メールキャンペーンの計画や一括配信といった業務は、マーケティング担当者によって日常的に行われています。しかし、定期的にメールマガジンやニュースレターを配信したり、ときどき思い出したようにキャンペーンメールを配信するだけでは、目標とするコンバージョン率を達成することはできません。
これらの業務のみを続けると、次の問題が発生する可能性があります:
- コンバージョン率の目標値への未達
- 商品やサービスの売上の停滞
- 配信元アドレスの信頼性の低下、迷惑メール(スパム)判定
つまり、満足する成果を得るためには、メールを単に配信するだけでは十分ではありません。コンバージョン率を向上させるには、次の内容を実施する必要があります:
- フォローアップメールの配信
- パーソナライズしたメール本文の作成
- メールの自動配信機能の活用
- 受信者の詳細な絞り込み(ターゲティング)
よりよい成果を得るためには、上記に加えて、配信リストを定期的に整理したり、キャンペーンの配信前にテストを行ったり、キャンペーン対象者を絞り込んだり(ターゲティング)する必要があります。
Zoho Campaignsには、これらの多くのマーケティング業務に対処するためにさまざまな機能が用意されています。その中でも、マーケティングの成果を向上させるのに役立つ機能として、
フォローアップキャンペーンや
自動配信機能が用意されています。これらの機能を活用すると、たくさんのテンプレートを活用してすぐに効果的なキャンペーンを実施することができます。自動配信機能の詳細については、
こちらをご参照ください。
このページでは、フォローアップキャンペーンや自動配信機能を活用してナーチャリングを行う方法について説明します:
ナーチャリング
ナーチャリングとは、見込み客や連絡先の要望や興味を理解し、提供する商品やサービスに関する情報を紹介して、商品やサービスを購入してもらう取り組みやプロセスのことを指します。商品やサービスの販促活動を行う場合は、フォローアップキャンペーンを配信して見込み客に対してナーチャリングを行うことが重要です。
見込み客に対してナーチャリングを行うにあたって活用できる主なフォローアップキャンペーンは、以下のとおりです:
チェーンキャンペーン
チェーンキャンペーンは、以前配信したキャンペーンの受信者の絞り込み(ターゲティング)をもう一度行い、その対象者にフォローアップキャンペーンを配信する方法です。チェーンキャンペーンは主に、以前のキャンペーンで反応のなかった受信者によるメール開封率の向上を目的として行われます。目標とするコンバージョン率に達するまで繰り返しチェーンキャンペーンを配信できます。
子キャンペーン
子キャンペーンとは、以前配信したキャンペーン(親キャンペーン)への受信者による反応に基づいて配信する、フォローアップキャンペーンのことを指します。親キャンペーンから配信可能な子キャンペーンは、1件のみです。子キャンペーンを配信するにあたって、次のような手法が役立ちます:
- 親キャンペーンを開封した受信者に配信:親キャンペーンと同様の子キャンペーンを配信することで、受信者からの反応(エンゲージメント)を継続的に促すことができます。
- 親キャンペーン内のリンクをクリックした受信者に配信:クリックされたリンクを分析し、関連するコンテンツを受信者に配信します。
- メールを開封しなかった受信者に配信:メールを開封しなかった受信者は、メールに記載された内容に関心を持てなかった可能性が高いです。このような受信者に対しては、関心を持ってもらえるようなコンテンツを選択的に配信することが有効です。この手法では、配信するメールにトピックを記載し、受信者に興味のあるコンテンツを選択してもらうように促します。
チェーンメールや子キャンペーンの詳細については、
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クーポンキャンペーン
キャンペーンの計画だけでなく、見込みのある顧客リストを作成することも重要です。クーポンキャンペーンを作成することで、見込みのある顧客リストを作成したり、ブランドの認知度を高めたりすることが可能です。クーポンキャンペーンは、次のような目的に役立ちます:
- 商品やサービスの購入促進
- 反応のある顧客に対する特典
- 反応のない顧客におけるメール開封率の向上
- 全般的なメールの反応(エンゲージメント)率、開封率、クリック率の向上
クーポンキャンペーンの詳細については、
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メールの自動化
