見込み客や顧客がメールの本文に競合他社の名前を記載した場合に、Ziaによって担当者に通知を送信するように設定できます。これにより、担当者はすぐにメールでのやりとりを分析し、見込み客や顧客の要望を確認できます。要望をすばやく理解して対応することで、競合他社への顧客の流出を防ぐことができます。
たとえば、以下のメールの例では、ある見込み客が製品購入にあたって比較検討している競合他社(Zylker Tech社)について言及し、その比較要件(製品のカスタマイズ支援)についても伝えています。このメールに関する通知を営業担当者がいち早く受け取ることで、該当の見込み客の要望を社内の対応チームに伝え、自社で提供可能な支援サービスの内容を調整するなどの対応をすばやく行えます。
また、競合他社アラート機能では、競合他社の名前を複数設定することが可能です。これにより、メールから取得したさまざまな競合他社の情報をもとに、マーケティングや営業の戦略を見直すことができます。
Ziaによる競合他社アラートの対象となるのは、メールの本文や件名にある競合他社名のみです。宛名や署名の場所に記載された競合他社名については通知されません。
利用条件
エンタープライズプラン: ユーザーライセンス数が20ライセンスを超えている組織アカウント
アルティメットプラン: すべてのアカウント(ユーザーライセンス数の条件なし)
通知の表示
競合他社アラートは、次の方法で確認できます。
セールスシグナル:
利用中のZoho CRMアカウントでIMAP設定を有効にしている場合、セールスシグナル(顧客の行動を検出して通知する機能)の通知画面で競合他社アラートを確認できます。
Zoho Cliq:
利用中のZoho CRMアカウントでZoho Cliq連携を設定している場合、Zoho Cliqのチャットのメッセージとして競合他社アラートを受信できます。
Slack:
利用中のZoho CRMアカウントでSlack連携を設定している場合、Slackのチャットのメッセージとして競合他社アラートを受信できます。
Ziaの通知:
Ziaの通知画面で競合他社アラートを確認できます。
競合他社アラートの設定
最大5件の競合他社アラートを設定できます。アラートの設定ごとに、通知方法を指定できます。
競合他社アラート機能の上限:
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競合他社アラート数の合計:5件/組織
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競合他社名の数の合計:50件/組織
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競合他社アラートごとの通知方法の設定数の合計:15件/アラート
メモ:
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競合他社アラート機能を利用できるのは、利用中のZoho CRMアカウントでIMAP設定が有効になっていて、メールが組織内の全員に共有されている(共有権限が[公開]として設定されている)場合のみです。
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競合他社名には、英数字と特殊文字を使用できます(ただし、<>を除く)。名前の最初と最後の文字を特殊文字にすることは
できません
。競合他社名は100文字以下にする必要があります。
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競合他社アラート機能は、英語でのみ利用できます。
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競合他社の名前を重複して設定することはできません。たとえば、ある競合他社アラートで「Zylker Tech」という競合他社名を設定した場合、「Zylker Tech」という競合他社名を別のアラートで設定することはできません。
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Zoho Cliq連携やSlack連携が無効になった場合、Zoho CliqやSlackに関する競合他社アラートの設定内容も削除されます。
競合他社アラートを設定するには
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管理者権限でZoho CRMアカウントにログインします。
-
[設定]
→
[Zia]
→
[競合他社]
の順に移動します。
-
[競合他社アラート]
のページで、
[新しい通知]
をクリックします。
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競合他社アラートの作成
画面で、
[通知名]
を入力します。
-
[競合他社の追加]
設定で、
[競合他社名]
(会社名)を入力します。
複数の名前を入力する場合は、コンマ(,)で区切って入力します。
組織全体で、最大50件の競合他社名を設定できます。
-
[アラートの送信方法]
で、次の手順を実施します。
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セールスシグナル、Ziaの通知、Zoho Cliq、Slackのいずれかを選択します。
複数選択することが可能です。
-
Ziaの通知、Zoho Cliq、Slackのいずれかを選択した場合は、通知先を選択します。
-
[保存する]
をクリックします。
なお、Slackの場合は、Slackのチームを選択する必要があります。
競合他社への印象に関する通知の表示
