ブループリントの作成

ブループリントの作成

ブループリントを作成するには、主に3つの手順を実行します。 
  1. 基本情報の入力:
    ブループリントを作成する タブ レイアウト 項目 を指定します。
  2. 状態と遷移の流れ図の作成: 
    ブループリントの編集画面 で、業務フローの 開始状態 から 終了状態 まで、全体の流れ図(フローチャート)を作成します。次に、業務フローの各段階(ステップ、ステージ、フェーズ)として[状態]を並べます。また、各状態間を線と矢印でつなぎ、業務を進める流れとして[遷移]を作成します。
  3. 遷移の条件や処理の設定: 
    業務フローの中である状態から次の状態に進む条件として、 [遷移前] の条件を設定します。また、遷移を進める際に必要な対応を [遷移中] の設定で指定し、遷移を完了した後に実行する処理を [遷移後] の設定で指定します。 

手順1:基本情報の入力

  1. [設定] [プロセス管理] [ブループリント] の順に移動します。
  2. 画面右上の [ブループリントを作成する] をクリックします。
  3. ブループリントの作成 画面で、ブループリント名を入力し、対象のタブ、レイアウト、項目を選択します。
    こちらの機能は、チームタブでも利用可能です。チームタブの詳細については、「チームタブの利用」、「チームタブの設定」、「チームタブにおける自動化機能の利用」のヘルプ記事をご参照ください。

    例:商談のフォローアップの流れを表すブループリントを作成するため、 [商談] タブ、 [標準] レイアウト、 [ステージ] 項目を選択します。
  4. 必要に応じて、ブループリントを適用するデータの条件を設定します(例:総額 >= 50000)。
    条件を設定しない場合、レイアウトで作成されたすべてのデータにブループリントが適用されます。 [次へ] をクリックします。
Notes
メモ:
  • 画面右下にある [詳細設定] リンクをクリックすると、中断なしのブループリントとして作成できます。中断なしのブループリントは、途中で滞留や中断せずに、一気に連続して実行する業務フローを設定するものです。電話による営業対応フローなどに最適です(詳細は該当のヘルプ記事をご参照ください)。
  • ブループリントの基準項目は、以下のいずれかを使用して更新できます。
    • 遷移のAPI(Transition API)
    • ワークフローのAPI(Workflow API) 
    • ワークフロー内のカスタム関数 
    • ワークフローによる項目の更新処理
    • コマンドセンター機能による項目の更新処理

    なお、上記の3つの方法以外に、ブループリントの基準項目を更新する方法はありません。  

手順2:状態と遷移の流れ図の作成

  1. ブループリントの編集画面 に、業務フローに必要なすべての状態をドラッグ&ドロップで追加します。なお、各状態は、対象のタブの項目の中で、ステージ/ステップ/フェーズ/段階を表す選択リスト項目をもとに設定します。
  2. [状態]ブロック の周囲にある○印の接続点をクリックして、次の[状態]ブロックまでドラッグして線を伸ばし、状態間を接続します。すべての状態間を接続して、業務の流れ図(フローチャート)を完成させます。


    なお、 [開始] 状態は、選択した選択リスト項目の [なし] (-None-)の値に相当しますのでご注意ください。 
  3. 2つの状態の間をつなぐ線上にある [+] ボタンをクリックして、[遷移]を作成します。
    (不要になった遷移を削除するには、対象の遷移の線上で 右クリック し、表示された [遷移を削除する] メニューをクリックします)

ブループリントの作成例

上の図は、商談のフォローアップの業務フローの例をもとにブループリントを作成したものです。このブループリントが適用された商談データは、流れ図(フローチャート)の通りに状態を進んでいきます。

