自動ガイドボットを利用した対応フローの作成

自動ガイドボットを利用した対応フローの作成

自動ガイドボットは、顧客(サイト訪問者/サポート対象者)からの質問に対して、あらかじめ設定しておいた応答を自動で表示できる機能です。自動応答によるやりとりを通じて、顧客の求めている内容を絞り込みながら、適切な解決策や手続きを提示できます。自動ガイドボットを利用すると、サポート担当者は、定型的な問い合わせやよくある質問の対応にかかる時間を節約し、より高度な対応や個別の対応を必要とする問い合わせに注力できます。さらに、チャットの最後に、対応の評価を尋ねる質問を設定できるため、サポートの品質や顧客の満足度も調査できます。

また、自動ガイドボットには、顧客側のメリットもあります。顧客は、問題を解決するのに、サポート担当者からの返信を待つ必要がありません。自分にとって都合のよいタイミングでチャットを利用し、自分の力で適切な解決策や手続きまでたどり着くことができます。

使用例

たとえば、モバイル端末の販売店における自動ガイドボットの使用例は、次のとおりです。


ジルケア社というモバイル端末の販売店が、zPad(タブレット端末)、zWatch(スマートウォッチ)、zPhone(スマートフォン)という商品をオンラインの店舗で販売しているとします。ジルケア社のWebサイトを訪問すると、自動ガイドボット(自動応答ロボットによるチャット)の画面が表示されます。訪問者はチャットの案内に従って、氏名、メールアドレス、電話番号を入力して、問い合わせ対象の端末を選択します。顧客が端末を選択すると、選択した内容に応じて、ボット(チャットロボット)が次の選択肢を提示します。たとえば、サポートが必要な端末としてzPhone(スマートフォン)を選択すると、不具合の詳細の選択肢として、端末の発熱、液晶画面(ディスプレイ)の不具合、カメラの不具合、バッテリーの不具合などが表示されます。不具合の詳細を選択すると、交換または払い戻しの選択肢が表示され、選択した内容に基づいて、手続きのためのより詳細な手順を確認できます。以上が、モバイル端末の販売店における自動ガイドボットの使用例です。
 
自動ガイドボットは、他の分野でも利用できます。たとえば、商品やサービスに関してよくある質問への回答、病院における診療予約、ホテルや旅館における宿泊予約、教育機関における科目登録などに利用できます。

このように、Zoho Deskの自動ガイドボットを利用すると、従来はサポート担当者からの直接的なサポートを必要としていた顧客が、自分で課題を解決したり、手続きを行ったりできるようになります。自動ガイドボットの作成は、主に画面上でのクリックなどの操作によって可能であるため、プログラミングの専門知識や複雑なコードは必要ありません。また、自動ガイドボットは、Zoho Deskのアカウントの各部門において作成可能です。顧客は、用意された自動ガイドボットを利用することで、サポート担当者による直接的なサポートを受けることなく、自分で問題を解決できるようになります。

自動ガイドボットの作成方法

自動ガイドボットを作成するには、フロー(チャットの処理の流れ)の編集画面を利用します。フローの編集画面では、あらかじめ用意されている部品の中から必要な部品を簡単に追加できます。編集画面での作成が完了したら、作成した自動ガイドボットをWebサイトに公開します。 

スムーズに作成を行うためには、あらかじめ想定されるやりとりの概要や必要な処理を書き出してみるとよいでしょう。顧客から得たい情報や、顧客に対して提示したい情報を考え、各ブロックを配置し、適切な流れを組み立てることが大切です。 

自動ガイドボットの大まかな作成手順は次の通りです。
  1. 部門を選択して、フローの名前や説明などの基本情報を入力します。
  2. フローの流れを完成させるのに必要なブロックと変数を追加します。
  3. フローを公開します。
  4. どこでもサポートのアドオン(Webサイト上のアイコンから自動ガイドボットなどにすばやくアクセスできるようにする拡張機能)の設定のチャットタブで対象のフローを有効にします。
自動ガイドボットのフローの主な要素として、経路、ブロック、変数の3つの要素があります。各要素について、詳しく見ていきましょう。

