を管理し、精査を進めます。
川根さんは、見込み客の精査に必要な競合比較資料の作成をマーケティングチームに依頼したいと考えました。
そこで、川根さんはCRM for Everyoneの[自分の申請]タブから、マーケティングチームの[競合比較]タブに資料作成の申請を登録しました。
マーケティングチームの資料担当者は、[競合比較]タブで川根さんからの資料作成申請を確認し、資料の作成が完了すると、申請データに資料のファイルを添付し、川根さんにメンションして資料作成が完了したことを知らせました。
川根さんは、マーケティングチームから提供された資料を見込み客にメールで送付し、その後、架電によるヒアリングを行い、見込み客を精査しました。
製品デモとカスタマイズ要件の確認
見込み客が高い興味・関心を示していることを確認できたところで、川根さんは見込み客に対して製品デモを提案し、快諾を得ます。
川根さんは、CRM for Everyoneの[自分の申請]タブから、プリセールスチームの[製品デモ]タブに製品デモの実施申請を登録します。
プリセールスチームでは、[製品デモ]タブで川根さんからの申請と見込み客の要件を確認した上で、「ミツマタ商事」の役員と関係者に対して製品デモを実施しました。
製品デモの実施後、プリセールスチームのメンバーは、川根さんからの申請データでメモ欄に見込み客の要望やカスタマイズ要件を記入し、川根さんにメンションして共有しました。
なお、プリセールスチームによるメモは、営業チームと導入支援チームで以下のとおり活用できます。
1.営業チームでは、プリセールスチームから見込み客の情報を引き継ぎ、商談対応に活かすことができます。
2.受注後、導入支援チームでは、プリセールスチームによって記録されたカスタマイズ要件を確認しながら、製品の初期設定や既存サービスからの移行作業を行うことが可能です。
提案と見積
営業チームでは、製品デモの後、見込み客を商談化し、商談のステージを提案/見積へと進めました。川根さんは、Zoho CRMで見積書を作成し、顧客に提示しました。
ここでは、CRM for Everyoneで見積書の承認プロセスを管理することにより、見積書におけるミスを防止できます。また、見積書の内容や、更新履歴を組織内で共有することにより、見積価格の透明性や一貫性を担保できます。
交渉と契約
提出した見積書が先方で承認された場合、商談のステージは交渉/契約へと進みます。
川根さんは、[自分の申請]タブから法務チームの[契約書]タブに対して、契約書の作成申請を登録します。
法務チームの契約書担当者は、[契約書]タブで川根さんからの申請を確認しました。その後、契約書の作成が完了すると、申請データに契約書を添付し、川根さんにメンションして契約書の作成完了を知らせました。
川根さんは、顧客に契約書を送付し、レビューを依頼します。
契約書のレビュー段階においては、Zoho CRM内で営業チームと法務チームの両方から、契約書を表示し、修正することが可能です。
契約書の署名
双方で契約書のレビューが完了し契約書が承認されると、電子署名により契約を締結します。
川根さんは商談のステージを受注へと進め、社内で請求と入金消し込みに必要な対応を行います。
導入支援
見込み客は顧客に変換され、商談のステージは導入支援へと進みます。
川根さんは、[自分の申請]タブから、導入支援チームに対して導入支援の申請を行います。
導入支援チームでは、川根さんの申請を確認し、顧客との間で導入支援セッションの日程を調整します。
一方、導入支援の担当者は、[自分の申請]タブから、マーケティングチームに対して、支援セッション用の資料(はじめてガイドや活用ガイドなど)の提供を申請します。
マーケティングチームでは、導入支援セッションの担当者からの申請を確認しました。その後、申請データに資料を添付して、導入支援セッションの担当者に資料の準備が完了したことを知らせます。
導入支援セッションの担当者は、マーケティングチームの資料や、プリセールスチームから共有されたカスタマイズ要件などの情報を活用しながら、導入支援セッションをスムーズに行うことができました。
結論
上記のとおり、CRM for Everyoneを利用すると、Zoho CRM内で営業、マーケティング、プリセールス、法務、導入支援などの各チームが互いに協力し、情報を共有しながら、効率的に顧客対応を進めることが可能です。
複数のチームが連携しながら迅速に対応することにより、顧客の体験価値を高めることができます。