  1. 白色のブロックは、[状態](商談のステージ)を表します。
  2. それ以外のブロックは、[遷移](現在のステージを完了して次のステージに進める/遷移するために必要な条件や対応)を表します。
  3. 設定した各遷移は、データの詳細ページに、必要な処理を示すボタンとして表示されます。遷移の担当者は、ボタンをクリックして必要な処理を実行できます。
  4. [遷移]を完了するには、データの詳細ページにおいて遷移の実行ボタンをクリックし、表示された画面に記載されている内容を確認して必要な対応を実行します。
    たとえば、 [要件確認] という遷移用ボタンをクリックすると、ポップアップ画面が表示され、 この遷移を実行するのに必要な対応事項が表示されます。
    必要に応じて、並行遷移や複数の遷移を設定することも可能です。
    関連情報:並行遷移の設定と利用
  5. 必要な対応を行って遷移が完了すると、データはブループリントの次の状態に移行します。
  6. 共通遷移 を設定することも可能です。共通遷移には、ブループリントのすべての状態からの遷移が可能です。たとえば、商談はどのステージでも失注する可能性があります。失注への遷移を共通遷移として設定すると、すべての状態(ステージ)の商談データの詳細ページに失注ボタンが表示されます。
  • さまざまな業界でのブループリントの作成例(教育、不動産、保険など)は、 こちらをクリック してご参照ください。

手順3:遷移の条件や処理の設定

遷移は、業務の流れにおける状態の移り変わり、すなわち、業務が次の段階に進むことを表します。ブループリントでは、遷移は2つの状態間をつなぐ線上に表示されます。また、遷移の条件を設定することで、ある状態から次の状態に進むための条件を設定できます。なお、遷移の設定には、 [遷移前] [遷移中] [遷移後] の3つの設定があります。


たとえば、 [要件確認済み] [提案済み]という2つの状態間の遷移を見てみましょう。 この遷移に、 [提案] という名前を付けます。上記の例において、以下のような条件を満たせるように遷移を設定します。
Notesメモ :遷移名は、50文字以下にする必要があります。

  • [提案]の遷移を完了するには、営業担当者が [値引き率] [完了予定日] の項目を入力する必要があります。
  • この組織の営業方針では、値引き率は25%以下にする必要があります。
  • [提案] の遷移の実行時に、提案概要について知らせる通知メールを営業マネージャーに送信する必要があります。

上記の点を踏まえ、ブループリントの作成例を見てみましょう。

遷移前

  • [遷移前]の設定では、遷移を実行する 担当者 を指定します。
  • ブループリントが適用されているデータに対して、この遷移を実行するための [条件] を設定します。 
    例:[値引き調整]が[完了]
    この場合、 [値引き調整] 項目が [完了] に更新されたときにのみ、遷移用のボタンが表示されます。 
    遷移前の条件を指定しない場合は、[条件]の設定をスキップできます。この場合、遷移用のボタンはすべてのデータに表示されます。 

遷移中

[遷移中]の設定では、条件に応じて、特定の項目、メモ、添付ファイル、その他の情報を入力するように、遷移の担当者に対して求めることが可能です。これにより、業務を次に進める際に、必要な情報の入力などの対応を促すことができます。たとえば、商談のフォローアップにおいて、組織の営業方針に従って、営業担当者は値引き率とメモを入力し、見積書を添付する必要があるとします。この作業を確実に実行するように、 [提案] の遷移における [遷移中] 設定で、上記のすべての詳細の入力を必須にします。

[遷移中]に実施する作業として、担当者に対して必須に指定できる作業は次のとおりです。
  1. 対象タブまたは関連タブ内の特定の項目を入力する(対象としては複数選択ルックアップ項目や複数ユーザールックアップ項目も指定可能です。また、必要に応じて値の適切性も検証できます)
  2. チェックリストを完了する
  3. メモ、添付ファイル、タスク、予定、通話などの関連データを追加する
  4. タグを追加する
  5. ウィジェットで特定の操作を実行する
  6. キオスクで特定の操作を実行する
標準では、これらの作業は必須に設定されています。必要に応じて、任意に設定することもできます。
ただし、任意にする設定は、現在、特定のアカウントでのみ利用できます。他のアカウントでは、今後、段階的に利用可能になります。