経路

フローの経路(パス)は、チャットにおける対応の流れを設定するためのものです。顧客からの反応に応じた処理を設定し、実行するのに役立ちます。フローの作成では、顧客の反応をあらかじめ想定し、チャットの流れを組み立てます。これにより、フローの各段階において顧客が選択した内容に応じて ボット(チャットロボット)から最適な案内を行うことが可能になります。

ブロック

ブロックとは、チャットのフローにおいて特定の処理を実行するための部品です。たとえば、自動ガイドボットの最初に顧客に対して挨拶メッセージを表示したい場合、メッセージブロックを利用します。また、チャットの途中で顧客に対して写真を提示したい場合は、画像ブロックを利用します。基本的には、各ブロックを組み合わせることによって、チャットにおける処理の流れを組み立てることができます。




ブロックには主に2種類あります。 
  1. 応答 ブロック
  2. 処理 ブロック

応答ブロック

応答ブロックは、顧客によって入力された内容を受信したり、顧客に対してメッセージを表示したりする場合に利用します。応答ブロックは、用途ごとに、 メッセージ ブロック、 質問 ブロック、 選択 ブロックに分かれます。

メッセージブロック

メッセージブロックを利用すると、チャットの冒頭で顧客に対してメッセージを表示したり、情報カードを提示したりできます。メッセージの種類には、 テキスト 情報カード の2種類があります。 

テキスト
テキスト形式のメッセージです。挨拶メッセージなど、顧客に対してテキストによるメッセージを表示したい際に利用します。



情報カード
情報カードを利用すると、顧客に対して画像などの情報をカード形式で提示できます。情報カードには、画像の他に、タイトル、サブタイトル、説明などの情報を追加できます。これにより、テキストだけでは伝わりにくい情報も、効果的に共有できます。情報カードには、固定情報カード(値が一定のカード)と動的情報カード(値を動的に変更できるカード)の2種類があります。 
  1. 固定情報カード - 固定情報カードは、全顧客に対して常に同じ情報を表示したい場合に利用します。フローの公開後に、固定情報カードの情報を変更することはできません。たとえば、情報カードを用いてzPhoneの価格や機能などの決まった情報を提示したい場合、固定情報カードにzPhoneの画像、価格、説明を追加して、自動ガイドボット内で表示できます。 
  2. 動的情報カード - 動的情報カードは、顧客ごとや取引ごとに異なる内容などについて、自動で最新の値を取得して表示したい場合に利用します。たとえば、動的情報カードを利用すると、支払いID、支払い方法、支払い済みの金額、配達状況の詳細など、特定の取引に関する情報について、最新の値をカード上に表示することが可能です。 

質問ブロック

質問ブロックは、顧客に対して質問をしたり、顧客から回答を受け取ったりするのに利用します。たとえば、「ご利用ありがとうございます。こちらは自動応答チャットです。お名前をご入力ください」などのメッセージを表示します。



Zoho Deskでは、 10種類 の質問ブロックを利用できます。

質問ブロックの種類
用途
テキスト
顧客からテキスト形式の情報を受け取ります
画像
顧客から画像ファイルを受け取ります
動画
顧客から動画ファイルを受け取ります
音声
顧客から音声ファイルを受け取ります
スライダー
一定の範囲/目盛りから顧客に値を選択してもらいます
メールアドレス
顧客からメールアドレスの情報を受け取ります
URL
顧客からWebサイトのURLを受け取ります
通貨
顧客から、支払い/返金に関する詳細を受け取ります
カレンダー
顧客に日付/時間のいずれかまたは両方を選択してもらいます
数値
顧客から数値形式の情報を受け取ります