Zoho Campaignsの自動配信機能は、見込み客のナーチャリングに特に役立つ機能です。受信者の操作に基づいて、一連の自動化メールを配信することができます。見込み客のナーチャリングを効果的に行うための自動配信機能には、次の種類があります:
登録日を基にした自動配信
見込み客によって配信メールに登録が行われた際には、すぐに対応する必要があります。登録のお礼メールを配信して商品やサービスを紹介することは、よりよい関係を築くための有効な手段です。Zoho Campaignsには、登録日に基づいた自動配信機能が用意されています。この自動配信機能では、見込み客によって登録が行われ、配信リストに追加されると、メールがすぐに自動で配信されます。指定した期間後に一連のメールを配信するように設定することが可能です。たとえば、お礼メールを配信した後に、商品やサービスの案内メールを配信するように設定できます。これにより、ブランドに対する意識を高め、商品やサービスについて理解してもらうことができます。
登録日に基づいた自動配信機能の詳細については、
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スマートシリーズ
お礼メールを配信し、受信者に商品やサービスの案内メールを配信した後には、スマートシリーズの自動配信機能が役立ちます。この自動配信機能では、一連のメールを作成し、配信を予約することができます。配信リストを関連付けた後、配信するメッセージを作成し、配信を開始する日時を指定します。必要に応じて追加のフォローメッセージを作成します。これにより、指定した間隔で一連のメッセージが自動で配信されるようになります。
この自動配信機能が設定される前に配信リストに登録した受信者には、すべてのメールが配信されます。この自動配信機能によるメールの配信後に配信リストに登録した受信者には、登録日以降の予約メールが配信されます。自動配信機能によるメールの配信後に配信リストに登録した受信者に対して、それまでに配信されたメールのリンクを配信するように設定することも可能です。
スマートシリーズに基づいた自動配信機能の詳細については、
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メールの操作を基にした自動配信
通常、配信メールへの登録者は、要件や興味に合ったコンテンツのメールが配信されることを期待しています。そのため、受信者が興味を持つコンテンツを把握することはとても重要です。受信者が興味を持つコンテンツを把握するには、配信したメールで受信者によって行われた操作(反応)を分析する必要があります。これにより、受信者の興味に基づいたターゲティングメールを配信できるようになります。
この自動配信機能では、次の操作を行った(行わなかった)受信者に対してフォローアップメールを配信することができます:
- メールを開封
- メールを未開封
- メール内の特定のリンクをクリック
- メールを開封し、メール内のリンクを未クリック
これにより、受信者の要件や興味を把握し、データに基づいてナーチャリングを行うことが可能です。
メールの操作に基づいた自動配信機能の詳細については、
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日付項目を基にした自動配信
配信リストに登録されている受信者のメールアドレスは、マーケティング業務においてとても重要な情報です。これらの登録されている受信者を優良顧客にするには、受信者が反応を示すようなキャンペーンを作成したり、受信者の誕生日や記念日に関するお祝いメールを配信したりすることで、対象の受信者が組織にとって貴重な顧客であることを意識してもらうことが有効です。この自動配信機能では、誕生日や結婚記念日などの特別な日に特定の受信者だけに向けたメールを配信することができます。これにより、受信者とのつながりを強化し、優良顧客を増やすことができます。
日付項目に基づいた自動配信機能の詳細については、
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キャンペーンのA/Bテスト
配信したキャンペーンメールの成果を把握し、分析することはとても重要です。メールの件名や本文を変えて試験的にキャンペーンメールを配信することで、キャンペーンの成果をより詳細に把握することができます。テストメールの配信後、キャンペーンの成果を分析することにより、受信者の要件や興味に対する理解を深めることが可能です。
Zoho Campaignsには、A/Bテスト機能が用意されています。A/Bテストでは、2種類のキャンペーンを作成し、2つの少人数のグループに対して異なるバージョンを配信します。その後、開封率やクリック率が高かったキャンペーンを残りの受信者に配信します。これにより、受信者の要件や興味を理解し、開封率やクリック率を高めることができます。