また、[遷移中]タブでの設定では、遷移の実行画面に表示するメッセージを追加することもできます。メッセージは、遷移の担当者が遷移を実行する際に表示されます。
メモ:
  1. [遷移中]タブでの設定内容がポータルユーザーに適用されている場合でも、ポータルで利用できないデータについては、遷移の適用状況にかかわらずポータルユーザーに対しては表示されません。例:[活動]タブ、[解決方法]タブ、添付ファイル、タグ、担当者、ユーザールックアップ項目
  2. サンドボックスでは、ポータルユーザーを遷移の担当者として追加することはできません。
  3. 遷移画面で表示する項目の順番については、上下の矢印を使用して並べ替えることができます。また、差し込み項目を使用して、Zoho CRMに保存されているデータを画面に表示することも可能です。
以下では、[遷移中]タブでの設定内容の詳細について説明します。

対象タブや関連タブの項目の追加と検証

遷移の設定で入力項目を追加することで、営業担当者が業務を進める中で、適切なタイミングで必要な情報を入力するよう促すことができます。項目を追加するにあたって、該当の項目を必須または任意に設定することが可能です。なお、追加できる項目は、ブループリントの対象タブまたはその関連タブの項目です。


たとえば、商談のフォローアップの業務フローの例では、[提案]ステージで次の入力項目を追加し、必須に設定できます。
  1. 値引き率
  2. 関連する取引先名
  3. 関連する取引先の年間売上
  4. 関連する連絡先の役職と電話番号

また、次のような項目を追加し、任意に設定することが可能です。

  1. 取引条件
  2. フォローアップ期限
  3. 成果指標
[遷移中]の設定で入力項目として対象タブ/関連タブの項目を追加するには
  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。

  2. 表示された選択肢から、[項目]を選択します。
  3. ドロップダウンから、追加対象の項目があるタブを選択します。
  4. 追加する項目を選択します。選択すると、該当の項目が[遷移中]タブに追加されます。
  5. [設定]のドロップダウンで、[必須]または[任意]のいずれかを選択します。
  6. 該当の項目に入力された値を検証する場合は、[+ 検証]をクリックして条件を設定し、通知メッセージを入力します。
  7. 必要な項目の数だけ、この操作を繰り返します。
項目への入力を必須または任意に設定するには
  1. [遷移中]タブに移動します。
  2. 対象の項目に移動します。
  3. [設定]のドロップダウンで、[必須]または[任意]のいずれかを選択します。
    必要な項目の数だけ、この操作を繰り返します。

メモ:レイアウトルールが適用された場合は、レイアウトルールを通じて必須に設定された項目も遷移時の画面に表示されます。



項目の検証
項目の値の検証条件を設定して、条件を満たした値のみが必ず入力されるように制限することが可能です。
例:値引き率は必ず20%以下にする
完了予定日は必ず30日以内にする

[遷移中]タブで項目値に対する検証を設定するには
  1. [遷移中]タブに移動します。
  2. 対象の項目に移動します。
  3. [+ 検証]をクリックします。
  4. 項目の検証の条件の入力欄で、条件と通知メッセージを入力します。
  5. [完了する]をクリックします。
    必要な項目の数だけ、この操作を繰り返します。
メモ
  1. 必要に応じて、複数選択ルックアップ項目複数ユーザールックアップ項目をブループリントに追加することもできます(単一ユーザールックアップ項目も含む)。ただし、これらの項目を検証対象に設定することはできません
  2. 遷移における項目入力の必須/任意の設定は、次の内容に基づきます。
    1. 対象の項目自体の設定で必須に設定されているかどうか
    2. レイアウトルールで必須に設定されているかどうか
    3. ブループリントの遷移の設定で必須に設定されているかどうか
  3. 上記のうちいずれかが必須の場合、該当の項目は必須に設定されます。