選択ブロック

選択ブロックを利用すると、顧客に提示したい選択肢を、ボタンまたは選択カードの形式で表示できます。

ボタン  
顧客に複数のボタンの中から1つを選択してもらうことができます。顧客の選択した内容に基づいて、チャットの回答を組み立てることができます。ボタンの種類には、テキスト、画像、音声、映像、スマイルマーク、フィードバックがあります。      
  1. 経路の作成 - 有効にすると、各ボタンに対して個別の経路が作成されます。
  2. 単一選択ボタン 複数選択ボタン - 有効にすると、単一選択または複数選択のボタンを設置できます。複数選択のボタンは、アンケートや登録フォームなどにあるような複数回答形式の質問を提示したい場合に利用します。
複数選択ボタンを選択している場合、経路の作成(各ボタンに対して個別の経路を作成する機能)は無効になります。これは、複数のボタンが選択された場合に、各ボタンに対応する複数の処理を同時に実行することはできないためです。

選択カード
選択カードを利用すると、顧客に対して、複数の選択肢をカード形式で提示して、選択肢の中から1つ以上のカードを選択してもらうように設定できます。たとえば、選択カードを利用して、売れ筋上位5位までの商品に関する選択肢を提示するとします。この場合、顧客が、サポートを希望する商品を選択すると、顧客に対して選択した商品に関するサポートが提供されるような自動ガイドボットのフローを作成できます。カードの項目としては、標準項目の他に、 カードの項目を追加 する操作によって、カスタム項目を作成することもできます。たとえば、カードに「在庫状況」というラベル(名前)の項目を追加して、項目の値として「在庫あり」と「在庫なし」のいずれかが表示されるようにできます。また、選択カードの項目のラベルの表示/非表示を変更することもできます。ラベルを非表示に設定すると、顧客に対して項目の値のみを表示することが可能です。

情報カードと同様に、選択カードにも固定(値が一定のカード)と動的(値を動的に変更できるカード)の2種類があります。また、ボタンと同様に、選択カードの選択方式についても、単一選択または複数選択のいずれかを選択できます。

処理ブロック

処理ブロックを利用すると、チャットの処理を他のブロックや他のサービスに関連付けたり、顧客からの反応に基づく条件分岐を作成したりできます。現在は、以下の 3種類 の処理ブロックを利用できます。

ジャンプブロック

このブロックを利用すると、フローの処理を現在のブロックから別のブロック(同じフローまたは別のフロー内のブロック)に移動することができます。また、処理の移動先のブロックとして、異なる部門に登録されているフローのブロックも選択できます。ジャンプブロックを利用すると、チャットの処理の続きとして、同じ部門や他の部門に登録されているフローの処理を適用できるため、チャットで実行できる処理の可能性を広げることができます。ジャンプブロックでは、入力変数と出力変数を適切に関連付けることが大切です。この関連付けを通して、移動元のフローと移動先のフローが結び付けられるためです。


以下の例を確認してみましょう。

他の自動ガイドボットのフローに移動するジャンプ処理

例1: 「ジルたび」という旅行代理店が航空券やホテルをオンラインで予約できるサービスを提供しているとします。ジルたびの担当者は、航空券の予約を自動ガイドボットからも受け付けられるようにするため、航空券の予約用のフローを作成しています。その際、航空券を予約した顧客が、必要に応じて、引き続きホテルの予約手続きを行えるようにしたいと考えました。この場合、ジャンプブロックを利用することで、航空券のフローでの予約処理が完了したらホテル予約用のフローに移動するように設定できます。2つのフローを関連付けるには、入力変数と出力変数の関連付けが必要です。具体的には、航空券予約のフローの変数を、ホテル予約のフローの変数に関連付ける必要があります。これにより、航空券予約のフローで顧客から取得した情報を、ホテル予約のフローであらためて確認しなおさなくても再利用できます。たとえば、航空券予約で到着日の値を保存するための変数「@到着日」を、ホテル予約の自動ガイドボットの変数「@チェックイン日」に関連付けます。また、航空券予約のフローの「@搭乗者名」を、ホテル予約のフローでの出力変数「@利用者名」に関連付けます。このように設定することで、顧客は航空券の予約の際に入力した詳細情報を、ホテル予約の際にあらためて入力する必要がありません。ホテル予約用のフローで必要な基本情報の入力のための処理が省略されるため、顧客は部屋に関する情報の入力から手続きを開始できます。
例2: ジルケア社は、スマートフォンなどのモバイル端末をオンライン上で販売しているとします。ジルケア社には、営業部門、お客様サポート部門、仕入部門があります。ジルケア社の営業部門からモバイル端末を仕入れ、自社の店舗で販売したいと考えている企業の担当者が、ジルケア社のWebサイトを訪問したとします。このような担当者(ジルケア社の顧客)が自動ガイドボットを利用した場合、営業部門のフローから仕入部門のフローに処理を移動できます。 
たとえば、営業部門のフローでの入力変数「@名前」は仕入部門のフローの「@仕入先名」に関連付けられます。同様に、営業部門のフローの出力変数を仕入部門のフローの変数に関連付けることができます。たとえば、営業部門のフローの「@Webサイト」を仕入部門のフローの「@Webサイト」の項目に関連付けます。このように設定することで、営業部門のフローから仕入部門のフローに移動した場合も、営業部門の変数の値を仕入部門のフローに引き継ぐことが可能です。

