連絡先にメールを配信する際、次の3つの手順が行われます:
- 配信元が、メールをZoho Campaigns(メールマーケティングサービス)経由で配信します。
- メールボックスプロバイダーと迷惑メール対策サービスの迷惑メールフィルターで精査されます。
- 受信者がメールを受信します。
メールボックスプロバイダと迷惑メール対策サービスの迷惑メールフィルターは、メールが連絡先に到達するまでに通るセキュリティのうちの1つです。迷惑メールフィルターはさまざまなアルゴリズムを使用して、メールにフィッシングが疑われるものがないかどうかをチェックし、未承諾や信用できないメールを検知し、ユーザーの受信トレイに到達することを防止します。迷惑メールフィルターがメールをどのように分類するかによって、ユーザーの受信トレイに到達するか、迷惑メールフォルダーに振り分けられるか、バウンス(不達)になるか、拒否されるか、隔離されるかが決まります。ここでは、配信方法、メールの内容、メッセージに対する連絡先の反応が結果に大きく影響します。
メールが連絡先の受信トレイに移動する際に実際に何が起こるか、受信したメールが迷惑メールフィルターでどのように判断されるかについては、次の図のとおりです。
一般的に、迷惑メールフィルターでは、配信元のフィッシングや偽造を行おうとする活動がチェックされています。次の項目がチェックされます:
- 配信元ドメイン
- 配信元名
- 配信リスト
- メールの内容
- キャンペーンの時刻と頻度
配信元ドメイン
配信元のアドレスは、信頼性の高い有効なビジネスドメインにしてください。迷惑メールフィルターでは未認証ドメインからのメールに疑いがかかるため、Zoho Campaignsでまだドメイン認証をしていない場合は、必ずドメインを認証してください。
迷惑メール対策サービスでは、配信元の活動と連絡先の反応に基づいて、配信元ドメインの信頼性が判断されます。
- 信頼性のスコアが低すぎる場合、ドメインがブラックリストに登録される可能性があります。Spamhaus、Sorbs、Spamcopなどの主要な迷惑メール対策サービスやブラックリストサービスのプロバイダーで、定期的にドメインの信頼性を確認することをお勧めします。
- AOL、Gmail、Yahoo!、Outlookのようなフリーメールサービスのドメインは、迷惑メールフィルターにマイナスの印象を与えます。これらのサービスが準拠するDMARCポリシーでは、フリーメールアドレスを使用したメール配信が抑制されています。DMARCは、迷惑メールフィルターの設定に重要な役割を果たすため、配信方法をDMARCポリシーに合わせることをお勧めします。
- 常にビジネスドメインを使用して、メッセージを配信してください。サブドメインでも構いませんが、連絡先が配信元を簡単に識別できる必要があります。たとえば、組織が「Zylker」の場合、「patricia@zylker.com」や「patricia@admin.zylker.com」は受け付けますが、「manager@zylkero.somedomain.com」や「manager@zylker.b.somedomain.com」は、ドメインが「zylker」ではなく「somedomain.com」なので、疑われる可能性があります。迷惑メールフィルターでのドメイン名のチェック時に、「somedomain.com」は迷惑メールである可能性が高いと判断されます。
- 受信者が返信できない「no-reply@yourdomain.com」のような配信元アドレスは避けます。これも、迷惑メールフィルターで疑いがかけられます。
配信元名
- 配信元名に句読点が多すぎる場合も、迷惑メールとして判別されます。たとえば、「Patricia」を「P!!a#tr_i^c$ia」のように記載しないでください。
- メールアドレスを配信元名として使用するのは避けます。たとえば、「jim@zylker.com」ではなく「Jim」を使用してください。
- 迷惑メールフィルターは、配信元の身元に一貫性を求めているため、すべてのメールで同じメールアドレスと配信元名を使用します。
配信リスト