チェックリストの追加

チェックリストとは、ある時点において確認や対応すべきことをリスト形式でまとめたものです。ToDoリスト、やることリストなどとも呼ばれます。ブループリントにおいてチェックリストを活用すると、あるステージから次のステージに進む遷移に必要な確認事項や対応事項を、リスト形式で見やすく表示してきめ細やかに管理できます。


なお、チェックリストは、[遷移中]タブの設定で追加します。追加したチェックリストは、遷移の実行時に、遷移の担当者に対して表示されます。また、チェックリストを追加するにあたって、リストの各内容(作業項目)を必須/任意に設定することも可能です。

たとえば、商談のフォローアップの業務フローの例では、[提案]の遷移のチェックリストとして、次のような内容を追加できます。

  • 値引き率を確定する
  • 提案文書を添付する
  • 競合他社の値引き率を確認して記録する
  • 提案内容についてのメモを作成する

チェックリストを追加するには

  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。
  2. [チェックリスト]を選択します。表示されるチェックリストの欄をクリックします。
  3. チェックリストの件名を入力します。
  4. チェックリストの内容を入力し、必須または任意に設定します。


    設定した内容をもとに、遷移の担当者に対してチェックリストが表示されます。遷移の担当者がチェックリストのすべての作業項目を完了した(すべての作業項目にチェックを入れた)場合のみ、ブループリントの次の状態に進むことができます。

関連データの追加

遷移を実行して業務を先に進める際の作業内容として、項目の入力とチェックリストの完了に加えて、関連データの作成を行うよう設定することが可能です。具体的には、以下のデータの作成を行うよう設定できます。
  • タスク
  • メモ
  • 添付ファイル
  • 予定 
  • 通話
  • 見積書
  • 受注書
  • 問い合わせ
例:
  1. 値引き率が承認されて商談のステージが[提案]になったときに、営業担当者は見積書を作成し、顧客との打ち合わせの予定を登録するとします。この場合、[遷移中]の設定で、関連データの作成として[見積書の作成]、[予定の登録]を必須にすることが可能です。
  2. 業務フローのさまざまな段階で、追加情報の共有が必要になる場合があります。たとえば、営業担当者が特定の値引き率を入力した理由、特定のタスクが保留にされた理由を補足する場合などです。このような追加情報は[メモ]として追加できます。また、[遷移中]の設定で、遷移の担当者によるメモの追加を必須にすることが可能です。
  3. 業務フローを進める中では、段階ごとにさまざまな文書を管理する必要が出てきます。たとえば、要件確認時の秘密保持契約書(NDA)、提案時の提案書や見積書、受注時の受注書や請求書などです。ブループリントの遷移において、このような文書ファイルの添付を必須にすることが可能です。

関連データの追加処理を設定するには

  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。
  2. 表示された選択肢から、[関連データ]を選択します。
  3. [関連データ]のドロップダウンから、対象のデータの種類を選択します。
  4. 選択した内容が[遷移中]タブに追加されます。
メモ
  1. 以下の種類の関連データについては、遷移時に追加することを必須または任意に設定できます。
    1. メモ
    2. 添付ファイル

  2. 一部の関連データにおいては、システムによって必須項目があらかじめ設定されています。必要に応じて他の項目を追加し、必須または任意に設定することが可能です。また、検証の設定を行うこともできます。この設定が可能な関連データの種類は、以下のとおりです。
  1. タスク
  2. 予定 
  3. 通話
  4. 見積書
  5. 受注書
  6. 問い合わせ

遷移の担当者に対して表示するメッセージの追加

担当者が業務を効率的に進めるようにするためには、手順や必要な情報を明確に伝える必要があります。担当者が業務を進めようとしたときにメッセージを表示することで、担当者が対応すべきことを簡単に把握できるようになります。


遷移の担当者に対して表示するメッセージを追加するには

  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。
  2. [メッセージ]を選択し、テキスト欄([通知メッセージ]と記載されている箇所)をクリックします。
  3. 入力欄にメッセージを入力します。なお、差し込み項目を使用して、Zoho CRMに保存されているデータを挿入することも可能です。

タグの追加

担当者に対してタグの追加を促すことができます。

遷移の担当者に対してタグの追加を促すには
  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。
  2. [タグ]を選択し、タグの入力欄をクリックします。

  3. [設定]のドロップダウンで、[必須]または[任意]のいずれかを選択します。

ウィジェットの追加

ブループリントの[遷移中]の設定では、ウィジェット(拡張機能)を使用したデータ入力を必須にすることもできます。   
 
必須にすると、担当者は遷移の実行時に、指定されたウィジェットを通じてデータを入力する必要があります。ウィジェットによるデータ入力では、テキストや数値などの項目への入力だけでなく、専用のウィジェットを使用してさまざまなデータの入力を促すことが可能です。たとえば、地図上での位置情報の入力や、カレンダーでの予約の登録を必須に設定することができます。


ウィジェットを追加するには
  1. [遷移中]タブで、下部にある[+ 追加する]をクリックします。
  2. [ウィジェット]を選択し、[続ける]をクリックします。
    ウィジェットを追加すると、[遷移中]タブで設定されている既存の項目はすべて削除されますのでご注意ください。
  3. [インストールする]をクリックし、既存のウィジェットを追加します。新しく作成する場合は、[+ 新しいウィジェットを追加する]
    なお、ウィジェットの追加後は、該当の遷移の[遷移中]タブに他の項目を追加できなくなります。

以下の画像は、地図を表示するウィジェットの例です。

キオスクの追加

キオスクを利用することで、ブループリント内の特定の状態における担当者の業務をさらに効率化できます。 

キオスクでは、Zoho CRM内の標準機能だけではカバーしづらい業務に対応できます。具体的には、自社の業務フローに合わせて一連の作業を実行するための画面を設計して表示できます。複数のタブにおける処理をまとめて実行するような設定も可能です。たとえば、問い合わせをしてきた人の名前をもとに見込み客データを検索し、該当者のデータがすでにある場合は関連情報を表示して問い合わせ内容や対応担当者を入力する画面に移動し、データがまだない場合は新しいデータを作成する画面に移動するといった処理が可能です。また、一連の流れの中で、他のタブのデータを検索や追加したり、特定の項目の値を更新したり、メールを送信したり、関数を実行したりといった処理も可能で、作業の流れを柔軟に設計できます。


メモ:
この機能は、Zoho CRMの エンタープライズプラン 以上のプランでのみ利用できます

遷移後 

[遷移後]の設定では、遷移の完了時に自動で実行する 処理 を設定します。[遷移後]の設定で自動化できる処理は、次のとおりです。

  • メール通知の送信
  • タスクの割り当て
  • 予定の作成
  • 通話の予約
  • 項目の更新
  • データの作成
  • Web通知の実行
  • カスタム関数の実行
  • タグの追加
  • データの変換(見込み客/見積書タブのみ) 

たとえば、商談のフォローアップの業務フローにおいて、値引きの承認申請時に、営業マネージャーにメール通知を送信する必要があるとします。これを設定するには、 [メール通知] を選択し、メールの受信者とメールテンプレートを関連付けます。

ブループリントにおける遷移の[遷移前]、[遷移中]、[遷移後]の基本的な設定については以上です。以下では、遷移をより便利に活用するための機能について説明します。

共通遷移

共通遷移とは、業務フロー内のどの状態からでも実行できる遷移です。 

活用方法について、商談のフォローアップの業務フローを例に説明します。通常、商談データは[要件確認]、[提案]、[値引き調整]などの複数のステージを経た後に、最終的に[受注]または[失注]に遷移します。そのため、 [失注処理] の遷移は、業務フローの終盤に設定します。ただし、顧客が関心を示さず、[要件確認]のステージで商談のフォローアップを終了する場合もあります。このような場合に、途中のステージ(状態)をすべて経てから[失注処理]の遷移を実行するのでは、余計な手間がかかってしまいます。したがって、どのステージからでも直接、 [失注処理] の遷移を実行できるよう、[共通遷移]として設定すると便利です。

