メール分析

メール分析

メールは、顧客とのコミュニケーションにおいて非常に重要です。一方、Zoho CRMで顧客に送信するメールが増えるにつれ、各メールに対する反応を把握し、必要な対応を行うことが難しくなってきます。顧客がメールを開封したか、メール内のリンクをクリックしたか、メールが未開封の場合にどのような理由が考えられるか、といった情報の把握は簡単ではありません。

一方、メールに対する顧客の反応を丁寧に確認することで、メールを通じた営業活動が順調に進んでいるかどうかを判断できます。また、今後の営業活動を計画するのにも役立ちます。

Zoho CRMのメール分析機能を使用すると、送信メールに対する顧客の反応を簡単に計測できます。メール分析機能では、次のことが可能です。

  • 見込み客/連絡先/商談の詳細ページでのメールへの反応(開封、クリック、不達など)の確認
  • 見込み客/連絡先/商談の一覧ページでのメール送信状況(送信済み、下書き、送信予約中などのステータス)に基づくデータのフィルター抽出
  • メールの分析レポートの確認
  • メールテンプレートごとの分析グラフ(バージョン別の開封率、クリック率などのグラフ)の確認

メール分析の有効化

利用条件
必要な権限:
管理者権限を持つユーザーが、メール分析機能を利用できます。
 
メモ:
  • スタンダードプランでは、顧客ごとにメールへの反応(開封、クリック、不達など)を確認することは可能ですが、分析レポートを利用することはできません。
  • また、スタンダードプランでは、データの一覧(ビュー)画面で詳細フィルターに設定可能な[メールの状況]項目に制限があります。

メール分析機能を有効にするには

  1. Zoho CRMアカウントにログインし、[設定][チャネル][メール][メール分析]タブの順に移動します。
  2. メール分析の画面で、 [メール分析]設定の横にある切り替えスイッチをクリックして、有効にします。


メモ:
  • メール分析機能は、Zoho CRMの初期設定では有効になっています。
  • 送信メールに対する顧客の反応は、過去100日間分のみ取得可能です。
  • [宛先]、[CC]、[BCC]欄で複数の受信者を宛先に指定して送信したメールは、分析対象外になります。

顧客ごとのメールへの反応の確認(開封、クリック、不達など)

特定の顧客とのメールのやりとりは、該当の顧客データの詳細ページにおいて関連情報として確認できます。具体的には、[見込み客][連絡先][商談]の詳細ページの下部に表示される[メール]の関連リストで、各メールのステータスを確認できます。

メールへの反応の詳細を確認するには

  1. 対象のタブに移動します。
  2. メールへの反応を表示するデータをクリックします。
  3. データの詳細ページで、画面を下にスクロールして、[メール]の関連リストに移動します。
    メールの送信後、一覧の[ステータス]列に次の4つのいずれかが表示されます。
    • 到達:メールが受信者に到達した。
    • 不達:メールが受信者に到達しなかった。
    • 開封:メールが受信者によって開封された。
      [開封]の文字にカーソルを合わせると、開封に関する以下の詳細情報が表示されます。
      • メールが開封された回数の合計
      • メールが最初に開封された日時
      • メールが最後に開封された日時



    • クリック:メール内のリンクが受信者によってクリックされた。
      [クリック]の文字にカーソルを合わせると、クリックに関する以下の詳細情報が表示されます。
      • メールが開封された回数の合計
      • メールが最初に開封された日時と最後に開封された日時
      • メールがクリックされた回数の合計
      • メールが最初にクリックされた日時
      • メールが最後にクリックされた日時



メモ:
  • [到達]とは、メールが不達にならずに、受信者に到達したことを表します。 
  • 送信したメールに記載されたリンクを送信者自身がクリックした場合、該当のメールは、開封されたメールとしても集計されます。

Zoho CRMから送信したメールへの反応の計測の仕組み

Zoho CRMでは、送信したメール内の画像が読み込まれたかどうかを識別する方法により、顧客の反応を計測しています。Zoho CRMで送信するHTML形式のメールの下部には、1ピクセルの小さな画像が組み込まれます(Webビーコン)。受信者がメールを開封し、メール内の画像を表示すると、この小さな画像がサーバーからダウンロードされます。このダウンロード情報によって、Zoho CRMではメールの開封を計測できます。

