Qntrlとは、組織の業務プロセスの効率化を図るのに役立つサービスです。業務プロセスの自動化、他のユーザーとの共同作業、進捗状況の確認など、業務プロセスの効率化に役立つさまざまな機能が用意されています。Zoho Deskでは、Qntrlを連携することができます。複数の部門やチーム間において共同作業を円滑に行うことが可能です。
たとえば、飛行機や宿泊施設の予約などの出張に関する申請をZoho Deskで管理し、出張の承認手続き、書類の確認、経費の管理などの出張の各種手続きをQntrlで管理する組織があるとします。このような場合にZoho DeskとQntrlを連携することで、それぞれの管理部門やチームにおいて申請や各種手続きに関する情報を共有することができます。部門やチーム間での共同作業を円滑に行うことが可能です。
Qntrlでは、業務プロセスや業務フローを「ボード」と呼ばれる場所で管理します。ボードでは、業務プロセスや業務フローにおける特定の業務やタスクは「カード」と呼ばれます。Zoho DeskとQntrlを連携すると、Zoho Deskの操作画面でQntrlのカードを作成し、Zoho Deskの問い合わせに関連付けることができます。上記の例の場合、カードには該当の問い合わせの詳細が登録され、出張の各種手続きをQntrlで管理する部門やチームの担当者に割り当てられます。カードの変更内容は、出張に関する申請をZoho Deskで管理する部門やチームの担当者に共有されます。また、カードにコメントを追加し、カードや問い合わせに関して部門やチーム間でやりとりを行うこともできます。
このように、Zoho DeskとQntrlを連携することで、複数の部門やチームにおいて情報を共有し、共同作業を円滑に進めることが可能です。このページでは、Zoho DeskとQntrlとの連携方法について説明します。
連携のメリット
Zoho DeskとQntrlを連携する主なメリットは、以下のとおりです。
- 業務プロセスの最適化:部門やチームにおいて、業務プロセスの最適化を図ることができます。業務プロセスの特定の業務やタスク(例:出張の承認手続き、書類の確認、経費の管理など)を効率よく管理することが可能です。また、これらの業務やタスクの情報をZoho Deskの画面内から確認することもできます。
- 情報のかんたん確認:Qntrlでボード(業務プロセス、業務フロー)を作成し、Zoho Deskの部門に関連付けることができます。これにより、ボード内のカード(タスク、業務)に関する情報をZoho Deskの操作画面内からすばやく確認することが可能です。
- 優先度に基づく対応:内容や進捗状況に応じて、カードの優先度を設定できます。優先度に基づいて対応を進めることが可能です。また、優先度などのカードの各種データは、QntrlとZoho Desk間で同期されます。
- 円滑な共同作業:カードにコメントを追加できます。また、カードの内容が更新されると、対象の担当者に対して通知が送信されます。複数の部門やチーム間において、共同作業を円滑に行うことが可能です。
Zoho DeskとQntrlの連携
連携の主な手順は、以下のとおりです。
- 一般設定:Qntrlのデータの同期対象となる部門や権限を選択します。この設定は、[一般設定]タブから行います。たとえば、Zoho Deskの特定の部門、または特定の権限を持つユーザーに対してのみ、連携機能の利用を許可することができます。また、連携機能で行える操作権限を詳細に設定することもできます。操作権限の設定は、ユーザーの権限に応じて行います。たとえば、「管理者」の権限を持つユーザーに対して作成、編集、削除の操作を許可したり、「担当者」の権限を持つユーザーに対して「表示」のみの操作を許可したりすることが可能です。
- 認証:連携するにあたって、拡張機能の利用に必要な認証を完了する必要があります。また、認証にあたっては、他のサービス(例:Zoho OAuth)の認証も行う必要があります。すべての認証が完了すると、拡張機能を利用できるようになります。
- 各種設定:Zoho Deskアカウントに関連付けるQntrlアカウントを選択します。Zoho Deskに複数の部門が登録されている場合、各部門に対してQntrlのボードを関連付ける必要があります。
メモ:
1件の部門に対して複数のボードを関連付けたり、1件のボードに対して複数の部門を関連付けたりすることができます。
管理者は、カードに表示する項目を選択できます。以下のいずれかを選択可能です。
- Qntrlのボードの標準項目、必須項目のみ:Qntrlのボードの標準項目と必須項目のみが、カードに表示されます。
- Qntrlのボードのすべての項目:ボードのすべての項目が、カードに表示されます。
Zoho DeskとQntrlを連携するには
- 管理者権限を持つユーザーアカウントで、Zoho Deskにログインします。
- [設定]→[連携]→[すべて]の順に移動します。
- 検索欄で[Qntrl for Zoho Desk]を検索します。
- [Qntrl for Zoho Desk]拡張機能を選択して、[インストールする]をクリックします。
- 表示される内容を確認し、[インストールする]をクリックした後、[一般設定]タブを開きます。対象の部門を選択し、拡張機能の利用を許可する権限/担当者を選択します。