この設定は、下の図のとおり、[共通遷移]のチェックボックスをクリックして有効にするだけです。これにより、どの状態のデータの詳細ページにおいても [失注処理] の遷移ボタンが表示され、いつでも遷移してフローを完了できるようになります。 


自動遷移

自動遷移では、遷移を手動で進める手間や時間を省くことができます。日々の業務においては、見込み客や顧客への対応が進まず、ブループリントで設定している業務フローが特定の状態から進まなくなることもあります。担当者は、このような状態に気づかないことがあり、結果として対応が遅れる場合があります。この問題への対処方法として、一定期間が経過した際に担当者に通知を送信するようにSLA(対応期限や基準)を設定する方法があります(SLAの設定方法については、下記の章をご参照ください)。

この対処方法では、通知を送信したり、タスクの割り当て/項目の更新などの処理を行ったりすることはできますが、業務フローを進めるには手動で操作する必要があります。このように手間は少しかかりますが、状態が進まないときに通知のみを希望する場合は、SLAの設定が比較的シンプルでお勧めです。一方、一定期間が経過した際に、単に通知を送信するだけではなく、別の状態に自動で進む(遷移する)ように処理を設定したい場合は、自動遷移の設定が役立ちます。

自動遷移の主な流れ
自動遷移では、指定した期間が経過したときに、ブループリント内の状態を別の状態に自動で進める(遷移する)ことができます。
たとえば、状態「A」は遷移「X」を通じて状態「B」に進むとします。通常は、状態「A」から状態「B」に進むには、担当者が遷移「X」を手動で実施する必要があります。自動遷移では、一定期間(例:5日間)遷移「X」が実施されなかった場合に、状態「B」以外の状態に自動で進むように設定することが可能です。

たとえば、ブループリント内の[連絡済み]の状態において自動遷移を設定したとします。[連絡済み]の状態のデータの詳細ページには、次の状態に進むための遷移(ボタン)として、[要件確認]と[失注処理]のが表示されています。上記の遷移の処理が一定期間行われなかった場合、ブループリントが適用されているデータの状態は、[連絡済み]の次の状態である[要件整理中]に自動で進みます。

自動遷移を設定するには

遷移を作成する際に、 [自動遷移] のチェックボックスにチェックを入れます。

作成した遷移を保存し、 [実行タイミング] を指定して、実施する処理を選択します。

以下の画像は、商談対応のブループリントの例です。このブループリントには、[見積もりの提示]の状態に進める(遷移する)までに、[連絡開始]、[連絡済み]、[要件整理中]、[ニーズの分析中]、[提案済み]の各状態があります。ここで、ある程度確度の高い見込み客については、連絡してから5日間経過したら、そのまま見積書の作成に進むとします。設定としては、見込み客データが[連絡済み]の状態に遷移し、その後同じ状態のまま5日間経過すると、[連絡済み]の状態から[見積もり準備]の状態まで自動で遷移するようにします。これにより、担当者は、見積書の作成をタイムリーに開始できます。


通常は、見積書を作成する際に、要件や詳細情報を把握する必要があります。しかし、初回の連絡時から要件がすでに明確である場合や過去に取引があり確度が高いと見込まれる場合などは、要件確認などの段階(状態)をスキップできます。このような場合に、自動遷移を通じて手間や時間を省くことが可能です。      

同じ状態の繰り返し(ループ)

業務フローにおいて、同じ手順を複数回繰り返す(ループさせる)場合もあります。一般的な例としては、見込み客に連絡をとる場合などです。たとえば、見込み客の要件を把握するために、何度も電話をかける場合です。電話をかけても、見込み客が不在であったり、都合が悪くかけ直しをお願いされたりする場合もよくあります。見込み客に連絡が取れない限り、次の段階(状態)に進むことはできません。したがって、見込み客が電話に応じてくれない限り、該当の見込み客データの状態は同じまま滞留します。ただし、同じ状態で滞留しているからといって、業務がまったく進んでいないわけではありません。次の段階(状態)に進めるために、電話による営業活動を複数回行う必要があるだけです。

このような場合に、活動結果や状況に応じてまた同じ状態に「戻る」遷移を作成できます。つまり、必要に応じて同じ遷移を繰り返すことが可能です。たとえば、フォローアップの業務フローにおいて、下の図のとおり、[連絡開始](Attempted to contact)の状態から[連絡済み](Customer Available)の状態に進むまでに、[再連絡](Retry contacting)の遷移を何度も実行できます

遷移の色分けとボタンの並べ替え

ブループリント機能を利用することで、組織の業務プロセスを円滑に進めることができます。ただし、そのためには、ブループリント機能を正しく利用する必要があります。ブループリントに複数の遷移やステージが設定されている場合や、ブループリントが適用されているデータがたくさんある場合、データの遷移を適切に進めて管理するのには手間がかかります。また、操作画面上に遷移のボタン(次の状態に進むためのボタン)が複数表示されている場合、その中から操作対象を特定するのは大変です。このような課題を解決するため、Zoho CRMでは遷移を色分けしたり、遷移のボタンを並べ替えたりすることができます。これにより、ブループリント機能をより分かりやすく利用することが可能です。この設定は、データの詳細ページに遷移のボタンが設定されている場合に特に役立ちます。

遷移の色分け

プロセス内の特定の状態(ステップ、ステージ、フェーズ)において、複数の遷移が設定されているとします。これまで、これらの遷移はすべて同じ色で表示されていたため、見分けるのが手間でした。たとえば、商談の[見積もり]のステージの場合、[承認]、[却下]、[保留]、[担当変更]などの遷移が、種類や意味合いが異なってもすべての同じ色で表示されていました。

担当者に対してこれらの遷移がすべて同じ色で表示される場合、見分けるのが大変だったり、異なる遷移を進めてしまったりする可能性があります。

このような場合に備えて、Zoho CRMでは遷移を色分けして表示することができます。たとえば、[承認]の遷移を緑、[却下]の遷移を赤、[保留]、[担当変更]の遷移をオレンジなどで表示することで、よりわかりやすくすることが可能です。







色分けの方法

ブループリントの遷移を設定する際に、パレットから色を選択し、遷移に対して適用することができます。


色を指定する際には、16進数のカラーコードを入力することも可能です。要件に合わせて遷移の色をカスタマイズできます。





遷移のボタンの並べ替え

必要に応じて、データの詳細ページに表示する遷移のボタンの順番を変更することができます。
変更するには、対象の遷移が設定されている状態にカーソルを合わせて、遷移の並べ替えのアイコンをクリックします。画面右側の欄で遷移を並べ替えて、[保存する]をクリックします。



メモ:
  1. 遷移の並べ替えのアイコンは、該当の状態に複数の遷移が設定されている場合にのみ表示されます。
  2. キャンバスの編集画面では、ブループリントのウィジェットはまとまった1つの要素として表示されます。そのため、キャンバス内において、ブループリントの遷移の色分けや遷移のボタンの並べ替えの画面は表示されません。キャンバスでブループリントのウィジェットを移動することはできますが、ウィジェットの内容を編集することはできません。遷移の色分けやボタンの並べ替えを行うには、ブループリントの編集画面から行う必要があります。

特定の状態における対応期限(SLA)の設定 

業務を滞りなく進めるには、期限通りに完了するように管理することが重要です。これには、SLAの設定機能が役立ちます。「SLA」(Service Level Agreement)とは、一般的には、サービス提供者と顧客の間で、サービスの提供内容や期限など、品質や対応基準について合意する契約のことです。Zoho CRMのブループリント機能における「SLA」は、データが特定の状態に留まることができる期間の上限を設定する機能です。たとえば、商談が[要件確認]の状態(ステージ)に長期間留まっている場合は、営業マネージャーや担当者に通知し、対応を促す必要があります。ただし、具体的に期間はどのくらいか、また、誰に通知して、どのような対応が必要かなどの詳細を、決めておく必要があります。SLA機能を利用することで、これらの詳細をブループリントに設定し、業務フローに反映できます。SLAの設定により、データが特定の状態のまま、設定した期間を超えたときに、指定したユーザーに通知が送信されます。これにより、業務の進捗状況を把握し、期限通りに作業を進めるよう促すことができます。 