Ziaによるメールの分析によって、顧客が競合他社に対してプラスの印象を抱いているか、マイナスの印象を抱いているかを検知して表示できます。以下のメールの例をみてみましょう。
サムソン様
お打ち合わせありがとうございました。検討中の予算内で、XYZ Tech社と同様のサービスを提供いただけると、さらに検討しやすくなります。ご提案内容については、当社の課題の解決につながると考えており、前向きに検討しております。
現在契約しているABC Corp社のサービスは顧客サポートの対応があまり良くないため、早めに貴社のサービスに切り替えられると助かります。ご調整の結果を、来週までにお知らせいただけると幸いです。
ご連絡をお待ちしております。
よろしくお願いします。
ネイサン・ブルックス
製品マネージャー
XYZアソシエイツ
Ziaによる競合他社への印象分析によって、
顧客が競合他社について不満を持っていることが検知されます。その結果、競合他社との関係で顧客が自社にプラスの印象を持っているとして、「ABC Corp」が強調表示されます。ただし、競合企業となる可能性のある「XYZ Tech」には注意が必要です。「XYZ Tech」も自社と同様のサービスを提供しており、顧客を失う可能性があるためです。
上記の情報を通じて、全体として、自社のサービスは「XYZ Tech」と同等であり、「ABC Corp」より優れている可能性があることを把握できます。
競合他社アラートのウィジェット(表示欄)
競合他社アラートを有効にすると、顧客(見込み客や連絡先)のデータの詳細ページに競合他社アラートのウィジェット(表示欄)が表示されるようになります。このウィジェット(表示欄)では、該当の顧客が競合他社についてどのように述べているかを分析することができます。分析結果は、自社の商品やサービスを改善し、競争力を強化するのに役立ちます。
また、競合他社によい印象を抱いていない顧客がいる場合は、その原因を理解、分析し、他社にはない自社の強みをアピールしながら顧客の課題解決を促すことで、顧客との関係を深めていくことができます。このように、競合他社アラートのウィジェット(表示欄)を通じて顧客による競合他社への言及を常に確認することで、競合他社への顧客の流出を防止し、顧客との間でしっかりとした関係を構築していくことができます。
競合他社アラートのウィジェット(表示欄)の仕組み
競合他社アラートのウィジェットは、顧客(見込み客や連絡先)のデータの詳細ページに表示されます。ウィジェットは、以下の2つの表示欄に分かれています。
- 競合他社への言及
- 最新の言及
競合他社への言及:該当の顧客(見込み客や連絡先)によって言及された競合他社数や言及回数などを確認できます。
たとえば、以下の画像では、顧客が競合他社4社について合計11回言及しており、そのうち1社については1回のみ、あとの3社については複数回言及していることが示されています。
最新の言及:該当の顧客(見込み客や連絡先)が最近、どのメールで、どの競合他社に言及したかを確認できます。上記の画像では、顧客が「競合他社の製品について」という件名のメールで「Zylker社」、「ABC社」、その他1社について言及していることが示されています。
なお、言及された競合他社のうち、3社目以降の情報は、下線リンク部をクリックすると確認できます。以下の画像からは、その他1社が「XYZ Tech社」であることが分かります。
また、メールの件名をクリックすると、メールの詳細が表示されます。本文の欄では、競合他社が印象別に色分けされて強調表示されます。各色が示す内容は以下のとおりです。
- 黄:顧客は競合他社に対して中立的な印象を抱いています。
- 緑:顧客は競合他社に対して否定的な印象を抱いています。自社にとってのチャンスであることを示します。
- 赤:顧客は競合他社に対して肯定的な印象を抱いています。自社の商品やサービスに不足している部分を分析し、適切な対応を行う必要があることを示します。
競合他社アラートのウィジェット(表示欄)の下部には、緑と赤の絵文字アイコンが表示されています。
緑の絵文字アイコンの隣に表示されている数値は、該当の顧客が競合他社について否定的に言及した回数を表します。
赤の絵文字アイコンの隣に表示されている数値は、該当の顧客が競合他社について肯定的に言及した回数を表します。
メモ:
メールの詳細画面では、返信ボタンをクリックし、メールの返信画面を開くことができます。
ワークフロールールでは、競合他社アラートに基づく処理の実行を設定できます。設定すると、競合他社の名前が記載されているメールを受信した際に、ワークフローの処理を自動で実行することが可能です。競合他社への言及に基づく実行の詳細については、こちらをご参照ください。
メールの詳細画面では、データ補完の機能も利用できます。データ補完についての詳細は、こちらをご参照ください。
フィルターによるデータの抽出
Zoho CRMの[見込み客]、[連絡先]、[取引先]などのタブでは、データの一覧ページで詳細フィルターを利用できます。詳細フィルターを利用すると、項目の値に関する条件を指定して、条件を満たすデータのみを抽出できます。
ここでは、競合他社に関する条件を指定したデータ抽出について説明します。詳細フィルターで競合他社名に関する条件を指定すると、特定の競合他社に言及した顧客(見込み客/連絡先/取引先など)のデータのみを抽出することが可能です。また、言及した日付や言及した際の印象に関する条件を指定して、顧客データを抽出することもできます。
上記の画像では、[見込み客]タブで、競合他社に関するフィルター条件を指定して、見込み客データを抽出しようとしています。条件の設定例は以下のとおりです。
上記の例では、競合他社名が「ABC社」、言及した時期が「過去2日間」、印象が「良い」という条件を指定しています。
この状態でフィルターを適用すると、以上の条件をすべて満たすデータのみが抽出され、一覧表示されます。