現在のカスタマーサービスは、サポート窓口の担当者が個別に対応する従来の形態から、顧客が自身で問題を解決するセルフサービス型の形態に変わってきています。そのため、組織や企業では、顧客が自身で解決方法を見つけられるようにすることに重点を置いています。そうすることで、サポート担当者の負荷を大幅に軽減し、組織や企業全体の業績を向上できるためです。セルフサービス型のカスタマーサービスでは、コミュニティ、チャット、ヘルプセンターなどのさまざまなプラットフォームが使用されます。
ナレッジベースも、その1つです。動画、よくある質問(FAQ)、マニュアルなどのリソースを作成し、顧客が簡単にアクセスして、商品の利用方法、質問に対する回答、一般的な問題の解決方法を見つけることができるようにします。
Zoho Deskのナレッジベース管理機能では、組織や企業のニーズに合わせてナレッジベースの設定をカスタマイズできます。具体的には、ヘルプセンターでの記事の表示方法や、コメント投稿機能の有効化/無効化の設定を行うことができます。また、カテゴリー管理や、記事の並べ替えも可能です。
ナレッジベースの管理画面にアクセスするには
- 管理者アカウントで、Zoho Deskにログインします。
- [ナレッジベース]タブに移動します。
- 画面左側のメニューから、[ナレッジベース管理]をクリックします。
- 画面左側のメニューから対象の設定メニューを選択して、設定を行います。
- アクセス設定
- カテゴリー管理
- 記事の並べ替え
アクセス設定では、ヘルプセンターにおける記事の表示方法をカスタマイズできます。こちらで設定した内容に応じて、記事のページで顧客に対して表示される内容や、カテゴリー/セクション/記事の並び順が変わります。
管理者は、ヘルプセンターでナレッジベースを表示するかどうかを選択できます。
たとえば、組織内のサポート担当者のみがナレッジベースを表示できるようにしたい場合、[ヘルプセンターでナレッジベースを表示する]の切り替えボタンをクリックして、無効にすることが可能です。
カテゴリー/セクションをアルファベット順で並べ替える
カテゴリー/セクションは、ナレッジベースの記事を整理するためのフォルダーのようなものです(カテゴリーは最上位のフォルダー、セクションはサブフォルダーとして機能します)。[カテゴリー/セクションをアルファベット順で並べ替える]を有効にすると、ナレッジベースのカテゴリー/セクションをアルファベット順で表示できます。
顧客が必要な情報を見つけやすく整理することで、顧客の満足度を向上できます。
ヘルプセンター利用者が記事にコメントできるようにする
記事のコメント機能を有効にすると、顧客と担当者が直接メッセージをやりとりできます。[ユーザーが記事にコメントできるようにする]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすることで、顧客が記事に関する疑問点や指摘などのフィードバックをコメント欄に追加できるようになります。担当者はこれを受けて、顧客の疑問点に関して回答したり記事の内容を改善したりすることができます。また、このようなコメント欄でのやりとりの情報は、他の顧客にとっても、自身の疑問を解消するための有用な情報として役立ちます。
たとえば、ある銀行では、ナレッジベース機能を利用して、専任のサポート担当者を増やすことなく低コストで、学生向けのプログラムの提供を開始できました。このプログラムは、該当の銀行に親の預金口座があれば、その子どもである学生が自身の普通預金口座を開設できるサービスです。両親や学生がスムーズにプログラムを利用できるようにするため、プログラムの内容や利点、申し込み条件、その他の詳細についての記事をナレッジベースに公開しました。記事にコメントを追加できるようにしたため、関心のある学生やその両親は「子どもがプログラムに申し込む際に親の口座を開設できるのか」、「親の口座の種類に制限はあるのか」などの質問を、関連記事のコメント欄に直接投稿できました。銀行では、このようにコメントに投稿された質問とその回答を、よくある質問として記事に追加して公開しました。顧客の疑問に対する回答を公開することで、顧客の疑問を解消してプログラムに関する理解や関心を深めることができただけでなく、同様の疑問を抱いて回答を探している他の顧客に対しても役立つ回答をナレッジベースに用意できました。
記事のタグを表示する
タグとは、同様のトピックやテーマの記事を分類するためのラベルです。[記事のタグを表示する]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすると、ナレッジベースの記事に追加したタグを顧客に対して表示できます。記事にタグを表示することで、同様のトピックやテーマの記事を見つけやすくすることができます。