キャンペーンを配信する配信リストは、健全性を維持してください。リストの連絡先は、有効かつ、メールの受信に興味がなければなりません。定期的にリストを精査しなければ、興味のない連絡先や無効なメールアドレスが追加され、迷惑メールフィルターでの信頼性を損なう結果になります。これにより、メールに興味がある連絡先への配信も妨げられてしまう可能性があります。そのため、リストの精査を毎月の予約に組み込み、健全なリストを維持して、次の項目がないようにしてください:
同意
メールマーケティングにおいて、対象のメール受信者からパーミッション(許可)を得ることは非常に重要です。迷惑メールフィルターでは、配信リストにオプトイン(同意)の登録をしていないユーザーにメールを配信した際に起こる、登録解除、バウンス(不達)、迷惑メールの苦情がチェックされています。登録時に受信者の同意を確認することで、連絡先が信頼できるリストを作成します。
メールの内容
件名
メールの件名や本文には、購入、注文、ディスカウント、クリアランス、親愛なる友人へ、テレビでおなじみの、助けてください、無料、値引き、命がけ、追加収入などの、迷惑メールに判別される語句を含めないようにしてください。これらの言葉は、迷惑メールでよく使われているため、迷惑メールフィルターでペナルティを科せられます。
件名では、すべて大文字、URL、不要な句読点の使用は避けてください。
URL
多くの迷惑メールには不正サイトにリダイレクトするURLが含まれているため、迷惑メールフィルターではURLが慎重に取り扱われます。URLを使用する場合、次の点をご留意ください:
- ブラックリストに登録されているドメインのURLは、疑いをかけられます。
- 複数回のリダイレクトされるURLは、疑いをかけられます。
- 公開サービスの短縮URLは、メール到達率に悪影響を与えます。
メッセージ
メールに次の内容が含まれる場合、迷惑メールフィルターでマイナスの評価を受けます:
- 偽造クーポンなど嘘の約束
- 紛らわしい件名やメッセージの本文
- 「管理者」「セキュリティ」「支払い」「銀行」「クレジットカード」「ATMの暗証番号」「お金」など迷惑メールのようなフレーズ
- 画質の低い画像
- 画像のみの本文
次の方法で、迷惑メールフィルターでメールにプラスの評価を得られる可能性があります:
- テキストのみの本文
- テキストと画像の割合(40:60)が適切に保たれている
フッター
連絡先がメール内で登録解除オプションを見つけられない場合、迷惑メールに判別される可能性があります。この場合、配信元ドメインの信頼性が低下する可能性があるため、迷惑メールフィルターでは配信元が明確な登録解除オプションを設置しているかどうかがチェックされます。
配信元の身元の識別は、迷惑メールフィルターにおいて重要です。ユーザーは、容易に配信元を識別できるメールしか開封しません。迷惑メールフィルターでは識別が最優先であるため、次の内容をフッター情報に含めることをお勧めします:
- 配信元名または組織名と住所
- 電話番号、FAX番号、問い合わせフォーム
- 配信元のメールアドレス
- 商業、共同組合、団体、パートナー登録番号
- メールの内容の作者名
- 納税者番号
キャンペーンの時刻と頻度
迷惑メールフィルターにとって、メールの配信時刻も重要です。連絡先がメールを不快に感じる可能性が高い時間帯を考慮し、予約する際にはご留意ください。
誰かが受信者にメールを大量配信しようとした場合に、迷惑メールフィルターに警告が届きます。この結果、配信元ドメインがブラックリストに登録される可能性もあります。連絡先から否定的な反応を受けないようにするため、メールの配信には必ず一定の間隔を開けます。
キャンペーンの頻度とスロットリングについての詳細は、次のリンクをご参照ください:
メールの頻度。
迷惑メールフィルターでは、次の内容もチェックされます:
- メール本文にあるURLからリダイレクトされるWebページやサイト上の迷惑な語句。
- メールのメタタグ情報内のフィッシングの可能性のあるもの。
迷惑メールフィルターは、最も関連のあるメールのみが連絡先に到達できるように機能するため、連絡先の興味に合った関連のあるメールは、迷惑メールフィルターからの信頼性を高めます。