この方法は、メールの反応を計測する方法として、一般的によく使用されています。ただし、使用にはいくつかの制限があります。留意事項は次のとおりです。

  • 画像の読み込み(ダウンロード)情報をもとに反応を計測するため、HTML形式のメールでのみ有効です。このため、テキスト形式のメールへの反応は、Zoho CRMでは計測できません。
  • メールの開封が計測されるのは、メールの受信者がメール内の画像を表示した(画像のダウンロードを有効にした)場合のみです。メール内の画像の表示(ダウンロード)が無効になっている場合は、メールの開封は計測されません。
    メールへの反応の計測の正確性をより高めるには、顧客に対して、メール内の画像の表示を有効にするよう依頼することをお勧めします。また、送信したメールが迷惑メールとして振り分けられないように、差出人として使用するメールアドレスを、受信者のアドレス帳(連絡先)や受信許可対象のリスト(ホワイトリスト)に追加してもらうよう依頼することもお勧めします。

メールのステータス別のデータの抽出

Zoho CRMでデータを検索/抽出する際、該当のデータの項目だけではなく、関連するデータをもとに検索/抽出条件を設定することが可能です(例:見込み客に関連付けられているタスクの情報をもとに検索する)。

また、メール分析の機能を有効にすると、メールのステータスを検索条件として使用することもできます。たとえば、「過去3日間にメールを開封した連絡先」や、「メールが送信されたものの今週開封していない連絡先」などを検索できます。

メモ:
例:顧客にメールを送信した次の日に、前日のメールに対する返信とは別に、新しいメールを顧客から受信したとします。この場合、メールのステータスは[受信]となり、[送信]にはなりません。これは、該当の顧客データの最終更新の内容は「メールの受信」であるためです。したがって、以前に送信したメールのステータスが、最新のメールのステータスによって上書きされます。 


フィルターの条件としてメールのステータスを使用する例:

  1. 過去2日間に送信したメールをまだ開封していない連絡先



  2. 過去2日間に送信したメールが不達になった見込み客



  3. 過去2日間に送信したメールをクリックした見込み客



  4. 過去2日間に送信したメールに返信した見込み客/過去2日間に送信したメールを開封したが返信していない見込み客



メールのステータスを使用した条件を、他の条件と組み合わせることで、より詳細なデータの抽出が可能です。たとえば、次の例を見てみましょう。

商談の抽出

  • 今月完了予定の商談(かつ)
  • 過去2日間に送信したメールに対して返信があった(商談に関連付けられている連絡先から返信があった)


このように、メールへの反応をもとに抽出した商談を対象にして、フォローアップを行うことができます。また、対象をさらに絞り込むため、商談の[総額]を検索条件に追加することも可能です(例:商談総額が50万円以上)。このようにして、対象の商談をさまざまな条件で簡単に絞り込み、迅速に対応することができます。

さらに、抽出したデータに対して、一括更新/一括メール送信/マクロの実行などの一括処理を実行することも可能です。



このように、検索条件にメールのステータスを使用することで、より確度の高い見込み客や商談のデータの抽出が可能になります。


メールのレポートの表示

Zoho CRMアカウントでメール分析の機能を有効にすると、以下のメールのレポートを利用できるようになります。

  • メールの分析
  • メールと通話の分析
  • 送信メールの状況
  • 開封率が上位10件のテンプレート
  • クリック率が上位10件のテンプレート
  • 上位10人のユーザー

メールの分析

メールの分析のレポートでは、Zoho CRMから送信したメールの統計を確認できます([セールスインボックス]タブから送信したメールも対象に含まれます)。メールの分析のレポートでは、日付、テンプレート、タブ、ユーザーに基づいたメールのステータスの概要を確認できます。

メールの分析のレポートを確認するには

  1. [レポート]タブをクリックします。
  2. 左側のフォルダーの一覧から[メールのレポート]を選択します。
  3. [メールのレポート]フォルダーで、[メールの分析]レポートをクリックします。



  4. [メールの分析]レポートの表示画面で、右上にある[編集する]をクリックし、編集画面を開きます。左側の[フィルター]メニューで、抽出条件を選択できます(例:日付の範囲ユーザーなど)。



  5. 抽出条件を適用すると、条件に一致するメールの統計を次の2種類のレポートで表示できます。
    • 要約レポート:レポートの編集画面の[列]の設定で、グループ化する基準を選択することで、指定した期間における統計情報の要約レポートが表示されます。



    • 詳細レポート:指定した期間における統計情報のすべてのデータが、表形式でレポートに表示されます。詳細レポート内の数値の合計は、要約レポートに表示されている合計と等しくなります。




要約レポートと詳細レポートの各列には、メールの各ステータスの統計が表示されます。

  • 送信:Zoho CRMから送信したメールの件数の合計です([セールスインボックス]タブから送信したメールも含まれます)。
    Gmail、Zoho Mailなど、Zoho CRM以外のメールサービスから直接送信されたメール(Zoho CRM外から送信されたメール)は、反応の追跡/計測の対象外です。 

  • 不達:受信者に到達しなかったメールの件数の合計です。

  • 追跡中:Zoho CRMで追跡しているメールの件数の合計です。追跡中のメールに関してのみ、Zoho CRMで開封やクリックの状況を確認できます。
    通常は、Zoho CRMで送信したすべてのメールが追跡されます。追跡できていないメールがある場合、送信メールの総数、および[追跡中]のメールの件数をもとに、実際に追跡されているメールの割合を把握できます。なお、[追跡中]のメールの件数は、[送信]メールの件数の合計以下になります。

  • 追跡中の不達:[追跡中]のメールのうち、受信者に到達しなかったメールの件数の合計です。したがって、[追跡中の不達]のメールの件数は、[不達]メールの件数の合計以下になります。なお。感嘆符[!]アイコンの表示により、不達の種類(恒久的な不達/一時的な不達)を判別できます(関連情報:メールの不達)。



  • 開封:受信者によって開封されたメールの件数です。
  • クリックあり:受信者によってリンクがクリックされたメールの件数です。
  • 受信:受信者から受信したメールの件数です(こちらから送信したメールへの返信ではなく、新たに受信者側から送信されたメールの受信件数)。
  • 返信あり:受信者から返信があったメールの件数です。
  • 返信済み:担当者が返信したメールの件数です。 
メモ:
  • メール分析機能の設定を無効にした場合、メールの追跡は実行されません。
  • [返信済み]のステータスを利用できるのは、組織アカウントで新バージョンのレポート機能を有効にした場合のみです。 

メールと通話の分析

メールと通話の分析のレポートでは、指定した期間で営業担当者が発着信した通話や送受信したメールの件数の合計を把握できます。これらの統計は、顧客とのコミュニケーションの効果を測定するのに役立ちます。

メールと通話の分析レポートを表示するには

  1. [レポート]タブをクリックします。
  2. 左側のフォルダーの一覧から[メールのレポート]を選択します。
  3. [メールのレポート]フォルダーで、[メールと通話の分析レポート]をクリックします。
  4. メールと通話の分析レポートの表示画面で、右上の[編集する]をクリックし、レポートの抽出条件を入力します。



    [日付][ユーザー][日付とユーザー]などの項目によるグループ化が可能です。また、[日付]によるグループ化を選択した場合に、集計単位として[日付別][週別][月別][年別][会計年度別]などから選択して設定できます。

  5. 抽出条件を適用すると、条件に一致するメールの統計を次の2種類のレポートで表示できます。
    • 要約レポート:レポートの編集画面の[列]の設定で、グループ化する基準を選択することで、指定した期間における統計情報の要約レポートが表示されます。



    • 詳細レポート:指定した期間における統計情報のすべてのデータが、表形式でレポートに表示されます。詳細レポート内の数値の合計は、要約レポートに表示されている合計と等しくなります。



メールと通話の分析のレポートの各列には、メールと通話の各ステータスの統計が表示されます。

  • 送信:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが送信したメールの件数の合計です。
  • 受信選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが受信したメールの件数の合計です。
  • 返信済み:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが返信したメールの件数の合計です。
  • 応答あり:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザー発信して応答があった通話の件数の合計です。
  • 応答なし:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが発信して応答がなかった通話の件数の合計です。
  • 着信:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが着信して応答した通話の件数の合計です。
  • 不在着信:選択した期間において、選択したZoho CRMユーザーが着信して応答しなかった通話の件数の合計です。
  • 通話時間の合計(分):発信と着信の通話時間の合計です。