たとえば、ソフトウェアのインストールに関してサポートが必要な場合、ナレッジベースで「インストールガイド」や該当のソフトウェア名のタグを使用して検索し、関連記事を見つけることができます。
執筆者の情報を表示する
ナレッジベースの各記事に執筆者情報を表示することで、内容の信頼性を担保できます。[執筆者の情報を表示する]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすると、ナレッジベースの各記事に執筆者名(記事を作成した担当者名)を表示することが可能です。
最終更新日時を表示する
ナレッジベースの各記事に最終更新日時を表示し、明らかにすることで、内容の信頼性を担保できます。[最終更新日時を表示する]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすると、ナレッジベースの各記事に最終更新日時を表示できます。記事の最新更新日時は、記事の内容の正確さや有用性を判断するのに役立ちます。たとえば、ソフトウェア商品の新機能追加や機能強化があった場合に、関連記事の最終更新日時を確認することで、記事内の新機能の情報が反映されているかどうかを推測し、記事の有用性を判断できます。
記事が低く評価された時にフィードバックフォームを表示する
ヘルプセンター利用者は、記事に低い評価をつけることで、記事の問題をフィードバックできます。低い評価は、サポートチームが記事の改善点に気づくきっかけになるため、非常に有用です。
[記事が低く評価された時にフィードバックフォームを表示する]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすると、顧客が記事を低く評価したときにフィードバックフォームを表示できます。顧客は低く評価した理由を入力することが可能です。送信されたフィードバックは問い合わせに自動で変換されて担当者に割り当てられるため、担当者は顧客のフィードバックに返信できます。
記事の目次を表示する
記事の目次では、記事の見出しがリンクとして一覧表示されます。[記事の目次を表示する]の切り替えボタンをクリックし、設定を有効にすると、記事に目次を表示できます。顧客は目次から記事の概要をすばやく確認し、記事内の見出しに簡単に移動できるようになります。
たとえば、顧客が記事内の特定の情報を知りたい場合に、記事を最初から最後まで読む必要なく、目次内の該当の見出しをクリックして対象のセクションに移動して、必要な情報をすばやく参照できます。この設定では、記事の目次の表示/非表示を設定できるほか、表示位置として上部/サイドバーのいずれかを設定することが可能です。
記事の並べ替え(アクセス設定)
アクセス設定の[記事の並べ替え]の欄では、記事の並べ替えの基準を以下の3通りから選択できます。
- 作成日時:最近作成した記事から時系列順に記事を並べ替え、表示できます。たとえば、ソフトウェアの新機能の追加時に、該当の機能に関する最新記事が先頭に表示されるようにすることで、顧客が新機能の追加を認識しやすくすることが可能です。
- 更新日時:最近更新した記事から時系列順に記事を並べ替え、表示できます。たとえば、ソフトウェアの機能強化時に、該当の機能に関する更新記事が先頭に表示されるようにすることで、顧客が既存の機能についての新しい情報を認識しやすくすることが可能です。
- 指定の順番:記事を自由に並べ替え、表示できます。たとえば、ソフトウェアの新機能の追加からしばらく経過した後に、顧客からの問い合わせやフィードバックを元に作成したよくある質問、トラブルシューティング、留意事項やヒントに関する記事を先頭に表示することで、他の顧客が有用情報を認識しやすくすることが可能です。
記事の並べ替え
画面左側のメニューで[記事の並べ替え]をクリックすると、[アクセス設定]メニューの[記事の並べ替え]の欄で設定した内容に従って並べ替えられた記事の一覧を確認できます。[アクセス設定]で[指定の順番]を選択した場合は、必要に応じて記事をドラッグ&ドロップ操作で自由に並べ替えることができます。
たとえば、ある電化製品に関するヘルプセンターで最も頻繁に寄せられる質問が、商品の返品/交換の手順についてである場合、[アクセス設定]で[指定の順番]を選択し、[記事の並べ替え]設定ページで、「商品の返品/交換の手順」の記事を一覧の先頭に配置できます。これにより、優先度の高い記事を顧客の目に付きやすくすることが可能です。