同じ自動ガイドボットのフロー内で別のブロックに移動する例

例3: モバイル端末をオンライン上で販売しているジルケア社で、モバイル端末のサポート受付用の自動ガイドボットを作成するとします。このような自動ガイドボットにおいてジャンプブロックを利用すると、サポート対象の端末の種類(スマートフォン/タブレット端末/スマートウォッチ)と不具合の詳細を顧客が選択したら、選択した内容に応じたブロックにフローの処理を移動させることが可能です。たとえば、顧客が端末の種類としてスマートフォン、不具合の詳細として画面の不具合を選択したとします。フローの処理はジャンプブロックを通じてスマートフォンの機種選択のブロックへと移動します。そのことによって、顧客はスマートフォンの機種を選択し、続けて、端末の交換、代金の払い戻し、返品のための手続きへと進むことができます。

ジャンプブロックに見られるような処理は銀行のATMにおいても利用されています。銀行のATMで残高照会の処理を行った後に、[取引を続ける]等のボタンを押すと、次の取引(預金の引き出し、送金など)の選択画面に移動しますが、これはジャンプブロックと同様の処理によるものです。



分岐ブロック

分岐ブロックでは、あらかじめ設定した条件に基づいて、チャットのフローを2つ以上の経路に分岐できます。ブロックを通じて顧客から受け取るデータは、ブロック変数という変数の値として格納されます。 ブロック変数に格納された値があらかじめ設定した条件に照らされることで、次の経路が決定されます。分岐ブロックで設定できる変数には、ブロック変数(ブロック内でのみ有効な変数)の他に、共通変数(複数のフローで有効な変数)と個別変数(対象のフロー内でのみ有効な変数)があります。
 
分岐ブロックの利用例として、モバイル端末の販売店の自動ガイドボットにおいて、顧客が端末の不具合の詳細を選択すると、選択した内容に対応する画面が表示される条件分岐処理の設定を確認してみましょう。まず、1つ目の条件において、不具合の詳細として液晶画面(ディスプレイ)の不具合またはバッテリーの発熱を選択した場合を設定します。この条件が満たされた場合、入力変数「@問題の種類」が液晶画面(ディスプレイ)の不具合とバッテリーの発熱に関連付けられるようにします。 
次に、2つ目の条件において、不具合の詳細としてカメラの不具合を選択した場合を設定します。この条件が満たされた場合、入力変数「@問題の種類」がカメラの不具合に関連付けられるようにします。
同様に、3つ目の条件において、SIMカードの故障を選択した場合を設定します。この条件が満たされた場合、入力変数「@問題の種類」がSIMカードの故障に関連付けられるようにします。
このように3つの条件を設定し、満たされた条件に応じて、変数に各値が関連付けられ、対応する経路が選択されるようにします。以上の設定により、自動ガイドボットで顧客が不具合の詳細を選択すると、選択した内容に応じた処理が実行されるようになります。