- 利用規約に同意し、[インストールする]をクリックします。
選択した部門と権限を持つ担当者に対してのみ、拡張機能がインストールされます。
- 画面右側に表示されるポップアップ画面で[認証する]をクリックします。続けて、Zoho OAuthのクライアントIDの作成画面で、[作成する]をクリックし、Sigmaを通じたデータへのアクセスに関する確認画面で[承諾する]をクリックします。
- Zoho OAuthの認証画面で[認証する]をクリックします。
[承諾する]をクリックすると、拡張機能がDelugeによる連携設定を通じてZoho Deskアカウントのデータにアクセスできるようになります。
- [各種設定]タブを開きます。ドロップダウンから対象の組織アカウントを選択します。
- [一般設定]タブで選択した部門が、[Zoho Desk Department](Zoho Deskの部門)の欄に表示されます。こちらに表示される部門において、連携が設定されます。該当の部門と関連付けるQntrlのボードを選択します。
- [Listing Qntrl Fields in Desk](Zoho Deskに表示するQntrlの項目)の欄で、[Standard and Mandatory fields in Qntrl Board only](Qntrlのボードの標準項目、必須項目のみ)または[All fields as in Qntrl Board](Qntrlのボードのすべての項目)のいずれかを選択し、[Save](保存する)をクリックします。
問い合わせの詳細ページでのカードの作成/関連付け
連携後、Zoho Deskの問い合わせの詳細ページではQntrlのカードを作成したり、問い合わせに関連付けたりできるようになります。権限を持つユーザーは、問い合わせに関連付けられているカードを表示できます。
メモ:
Qntrl拡張機能の画面は、問い合わせの詳細ページでマーケットプレイス(拡張機能)のアイコンをクリックすると、右側にウィジェットとして表示されます。ユーザーは、こちらの画面からカードを作成したり、問い合わせに関連付けたりすることができます。
- 1件の問い合わせに対して作成可能なカードの上限は、10件です。
カードを作成するには
- [問い合わせ]タブをクリックして、対象の問い合わせを開きます。
- 問い合わせの詳細画面の右上にある拡張機能アイコンをクリックします。
一覧から[Qntrl]を選択します。 - [New Card](新しいカード)タブをクリックし、[Qntrl boards](Qntrlのボード)の欄でカードの作成先となるボードを選択します。
- 標準では、対象の問い合わせからカードの件名、説明などの情報が出力されます。必要に応じて、これらの情報を編集できます。
- 項目の入力後、[Save](保存する)をクリックします。
既存のカードを問い合わせに関連付けるには
- [問い合わせ]タブをクリックして、対象の問い合わせを開きます。
- 問い合わせの詳細画面の右上にある拡張機能アイコンをクリックします。
一覧から[Qntrl]を選択します。 - [Link a Card](カードの関連付け)タブをクリックし、[Qntrl boards](Qntrlのボード)の欄でカードの関連付け先となるボードを選択します。
- [Cards](カード)のドロップダウンから対象のカードを選択し、[Link](関連付ける)をクリックします。
問い合わせの詳細ページでのカードの表示
カードが問い合わせに関連付けられると、件名、説明、ステータス、期限、メールアドレスなどカードの詳細が問い合わせの詳細画面に表示されます。
問い合わせにコメントが追加されると、Qntrlにもコメントが追加されます。
Qntrlでのカードの表示
Qntrlへのアクセス権限を持つZoho Deskのユーザーは、Qntrlの操作画面で対象のカードをクリックすると、カードの詳細を表示できます。
カードと問い合わせの関連付けの解除
カードの関連付け先の問い合わせを誤って選択した場合や、別のカードと問い合わせを関連付けたい場合、カードと問い合わせの関連付けを解除し、別のカードと問い合わせを関連付けることができます。[Delink](関連付けを解除する)をクリックすると、カードと問い合わせとの関連付けが解除されます。関連付けを解除すると、問い合わせの更新内容がカードに反映されなくなります(その逆も同様です)。
カードの関連付けを解除するには
- [問い合わせ]タブをクリックして、対象の問い合わせを開きます。
- 画面左側の拡張機能の一覧から[Qntrl]を選択し、対象のカードをクリックします。
- [Delink](関連付けを解除する)をクリックします。
- 確認画面で、[Delink](関連付けを解除する)をクリックします。
Qntrl連携の解除(アンインストール)
管理者は、必要に応じてQntrl連携を解除できます。連携を解除すると、Zoho Desk内でQntrlのカードを作成できなくなります。
Zoho DeskとQntrlの連携を解除するには
- [設定]→[連携]→[すべて]の順に移動します。
- 拡張機能の一覧から[Qntrl]を選択します。
- 画面右上にある[その他の操作]アイコン()をクリックし、メニューから[連携を解除する]をクリックします。[確定する]をクリックすると、拡張機能がアンインストールされます。