顧客からのさまざまなインスタントメッセージを1つの画面にまとめて管理できます。
インスタントメッセージの受信トレイでは、WhatsApp、Instagram、Facebook Messenger、Telegramなど、さまざまな種類のメッセージサービスでのやりとりを1つの画面にまとめて管理できます。この受信トレイには返信文の作成や関連情報の確認に役立つ機能が多く搭載されているため、ユーザーはそうした機能を活用して常に質の高いサポートを顧客に提供できます。
インスタントメッセージの受信トレイの主な機能
インスタントメッセージの受信トレイは、顧客とメッセージをやりとりする際に中心となる画面です。メッセージサービスごとに画面を切り替える必要はありません。顧客がどのサービスからメッセージを送っていても、担当者は常に同じ画面でメッセージを受信し、それぞれの顧客に返信できます。
この受信トレイでは、以下を行うことができます。
- どの経路からのメッセージにもリアルタイムに返信できます。
- 顧客のプロフィールや過去のメッセージを調べ、受信したメッセージの背景を知ることができます。
- メッセージを担当者に割り当てたり、対応の優先順位を決めたりすることができます。
- 定型返信、組織内向けのメモ、手軽なフィルターなど、受信トレイに組み込まれている多数のツールを活用できます。
インスタントメッセージの受信トレイの利用者
利用者の権限
| インスタントメッセージの受信トレイで行う業務
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担当者
| さまざまな経路で受信される顧客からのメッセージにリアルタイムで返信します。
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スーパーバイザー
| 担当者による対応の状況を確認します。チャットの割り当てや、顧客の待ち時間が長くなった際の調整も行います。
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管理者
| 経路の連携設定やユーザーのアクセス権限を管理し、情報の安全な保護とコンプライアンスの徹底を図ります。
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インスタントメッセージの受信トレイを利用する主なメリット
- すべてのメッセージサービスのメッセージを1つの画面で受信できます。サービスごとに画面を切り替える必要はありません。
- 早く返信できます。返信文の作成に役立つ各種ツールが用意されています。
- マネージャーが状況を把握できます。待機している顧客の人数や、対応にあたっている担当者の進捗をリアルタイムに確認できます。
- 情報を安全に保護できます。役職に基づいて権限を設定できます。監査用の履歴も記録されます。
- 柔軟に拡張できます。組織の成長に合わせて、担当者の増員や、経路の追加が可能です。
- コスト効率を改善できます。ツールの管理費用や導入にかかる手間を抑えることができます。
インスタントメッセージの受信トレイの利用の流れ
1. メッセージサービスを経路として連携する
管理者が、WhatsApp、Telegram、LINEなどのメッセージサービスを経路として連携します。この連携には、公式のAPIやコネクターを使用します。
2. メッセージを割り当てる
メッセージサービスのAPIやWebhookを通じて受信したメッセージを、担当者に割り当てます。割り当てには、自動割り当てのルールや順繰り(ラウンドロビン)方式を使用できます。
3. 担当者がメッセージに対応する
担当者が受信トレイから顧客に返信します。以下の操作が可能です。
- 定型返信を利用する
- ナレッジベースの記事を参照する
- メッセージの詳細情報や、顧客の履歴を確認する
- AIの機能を活用する(AIの活用についてはこちらをご参照ください)
4. マネージャーが対応の状況を確認する
スーパーバイザーの権限を持つユーザーは、待機している顧客の人数をリアルタイムで確認できます。また、顧客とのやりとりの仲裁に入ったり、チーム全体の進捗を管理したりすることも可能です。
5. 操作の履歴が記録される
すべてのメッセージが履歴に記録されます。送受信の日時のほか、担当者/顧客/メッセージに関する詳細な情報が記録されます。
経路として連携できるメッセージサービス
インスタントメッセージの受信トレイには、以下のメッセージサービスを連携できます。
- WhatsApp(WhatsApp Business API経由)
- ビジネスメッセンジャー(Webサイトおよびモバイルアプリでのチャット)
- Instagramのダイレクトメッセージ
- Facebook Messenger
- Telegram
- WeChat
- LINE
インスタントメッセージの受信トレイの画面構成
インスタントメッセージの受信トレイは、大きく4つのセクションに分かれています。いずれのセクションも、情報を分かりやすく表示し、ユーザーが作業を効率的に進められるように作られています。
1. やりとりの一覧(画面の左側)
このセクションでは、すべての経路でのやりとりが、分かりやすく整理された一覧に表示されます。この一覧では、[自分のやりとり]、[未割り当て]などのフィルターを使用したり、条件を指定したりすることによって、情報を絞り込むことも可能です。
このセクションは、各やりとりの優先度を判断したいときや、未読のメッセージがないかを確認したいときに便利です。個々のやりとりへの移動もすばやくできます。受信トレイはリアルタイムに更新されているので、一覧には常に最新のメッセージが表示されます。
2. チャット画面(画面の中央)
このセクションは受信トレイの中心的な場所であり、顧客とのやりとりの内容がすべて表示されます。顧客からのメッセージ、担当者からの返信、ボットからの回答、システムによる自動処理の通知など、さまざまな情報が時系列に表示されます。
このチャット画面は、画像、音声メモ、ファイルなど、テキスト以外のデータにも対応しています。また、クイック返信などのツールやボタンもメッセージと一緒に表示されます。
この画面は常に新しいメッセージが表示されるように自動でスクロールします。ただし、過去のメッセージも容易にさかのぼって見ることができます。また、未読のメッセージには印が付きます。
3. 顧客の情報(画面の右側)