Webhookブロック

Webhookブロックを利用すると、自動ガイドボットの処理をZoho Desk内の処理や他のサービス(他のZohoサービスや外部サービス)の処理と連携できます。たとえば、自動ガイドボットの処理を通じてZoho Deskの問い合わせを作成したり、自動ガイドボットを通じて得られた利用者の情報をもとにZoho CRMの新しい連絡先を作成したりできます。これらのサービスとの連携は、APIを通じて行われます。そのため、APIを通じてアクセスできるデータや、APIを利用して実行される処理なら、Webhookの処理を通じて自動ガイドボットと連携させることが可能です。 参考情報: 自動ガイドボットにおけるWebhookの処理の設定

ブロックの設定

ブロックを追加したら、次の各操作を実行できます。
  1. ブロックを編集する :ブロックの設定画面が表示され、ブロックの設定を編集できます。
  2. ブロックをコピーする :ブロック全体をコピーして、同じフロー内の別の場所で利用できます。
  3. 経路をコピーする :ブロックの経路をコピーして、別のフローで利用できます。
  4. 再開ブロックとして設定する - チャットのフローの処理がフローの最後まで到達した場合にフローの処理を再開するブロックとして設定します。
  5. ブロックを削除する :ブロック全体を削除します。
  6. 経路を削除する :ブロックの経路を削除します。

詳細設定

すべてのブロックで次の詳細設定が可能です。
  1. 再開ブロック - チャットのフローの処理が最後まで到達したときにフローの処理を再開するブロックとして設定できます。チャットの処理がフローの最後まで到達すると、再開ブロックの処理が自動で実行されます。
  2. スキップブロック - ボット(チャットロボット)からの質問を、利用者が必要に応じてスキップできるようにします。たとえば、「性別を選択してください」という質問のブロックに対してスキップ設定を有効にしておくと、顧客は自動ガイドボットでこの質問をスキップできます。通常、スキップブロックは質問への回答が任意である場合に利用されるため、質問がスキップされた場合にも、フローにおける処理の流れが妨げられることはありません。
  3. 終了ブロック - チャットのフローの最後のブロックとして設定できます。たとえば、自動ガイドボットのフローの最後に「ご利用ありがとうございました」というメッセージを表示したい場合などに設定します。

変数

変数は、自動ガイドボットのフローで特定の値を保存するために使用します。変数には顧客から取得した情報を保存しておくことができ、ブロックでの処理に使用する変数(入力変数)とブロックでの処理結果を保存する変数(出力変数)の2つの用途があります。フローの編集画面で利用できる変数には、 入力変数、個別変数、 共通変数 の3種類があります。

共通変数 には、複数のチャットのフローで共通的に利用する変数を設定します。共通変数では、変数を1つのチャットから別のチャットに受け渡す際に、変数の値を変更することも可能です。

入力変数 は、顧客が入力した内容をもとに、顧客ごとに個別の内容を表示する場合に有効です。たとえば、「お名前をご入力ください」という質問に対して、顧客が「田中」と回答したとします。回答を受けたボット(チャットボット)では、次の質問で顧客の入力内容を反映させて、「田中さん、次の選択肢から1つをご選択ください」と質問できます。こちらで設定した変数の値「田中」は、この質問ブロック内でのみ有効ですのでご注意ください。

個別変数 は、該当のチャットのフロー内でのみ有効です。一方、共通変数は、複数のチャットのフローで利用できます。 例:オンラインでモバイル端末を販売しているジルケア社の営業部門が、部門の窓口ごとに自動ガイドボットのフローを作成するとします。それらの複数の自動ガイドボットで共通的に利用できる共通変数として、自社のWebサイトのURL/代表 メールアドレス用の変数を作成しました。一方、営業部門の各窓口では、窓口ごとに異なる連絡先名とメールアドレスを利用しています。そのため、各窓口用の自動ガイドボットのフローにおいて、各窓口の連絡先名とメールアドレスは個別変数として設定します。