キャンペーンのA/Bテストの詳細については、
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配信リスト内のデータ管理
キャンペーンメールを作成するにあたって、配信リストはとても重要な要素です。そして、メールキャンペーンの成果を高めるための最も重要な要素は、配信リストの質の高さと言っても過言ではありません。配信リストの質を高めるための手順は主に3つあります。配信リストの適切な名前の設定、配信リスト内の連絡先のセグメント化(グループ分け)、配信リストの定期的な整理(クリーニング)です。
配信リストの名前の設定
配信リストの連絡先がどのようにして登録したかを把握し、登録経路に応じて配信リストの名前を設定する必要があります。これにより、今後キャンペーンメールを配信する際に適切な配信リストを選択することができるようになります。また、連絡先の登録経路を簡単に識別することも可能です。
配信リストのセグメント化(グループ分け)
配信リストに登録されている連絡先は、それぞれ要件や興味が異なります。そのため、内容が同じキャンペーンメールを配信リスト内のすべての連絡先に配信することは効果的ではありません。受信者によっては、まったく興味や必要性のないキャンペーン内容である可能性があります。配信したキャンペーンメールが多くの受信者にとって興味や必要性のないメールである場合、メールの開封率が低下したり、リストへの登録が解除されたりすることもあります。
Zoho Campaignsでは、年齢、性別、地域などの特定の条件に基づいて受信者をセグメント化(グループ分け)することができます。また、
トピック機能を活用すると、受け取るメールのトピックを受信者が選択できるようになります。これにより、選択されたトピックに基づいて連絡先をグループ化してセグメント(グループ)を作成したり、新しい配信リストを作成したりすることが可のです。
セグメントの詳細については、
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配信リストの整理(クリーニング)
キャンペーンの成果は、配信リストの質の高さによって左右されます。配信リスト内に無効なメールアドレスや反応のない連絡先が含まれている場合、配信したメールは不達となったり、迷惑メール(スパム)として判定されたりする可能性があります。これにより、配信元ドメインの信頼性が低下し、メール機能を提供するサービスによってメールの振り分けが適切に行われなくなります。
このような状況を防ぐには、定期的に配信リストの整理(クリーニング)を行い、反応のない連絡先や無効なメールアドレスを削除します。配信リストの整理(クリーニング)には、2段階の手順を行う必要があります。はじめに、反応のない連絡先を識別します。その後、これらの連絡先に対して
フォローメールを配信し、連絡先の掘り起こし(再エンゲージメント)を実施します。
配信リストの整理(クリーニング)の詳細については、
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ターゲットマーケティング
受信者による開封率が高く、目標コンバージョン率を達成したメールキャンペーンは、成果の高いキャンペーンと言えるでしょう。メールキャンペーンの成果を高めるには、受信者の要件や興味に合わせたコンテンツを配信する必要があります。ターゲットマーケティングとは、受信者の要件や興味を識別し、識別したデータを基にメールを配信する手法です。受信者の購入履歴、開封率の高かったメール、クリックされたリンクなどの情報を詳細に分析することで、受信者の要件や興味を識別することができます。分析から得たデータを基に、同様の要件や興味を持つ受信者に対してセグメント(グループ)を作成したり、専用の配信リストを作成したりすることが可能です。受信者に合ったコンテンツを作成してメールを配信することで、反応率(エンゲージメント率)やコンバージョン率を高めることができます。
ターゲットマーケティングに関する詳細については、
こちらをご参照ください。
効果があるとして普及しているマーケティング戦略を選定し、マーケティング業務に取り入れることは、キャンペーンの成果を向上させるための有効な手法のひとつです。しかし、この手法だけでは、目標とするコンバージョン率に達成しない可能性があります。目標とするコンバージョン率に達成するには、ナーチャリング、配信リストのデータ管理、ターゲットマーケティングなど、基本となる取り組みを地道に進めていく必要があります。