このセクションには、顧客の重要な詳細情報や、過去のやりとりの内容が表示されます。チャットをしている画面を離れることなく、顧客のプロフィール、やりとりの詳細情報、関連付けられている問い合わせなどをすぐに確認できます。
また、現在の会話や過去の会話の中で送信された添付ファイルも、必要なときにすぐに表示できます。
このセクションには、ZohoのAIアシスタントであるZiaからの情報もリアルタイムに表示されます。Ziaの分析により、感情、緊急度、類似の問い合わせなどが表示され、ユーザーはそうした情報を対応の優先順位の決定や返信文の作成に活用できます。
4. メッセージ作成画面(画面の下部)
このセクションは、返信メッセージの作成と、作成したメッセージの送信を行う場所です。メッセージの入力欄では、テキストの書式設定が可能であり、絵文字や特殊文字を選択して入力することもできます。ファイルを添付する場合は、対象のファイルをドラッグ&ドロップするか、ファイルを指定してアップロードします。定型返信やナレッジベースの記事を返信文にすばやく挿入することもできるため、組織として一貫性のある返信を、早く返すことが可能になります。
さらに、AIによる支援も活用できます。トーンの調整、最適な長さへの書き換え、翻訳などにより、相手の言語や好みに合わせて、分かりやすく、かつ温かみのある返信文を作成できます。これらの機能を活用することにより、効率性を高めると同時に、質の高いコミュニケーションを実現できます。
経路が利用できなくなった場合
状況
メッセージサービスの経路は、何らかの原因により利用できなくなることがあります。以下に、そのような場合の例を挙げ、受信トレイがどのような動きを見せるのかを説明します。
状況
| 受信トレイの動き
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管理者が経路を無効にした
| 担当者は返信を送信できなくなり、これ以降の新しいメッセージは表示されなくなります。ただし、過去のメッセージは、変わらず表示されます。
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連携用トークンの有効期限が切れた
| 担当者にはエラーが表示されます。管理者が経路をもう一度接続する必要があります。
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顧客が担当者のアカウントをブロックした
| メッセージが顧客に配信されなくなります。受信トレイには、配信できなかった旨の通知が表示されます。
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メッセージサービス側の上限に達した
| メッセージが一時的に送信できなくなり、管理者に通知が届きます。担当者には、「経路が一時的に利用できない」「送信ができない」といったエラーが表示されます。
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経路が無効になった場合でも、過去のメッセージは引き続き表示され、検索も可能です。 経路の問題が発生した場合の対応については、経路の問題に関するガイドをご参照ください。
チームの作業状況に関する分析レポート
インスタントメッセージの受信トレイには、チームの作業状況の把握に役立つダッシュボードが用意されています。このダッシュボードには、メッセージの件数、担当者の作業状況、やりとりにおける対応の早さなどを分析したレポートが表示されます。これらは、現状の把握や改善点の検討に役立ちます。
以下の分析レポートが表示されます。
1. やりとりのステータス別の件数
やりとりの件数を、以下の分類ごとに確認できます。
- 対応済み
- 再開済み
- 再割り当て済み
- 対応したやりとりの合計件数
このレポートは、チームの作業負荷の把握と、支援や改善が必要な箇所の特定に役立てることができます。
2. やりとりの連絡先別の件数
受信メッセージの件数を、以下の分類ごとに確認できます。
- 初めてやりとりを行う新しい連絡先からのメッセージ
- 以前にやりとりをしたことのある既存の連絡先からのメッセージ
- 担当者による対応がまだ開始されていない、待機中のメッセージ
どのような顧客からのメッセージが多いのかと、担当者による対応がすぐに開始されているかを確認できます。
3. 担当者に関する指標
各担当者の作業状況を確認できます。
- 対応済み件数と再開件数
- 一次返信までの平均時間
- 返信までの平均時間
- 割り当てまでの平均時間
こうした分析は、サポートサービスのスピードと質の向上のため、担当者に対して支援や指導を行う場合に役立ちます。
4. 対応時間に関する指標
やりとりの対応にかかった時間を確認できます。
- 一次返信までの平均時間、返信全体の平均時間、対応開始までの平均時間
- 全体として、一定の時間内で対応が行われているかを確認できます。
5. メッセージの送受信件数
メッセージの件数をステータスに基づいて確認できます。問い合わせの急増などがあれば早期に検知できます。また、件数が増減するパターンを知ることもできます。
トラブルシューティングのヒント
経路が連携されているかを確認します。ページを再読み込みしてみます。フィルターが設定されたままになっていないかを確認します。管理者が経路の状態を確認します。
インターネットに接続されているか、メッセージサービス側が設定している制限が影響していないか、顧客からブロックされていないか、担当者に適切な権限があるかを確認します。
よくある質問
はい、できます。連携しているメッセージサービスの経路で受信したメッセージはすべて1つの受信トレイに表示されるので、サービスの種類に関係なく同じ画面から返信できます。
はい、できます。管理者は、役職と権限の設定を通じて、ユーザーのアクセスや操作を制限できます。
いいえ、顧客には分かりません。顧客には、WhatsAppやFacebook Messengerなど、通常のサービスを直接利用しているように見えます。インスタントメッセージの受信トレイは、組織内でのみ利用します。
はい、できます。経路を無効にしても、過去のメッセージの表示や検索は可能です。
もちろん、安全です。インスタントメッセージの受信トレイは、アクセス権限の設定、暗号化、詳細な操作履歴の記録などの機能を備えており、データを安全に管理できます。