ブループリントの概要

ブループリントの概要

ブループリントは、業務を決められた手順に沿って進めるための機能です。組織では、問い合わせの内容に応じて複数のチームや部門が対応することがあります。また、「内容を確認してから承認する」「承認後に別の担当者へ引き継ぐ」など、作業を一定の順番で進めなければならない場合もあります。このような業務で必要な手順が抜けると、対応の遅れや作業のやり直し、チーム間の認識のずれにつながる可能性があります。ブループリントを設定すると、担当者が画面に表示される手順に沿って作業を進められるようになります。誰が担当しても同じ流れで対応できるため、作業にかかる時間や手入力を減らし、確認漏れや操作ミスを防ぐことができます。

ブループリントを利用する利点

ブループリントには、次の利点があります。
  1. プロセスの標準化:あらかじめ定めた手順に従って、すべての担当者が作業できます。
  2. 問い合わせ対応の案内:問い合わせを次の段階へ進める前に必要な作業を担当者に案内します。
  3. 必須データの入力:各段階で必要な情報を入力しないと次へ進めないようにします。
  4. プロセスの時間管理:各段階の制限時間やSLAを設定できます。遅延時にはエスカレーションを実行できます。
  5. プロセスの可視化:問い合わせが各段階をどのように進むかを確認できます。

利用例

新機能の要望

たとえば、ソフトウェアを提供する会社に顧客から新しい機能の要望が寄せられた場合、次の手順で対応します。
  1. サポートチームが要望の内容や妥当性を確認します。
  2. 顧客がどのような場面でその機能を必要としているかを、資料にまとめます。この資料は「ユースケース文書」と呼ばれ、機能の利用目的や具体的な利用例を記載したものです。まとめた内容を、製品の企画や開発方針を担当する製品責任者(PM:プロダクトマネージャー)に共有します。
  3. 製品責任者が内容を確認し、開発を検討する要望として受け付けるかどうかを判断します。要望が受け付けられた場合は、開発を担当するチームに引き継ぎます。

返金依頼

顧客から返金依頼があった場合は、次の手順で進めます。
依頼内容を確認します。
  1. 返金の条件を満たしている場合は、返金を承認して問い合わせを完了します。
  2. 返金の条件を満たしていても返金額を2営業日以内に確認する必要がある場合は、問い合わせを保留にして確認します。 
  3. 顧客から返金の遅延についてエスカレーションがあった場合は、状態を「エスカレーション済み」に変更し、エスカレーション済みの状態へ移動します。その後、チームリーダーが遅延に対応し、解決まで進めます。
  4. 返金の条件を満たしていない場合は、問い合わせを完了し、返金依頼を却下します。

複数のチームが1つの業務に関わる場合、チームごとに担当する作業や確認事項が異なります。また、前のチームの作業が完了しなければ、次のチームが作業を開始できないこともあります。
たとえば、顧客からの依頼を受け付けた後に、内容の確認、責任者による承認、担当部署での対応、顧客への結果の連絡を順番に行う場合です。このような業務では、現在どの手順まで進んでいるか、次に誰が何を行うか、必要な確認が完了しているかを把握しにくくなることがあります。

ブループリントを利用すると、複数のチームが関わる業務でも、必要な手順と実施する順番をZoho Desk上に設定できます。各手順の対応状況や入力された内容も記録されるため、関係する担当者が業務の進み具合を確認しながら、次に必要な作業を進められます。

ブループリントの主な要素

ブループリントは、主に次の3つの要素を組み合わせて作成します。

要素

説明

目的

状態

状態は、業務が現在どの段階にあるかを表します。

問い合わせの現在の対応状況を把握するために使用します。

新規:問い合わせが作成された直後の状態です。

解決済み:担当者が問い合わせを解決した状態です。

遷移

遷移は、問い合わせなどのデータを、現在の状態から次の状態へ進めるための操作です。

遷移では、現在の状態からどの状態へ進められるかを設定します。これにより、必要な作業が完了していない状態で、問い合わせが誤って先の段階へ進むことを防げます。

対応開始:問い合わせを「新規」から「対応中」状態へ移動します。

問い合わせを解決:問い合わせを「対応中」から「解決済み」状態へ移動します。
矢印(線)
矢印(線)は、ブループリント内の状態と遷移を視覚的につなぎます。処理の流れを表します。

問い合わせのライフサイクル全体を一目で把握できます。

[対応開始]→[対応中][問い合わせを解決]→[解決済み][問い合わせを完了][完了]


ブループリントの遷移

ブループリントには、3つの条件があります。[遷移前][遷移中][遷移後]です。 

遷移前 

担当者が遷移を実行できるようにする前に条件を確認します。 
遷移前に確認できる条件は次のとおりです。
  1. 遷移の担当者:遷移を実行できる担当者を指定します。
    たとえば、担当者を遷移の担当者に設定すると、その担当者だけが遷移を実行できます。
    遷移の担当者を指定しない場合は、その部門の担当者であれば誰でも遷移を実行できます。 
  2. 他の部門の遷移の担当者:他の部門を選択すると、その部門でも遷移を実行できます。問い合わせは、選択した部門に自動で共有されます。担当者の権限は、すべてのアクセス表示のみのアクセス制限付きアクセスから選択できます。
  3. 条件:遷移を実行するための条件を設定します。 


遷移中

[遷移中]タブでは、遷移中に必要な処理を設定します。たとえば、項目値の入力、コメントの投稿、ファイルの添付などの処理を必須に設定できます。この場合、遷移の担当者は、これらの処理を実行しなければデータを次の状態に遷移させることはできません。 

遷移の実行時に、ルックアップ項目での関連データの選択を必須に設定することもできます。たとえば、「サブスクリプションの更新」という遷移があるとします。この遷移では、問い合わせデータが「決済が未完了」という状態から「決済済み」という状態に遷移します。この[遷移中]において、問い合わせ内の「サブスクリプション」というルックアップ項目での値の選択を必須に設定できます。これにより、問い合わせデータが「決済済み」の状態に遷移する際に、問い合わせデータを適切なサブスクリプションデータに関連付けることができます。

ルックアップ項目の作成方法についての詳細は、Zoho Deskでの独自のルックアップ項目の作成をご参照ください。   

また、これらの処理は必須に設定することが可能です。必須の処理の設定について、以下に説明します。
  1. 処理:全員に返信、コメント、ファイルの添付、解決方法、承認用の送信、共有依頼などの処理を選択できます。
  2. 項目:遷移時に入力が必要な項目を選択します。
  3. メッセージ:ブループリントの業務プロセスを効率的に実行できるように、遷移の担当者に対してメッセージを表示して案内できます。メッセージには、次の遷移の準備に役立つ情報や業務マニュアルの参照先などを追加できます。
  4. 拡張機能:業務プロセスにおける個別のニーズに応じたウィジェットを選択して追加することで、問い合わせ対応の効率化を図ることが可能です。追加した拡張機能では、項目の更新、外部サービスのデータの更新、フォームデータの取得、フォームデータの送信など、さまざまな処理を実行できます。

遷移後

遷移の完了後に実行する自動処理を設定できます。[遷移後]の設定で自動化できる処理は、次のとおりです。
  1. 通知:既存のメール通知を選択するか、新しいメール通知を作成して、遷移後に送信できます。
  2. 項目の更新:遷移後に更新する項目を選択します。
  3. タスク:遷移後に対象のデータに関連付けるタスクを指定します。
  4. カスタム関数(エンタープライズプランのみ):遷移後に実行するカスタム関数を選択します。

ブループリントの作成方法については、「ブループリントの作成」をご参照ください。