自動ガイドボットのフローの設定

自動ガイドボット のフローを作成するには、次の手順を実行します。
  1. [設定]→[一般]→[自動ガイドボット] に移動します。
  2. チャットのフローを作成したい部門を選択して、 [フローを作成する] をクリックします。
  3. フローの作成画面で、フローの 名前 説明 を入力して [次へ] をクリックします。
    自動ガイドボットのフローの編集画面が表示されます。
  4. ブロックを追加するには、編集画面で [ブロックを追加する] をクリックします。
  5. ブロックの追加画面で、追加したいブロックを選択して、 ブロック名、ボットのメッセージ その他の関連情報を入力します。
    ボットのメッセージ には、チャット内でボット(チャットのロボット)から顧客に対して表示されるメッセージを入力します。たとえば、「ご利用ありがとうございます。こちらは自動応答チャットです。お名前をご入力ください」や、「サポートを受けたい製品をご選択ください」などと入力します。また、簡単な書式設定と変数の挿入が可能です。たとえば、チャットの冒頭で顧客に名前を入力してもらった場合、次のブロックの内容に変数として顧客の名前を含めることができます。


  6. 完了したら、 [保存する] をクリックします。

同様の手順によってフローにさらにブロックを追加できます。
質問ブロック では、ブロック変数の名前を変更することもできます。初期設定では、ブロック変数の名前としてブロック名が設定されます。たとえば、ブロック名が 「添付画像」 である場合、初期設定の変数名は 「添付画像」 となります。変数の名前を変更したい場合は、 入力内容を変数に設定する 機能の設定画面から変数名を編集できます。

共通変数を追加するには、次の手順を実行します。
  1. 自動ガイドボットの一覧のページで右上に表示されている [共通変数] をクリックします。
    現在有効な共通変数の一覧の画面が表示されます。
  2. この画面の右上に表示されている [変数を追加する] をクリックします。
    共通変数の設定画面 が表示されます。
  3. フォームに次の情報を入力します。
    1. 変数名 - 変数の名前
    2. 変数の種類 - 変数のデータの種類:テキスト(文字列)または数値
    3. 変数の値 - 変数に割り当てる値
    4. 説明 - 変数の簡単な説明
  4. [追加する] ボタンをクリックすると、共通変数が追加されます。

個別変数を追加するには、次の手順を実行します。
  1. 自動ガイドボットの編集画面の左側にある [変数] アイコン( )をクリックします。
    変数の設定画面が表示されます。
  2. 設定画面で、 [個別変数を追加する] ボタンをクリックします。
    個別変数の設定画面が表示されます。
  3. フォームに次の情報を入力します。
    1. 変数名 - 変数の名前
    2. 変数の種類 - 変数のデータの種類:テキスト(文字列)または数値
    3. 変数の値 - 変数に割り当てる値
    4. 説明 - 変数の簡単な説明
  4. [保存する] ボタンをクリックすると、個別変数が追加されます。


編集画面で実行できる操作

自動ガイドボットの編集画面では、操作アイコンをクリックするだけで、さまざまな操作を実行可能です。編集画面でフローを作成する際に利用できるアイコンは次のとおりです。

操作アイコン
処理名
処理内容

全画面表示
編集画面を全画面で表示します。

経路を閉じる/開く
経路の表示/非表示を切り替えます。

中央に戻る
編集画面の端に移動してしまった場合に編集画面の中央部に戻ることができます。

拡大
編集画面の特定の部分を拡大して表示(ズームイン)します。

縮小
編集画面を縮小して表示(ズームアウト)します。

自動ガイドボットのフローの公開

チャットのフローの作成が完了したら、チャットを公開します。フローを公開すれば、Webサイトの訪問者がWebサイト上で自動ガイドボットを利用できるようになるわけではありません。フローを公開しただけでは、フローに対するどこでもサポートのアドオン(Webサイト上のアイコンから自動ガイドボットなどにすばやくアクセスできるようにする拡張機能)のアクセスが有効になるだけです。自動ガイドボットをWebサイト(ヘルプセンター)上で利用可能な状態にするには、どこでもサポートのアドオンの設定で対象の自動ガイドボットをどこでもサポートのアドオンに関連付ける必要があります。
 