特定の状態における対応期限(SLA)を設定するには 
  1. ブループリントの編集画面で、対応期限(SLA)を設定する[状態]をクリックします(例: [提案]の状態)。                       
  2. 商談を [提案] の状態のままにしておくことが可能な期間の上限を設定します(例:5日)。 
  3. その状態における対応事項の期限を超えた場合に、通知するユーザーと通知するタイミングを入力します 
    (例:[提案]の状態のままで次に進まずに5日間経過したらデータの担当者に通知する)。 
  4. 上記の初期設定の通知に加えて、対応期限の前/後に送信する通知を、追加で設定できます 

(例:対応期限の2時間前に、データの担当者に通知する)。

これにより、期限超過になる前に、迅速に対応できます。
また、通知の送信と同時に、処理を実行することも可能です。
SLAを通じて実行できる処理 の内容としては、メール通知の送信、タスクの割り当て、項目の更新、Web通知の実行、関数の実行などを設定できます。 

たとえば、商談データが[提案]の状態に期限(5日間)を超えて留まっている場合に、通知を送信するとします。このとき、通知を送信するだけでなく、担当者に迅速な対応を促すために、追加で[緊急度]項目を「高」に自動更新するよう、項目の更新の処理を設定することも可能です。これにより、担当者は通知を受けて、[緊急度]項目が「高」のデータを抽出し、優先的に対応できます。

メモ:
SLAの処理の設定は、Zoho CRMの エンタープライズプラン 以上のプランで利用できます。  

複数のデータに対するデータブループリントの一括適用/適用解除

フィルター機能を利用することで、複数のデータに対してブループリントを一括して適用したり、適用を解除したりできます。この機能は、以下の場合に役立ちます。
  1. 複数の既存のデータに対して、新しく作成したブループリントを適用したい。
  2. 特定のブループリントから別のブループリントに複数のデータを移行したい。
  3. ブループリントが適用されている複数のデータに関して、適用を解除したい。
複数のデータに対するブループリントの適用/適用解除を行うには、以下の手順を実施します。
  1. [設定]→[プロセス管理]→[ブループリント]の順に移動します。
  2. [フィルター]タブをクリックします。
  3. [含める]または[除外する]をクリックします。
  4. 対象のタブレイアウトブループリントを選択します。
  5. 適用/適用解除する条件を指定します。
  6. [検索する]をクリックします。

  7. 適用/適用解除するデータを選択します。
  8. [含める]または[除外する]をクリックします。
ブループリントに対するデータの適用/適用解除が完了した旨のメッセージが表示されます。

サンドボックス(テスト環境)でのブループリントの作成

ブループリントの作成時や修正時には、業務フローを確定して実際のデータに対して適用する前に、ブループリントの設定内容が適切かどうかを確認する必要がある場合があります。Zoho CRMでは、「サンドボックス」と呼ばれるテスト環境を利用できます。こちらで、実際のデータに影響を与えることなく、ブループリントの動作を確認できます。
関連情報 :  サンドボックス(テスト環境)

ブループリントの作成例

ブループリントは、業種や商材、用途や目的、対象業務などに応じて柔軟に設定できます。たとえば、教育、不動産、保険、銀行、金融などの業界特有の業務フローに応じて設定することが可能です。以下のスライドでは、ブループリントの具体的な作成例をいくつかご紹介しています。要件に応じて、状態/遷移/フローの微調整は必要ですが、ブループリントを効率的に作成するためのひな形として、ご参照ください。



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