送信メールの状況

送信メールの状況のレポートには、Zoho CRMで送信したメールの一覧が表示されます。 

このレポートには、Zoho CRM以外のメールサービス(例:Gmail、Zoho Mail)から送信したメールは表示されません。

送信メールの状況のレポートを表示するには

  1. [レポート]タブをクリックします。
  2. 左側のフォルダーの一覧から[メールのレポート]を選択します。
  3. [メールのレポート]フォルダーで、[送信メールの状況]をクリックします。
  4. [送信メールの状況]のレポートの表示画面、には、次のようなレポートが表示されます。



    レポートの[フィルター]機能を使用して、特定の日付の範囲のレポートを表示できます。



レポートの編集エクスポートメール送信も可能です。

[メールのレポート]フォルダーに表示されるその他のレポートは次のとおりです。

  • [上位10人のユーザー]のレポートには、ユーザーが送信したメールの件数に基づいて、上位10名分のメールの統計が表示されます。
  • [クリック率が上位10件のテンプレート]のレポートには、テンプレートのクリック率に基づいて、上位10件分のメールの統計が表示されます。
  • [開封率が上位10件のテンプレート]のレポートには、テンプレートの開封率に基づいて、上位10件分のメールの統計が表示されます。

メールテンプレートの分析

メールテンプレートの分析機能では、各メールテンプレートの統計(到達数、開封数、開封率、クリック数、クリック率など)を確認でき、どのテンプレートが効果的かを把握できます。

また、同じメールテンプレートのバージョン別の統計から、変更内容が顧客の反応にどのような影響を与えたかを確認することも可能です。なお、メールテンプレートの内容を変更すると、新しいバージョンが自動で作成され、バージョンごとに統計情報が記録されます。

たとえば、既存顧客向けのメールテンプレートを作成したとします。メールの件名を「再来店時のお得なクーポンのご案内」から「大事なお客様専用クーポンのご案内です」に変更すると、開封率が異なるかもしれません。そおで、メールテンプレートに2つのバージョンを作成して送信し、それぞれの反応を比較することで、変更の効果を確認できます。

メールテンプレートの分析レポートを確認するには

  1. Zoho CRMアカウントにログインし、 [設定]に移動します。
  2. [カスタマイズ]のメニューから、[テンプレート]→[メール]の順にクリックします。
  3. メールテンプレートの一覧画面で、フォルダーごとにメールテンプレートの一覧が表示されます。
  4. 対象のメールテンプレートの[統計]列で、数値をクリックします。



表示された画面の[分析]タブで、[開封率]、[クリック率]、[バージョン]のタブを切り替えることで、テンプレートの統計グラフとバージョン履歴をそれぞれ確認できます。

統計グラフのフィルター機能を使用すると、メールの開封率/クリック率のグラフの表示を次の3通りの方法で変更できます。


  • 割合別


  • 件数別



  • バージョン別



グラフ内の各データのバーにカーソルを合わせると、詳細情報が表示されます。


日付の範囲を選択すると、選択した特定の期間におけるメールテンプレートの統計を確認できます。


[バージョン]タブでは、同じメールテンプレートの異なるバージョンについての反応(開封率/クリック率)を、関連情報(作成者/作成日時/コメント)とあわせて確認できます。


このようにして、メールテンプレートのどのような変更が効果的であるかを判別できます。

メモ:
  • メールテンプレートの統計は、Zoho CRMで以下の操作に関してメールテンプレートを選択する際にも確認できます。
    • 一括メール送信
    • メールの作成
    • メール送信のワークフローの処理

関連情報

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    「導入したばかりで基本操作や設定に不安がある」、「短期間で集中的に運用開始できる状態にしたい」、「運用を開始しているが再度学び直したい」 といった課題を抱えられているユーザーさまに向けた少人数制のオンライントレーニングです。

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                                    ダウングレードを検討中の方へ:スタンダードプランから無料プランにダウングレードすると、Zoho CRMの一部の機能を利用できなくなります(該当する機能の数は40以上です)。ダウングレードによって利用できなくなる機能は以下のとおりです。 営業支援システム(SFA) 売上予測 予約カレンダー 複数の通貨 ソーシャルメディアのプロフィール管理 スコアリングルール CRMデータの分析 独自のレポートとダッシュボード 定期レポート マーケティングオートメーション(MA) 一括メール送信 データ管理 ...

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