フローの公開方法:
  1. [設定]→[一般]→[自動ガイドボット] に移動します。
    タブごとに自動ガイドボットを一覧表示できます(公開済み/下書き/ごみ箱)。
  2. 公開する必要のあるフローを表示するには、 [下書き] をクリックします。
  3. 完成したフローを選択し、 [プレビュー] をクリックします。
    右側に表示されているチャットのウィンドウにプレビューが表示され、チャットが適切に動作するかどうかを確認できます。
  4. 確認したら、必要に応じて修正します。公開の準備ができたら[公開する]をクリックします。
[下書きを保存する] をクリックすると、フローの内容を一時保存して、後から編集を再開できます。
フローを複数の
どこでもサポート のウィジェットと関連付けることによって、フローを複数のWebサイトで利用することもできます。

自動ガイドボットのフローの削除

チャットのフローを削除しても、Zoho Deskから自動ガイドボットが完全に削除されるわけではありません。ヘルプセンター(Webサイト)の訪問者が、削除済みのフローを表示できなくなるだけです。フローは一度削除されると、公開済みまたは下書きのタブからごみ箱のタブに移動します。ごみ箱に移動したフローを選択して [復元する] ボタンをクリックすると、対象のフローを復元できます。フローを削除できるのは、それぞれのアカウントでフローを削除する権限のあるユーザーのみですので、ご注意ください。
 
自動ガイドボット のフローの削除方法:
  1. [設定]→[一般]→[自動ガイドボット] に移動します。
    タブごとに自動ガイドボットを一覧表示できます
    (公開済み 下書き ごみ箱 )。
  2. [公開済み] または [下書き] のカテゴリーにあるチャットのフローにマウスのカーソルを合わせます。
  3. 対象のフローの欄に表示されている [削除する] アイコン( )をクリックします。
    確認メッセージが表示されます。
  4. [削除する] をクリックします。
    すぐにフローが削除されます。
削除したいフローが別のフローに 関連付けられている 場合、削除についての確認メッセージが表示されます。

フローとどこでもサポートのアドオンとの関連付け

Webサイトで顧客(Webサイト訪問者/サポート対象者)が自動ガイドボットを利用できるようにするには、Zoho Deskのどこでもサポート機能(Webサイトのアイコンから自動ガイドボットなどにすばやくアクセスできるようにする拡張機能)の設定で自動ガイドボットを有効にする必要があります。
 
どこでもサポート機能の設定で自動ガイドボットを有効にする方法:
  1. [設定]→[経路]→[どこでもサポート] に移動します。
  2. チャットのフローを追加したいアドオン(拡張機能)の 名前 をクリックします。
  3. [タブの選択]で、 [チャット] タブにマウスのカーソルを合わせます。
  4. チャットのタブに対応する [設定] をクリックします。
  5. チャットボットの設定のセクションで、 [自動ガイドボット] の切り替えボタンを有効にします。
  6. 自動ガイドボットのボットを関連付ける リンクをクリックします。
  7. 有効なチャットのフローの一覧を表示するには、 [選択する] をクリックします。
  8. どこでもサポートのアドオンと関連付けたい自動ガイドボットのフローを選択して、 [追加する] をクリックします。
    選択したチャットのフローがどこでもサポートのアドオンと関連付けられます。
  9. [保存する]/[更新する] をクリックします。



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                                  自動ガイドボットのフローの要素には、以下の3つがあります。 ブロック 経路 変数 ブロック ブロックは、ボットによる処理の流れを組み立てる上での基本的な要素(部品)です。さまざまな種類のブロックが用意されています。ブロックを追加することで、自動ガイドボット上で利用者(顧客、サポート対象者)に対してどのようなメッセージや質問を表示し、どのような情報を受け取るかを設定できます。 ...

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