一般に、顧客サポート用のシステム(ソフトウェア、ツール)を入れ替える場合、問い合わせ、顧客、ナレッジベース(商品やサービスに関するヘルプやよくある質問)、ユーザー情報などのデータを、必要な形でスムーズに移行できるかどうかは重要です。
データ移行にあたっては、まず移行元のサービスから以下の形式でデータをエクスポート(出力)する必要があります。その後、エクスポートしたファイルと、必要な情報を担当チームに共有する必要があります。詳細は以下のとおりです。
必要条件
- 移行元のサービスのAPIキーを担当チームに共有する場合、移行作業の間、APIキーが有効(利用可能)な状態になっている必要があります。
- Zoho CRM連携やSalesforce連携が有効になっている場合、移行中は連携機能を無効にする必要があります(Zoho Desk内で連絡先や取引先の重複を防止するためです)。
問い合わせと担当者の関連付け
- Zoho Deskにインポートした問い合わせが担当者に適切に関連付けられるようにするには、インポートするファイル内に担当者の名前、メールアドレス、部門が記載されている必要があります。
- ファイル内には、担当者のメールアドレスが正しく記載されている必要があります。問い合わせと担当者は、担当者のメールアドレスに基づいて関連付けられます。
- 問い合わせの担当者や、問い合わせにコメントしたユーザーの情報が適切に反映されるようにするには、移行時にZoho Desk内で該当の担当者が有効になっている必要があります。また、該当の担当者のメールアドレスが、ファイル内のメールアドレスと一致している必要があります。Zoho Deskでのユーザー(担当者)の追加/管理についての詳細は、こちらの記事をご参照ください。
- 担当者が有効になっていない場合や、担当者のメールアドレスが一致しない場合、インポートした問い合わせは、組織のシステム管理者(メインの連絡先)に自動で割り当てられます。
注意事項
- 利用可能なプラン:Zwitchによる移行は、すべての有料プランで可能です。試用版では、データを2GBまでのみ移行できます。
- 移行できないケース:データ容量の不足やデータの構造の違いにより、データを移行できない場合があります(失敗率の目安:3%~5%)。移行できなかったデータは、CSV形式のファイルとしてバックアップされます。
- 移行スケジュール:データ移行にかかる時間は、移行されるデータの量によって異なります。また、移行は、担当チームで順番に処理されます。移行の完了予定日は、担当チームでのデータの確認が完了して、移行処理が開始してから共有されます。
- ファイルサイズ:移行の申請時には、最大10GBのファイルをアップロードできます。ファイルのサイズの合計が10GBを超える場合、サポート窓口(support@zohodesk.com)にお問い合わせください。
- 移行のキャンセル:移行は、ステータスが[送信待ち]の場合にのみキャンセルできます。
移行処理の全体の流れ
移行処理は、Zoho Deskの担当チームによって2回に分けて実施されます。
推奨事項
- 1回目の移行を開始する前に、少量のサンプルデータを使用して移行処理の流れを確認することをお勧めします。
- 1回目の移行が完了してから、2週間ほど経過してから2回目の移行が実行されます。2回目の移行では、1回目の移行時に移行されなかったデータに対して移行処理が実行されます。2回目の移行が完了してから追加の依頼を行っても受理されません。
1回目の移行
最初に、移行元のアカウントから移行先のZoho Deskアカウントにすべてのデータを移行します。問い合わせ、連絡先、取引先などのタブのデータは、タブごとに一括で移行されます。移行が開始されると、Zohoのサポート窓口で問い合わせが作成されます。作成された問い合わせやメールを通じて、移行の詳細情報が共有されます。
移行が完了すると、移行したデータについての情報が記載されたCSV形式のファイルが生成されます。このファイルはZIP形式に圧縮され、申請者(メインの連絡先)宛てにメールで送信されます。このZIP形式のファイルの詳細は以下のとおりです。
- ZIP形式のファイルには、タブごとに移行の詳細を記したCSVファイルが含まれています。
- 各CSVファイルには、移行時に発生したエラーの詳細が記載されています。申請者は、依頼事項がある場合、ファイルを受信してから2週間以内にメールに返信する必要があります。2週間を経過してからの依頼内容は、受理されません。
1回目の移行が完了すると、Zoho Deskアカウントにアクセスできるようになります。
2回目の移行
2回目の移行は、1回目の移行が完了してから約2週間後に開始され、移行の全体の流れの中で、最終段階にあたります。1回目の移行で移行されなかったデータに対して、移行処理が実行されます(例:1回目の移行が完了してから2回目の移行が開始するまでの間に移行元のシステムで作成された新しい問い合わせなど)。
移行処理は、1回目の移行でエラーが記録されたデータに対しても実行されます。必須項目に値が入力されていない、形式が適切でない、データを適切に関連付けるための条件が満たされていない場合などには、一部のファイルやデータを移行できないことがあります。
移行の申請手順
データの移行を申請するには、以下を行う必要があります。
基本情報の入力
ファイルのアップロード
移行データのファイルをアップロードします。ファイルサイズの上限は、1ファイルあたり2GB、全体で10GBです。最大5件のファイルをアップロードできます。ファイルのサイズの合計が10GBを超える場合、サポート窓口にお問い合わせください。担当者が確認後、対応します。また、移行処理を適切に行うため、CSVファイルはタブごとに作成してください。
データを移行するタブ/機能の選択
Zoho Deskの移行先のタブ/機能を選択します。移行先として選択可能なタブ/機能は以下のとおりです。
- 担当者(ユーザー)
- 取引先
- 連絡先
- 商品
- 問い合わせ
- 問い合わせのメッセージのやりとり(スレッド)
- 問い合わせのコメント
- 添付ファイル
- ナレッジベースの記事(添付ファイルは移行されません)

メモ:[問い合わせ]タブを選択すると、[問い合わせ]タブに関連する子タブ(問い合わせのコメント、問い合わせのスレッド、添付ファイル)も自動で選択されます。
データの移行処理は、上記の順番で実行されます。最初に担当者(ユーザー)、次に取引先、その次に連絡先と、順番に移行されます。移行がスムーズに行われるようにするには、上記の順番でファイルをアップロードすることが重要です。
追加情報(備考)の入力
移行担当者に伝えたいことがあれば、こちらに記入します。完了したら、データを送信して、認証手続きへと進みます。
認証
Zoho Deskへのアクセスを許可します。なお、ポータルの選択画面が表示された場合は、どのポータルにデータを移行(インポート)するかを指定します。ポータルの選択画面は、申請者(メインの連絡先)がZoho Deskで複数のポータルを利用している場合にのみ表示されます。
移行の開始
申請の送信が完了すると、申請者(メインの連絡先)のメールアドレス宛てに確認メールが送信されます。移行は、担当チームによる確認や事前準備が完了し次第、開始されます。
移行完了までに要する時間は、他の依頼の発生状況や対象のデータの量によって異なります。なお、移行が完了すると、申請者(メインの連絡先)にメールで通知されます。
データを移行するには: